$x \to \infty$ のとき、$y = e^x$ が $y = x^e$ と比較して、より急速に増大することを証明せよ。

解析学極限指数関数ロピタルの定理関数の増大
2025/7/28

1. 問題の内容

xx \to \infty のとき、y=exy = e^xy=xey = x^e と比較して、より急速に増大することを証明せよ。

2. 解き方の手順

xx \to \inftyexe^xxex^e よりも急速に増大することを示すには、limxxeex=0\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = 0 を示すことで証明できます。
これは、指数関数 exe^x が多項式関数 xex^e よりもはるかに速く増加することを意味します。
limxxeex\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} を評価するために、ロピタルの定理を適用します。ロピタルの定理を適用するには、関数が不定形 \frac{\infty}{\infty} または 00\frac{0}{0} の形式である必要があります。 この場合、xx \to \infty では、xex^e \to \infty および exe^x \to \infty であるため、これは不定形 \frac{\infty}{\infty} の形式であり、ロピタルの定理を適用できます。
ロピタルの定理を適用します。
limxxeex=limxddx(xe)ddx(ex)\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = \lim_{x \to \infty} \frac{\frac{d}{dx}(x^e)}{\frac{d}{dx}(e^x)}
導関数を計算します。
ddx(xe)=exe1\frac{d}{dx}(x^e) = ex^{e-1}
ddx(ex)=ex\frac{d}{dx}(e^x) = e^x
したがって、
limxxeex=limxexe1ex\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = \lim_{x \to \infty} \frac{ex^{e-1}}{e^x}
まだ不定形 \frac{\infty}{\infty} の形式です。ロピタルの定理を再度適用します。
limxexe1ex=limxe(e1)xe2ex\lim_{x \to \infty} \frac{ex^{e-1}}{e^x} = \lim_{x \to \infty} \frac{e(e-1)x^{e-2}}{e^x}
ロピタルの定理を ee 回適用すると、分子に定数がある式になります。
limxe(e1)(e2)...(e(e1))xeeex=limxe!ex\lim_{x \to \infty} \frac{e(e-1)(e-2)...(e-(e-1))x^{e-e}}{e^x} = \lim_{x \to \infty} \frac{e!}{e^x}
(eは整数ではないので厳密には階乗ではないですが同様の操作を繰り返します。)
分子は定数ですが、分母は xx \to \infty で無限大になります。したがって、
limxxeex=0\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = 0

3. 最終的な答え

limxxeex=0\lim_{x \to \infty} \frac{x^e}{e^x} = 0 であるため、xx \to \infty のとき、y=exy = e^xy=xey = x^e よりも急速に増大します。

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