連続関数 $f(x)$ が与えられたとき、次の関数の微分を $f$ を用いて表す問題です。 (1) $\frac{d}{dx} \int_{-x}^{x+1} f(2t) \, dt$ (2) $\frac{d}{dx} \int_{x}^{2x} t f(t^2) \, dt$

解析学積分微分ライプニッツの法則関数の微分
2025/7/28

1. 問題の内容

連続関数 f(x)f(x) が与えられたとき、次の関数の微分を ff を用いて表す問題です。
(1) ddxxx+1f(2t)dt\frac{d}{dx} \int_{-x}^{x+1} f(2t) \, dt
(2) ddxx2xtf(t2)dt\frac{d}{dx} \int_{x}^{2x} t f(t^2) \, dt

2. 解き方の手順

(1)
まず、積分を計算する前に、微分の順序を入れ替える必要があります。ライプニッツの積分法則を使用します。
ddxa(x)b(x)g(x,t)dt=g(x,b(x))db(x)dxg(x,a(x))da(x)dx+a(x)b(x)g(x,t)xdt\frac{d}{dx} \int_{a(x)}^{b(x)} g(x, t) \, dt = g(x, b(x)) \frac{db(x)}{dx} - g(x, a(x)) \frac{da(x)}{dx} + \int_{a(x)}^{b(x)} \frac{\partial g(x, t)}{\partial x} \, dt
この問題では g(x,t)=f(2t)g(x, t) = f(2t) なので、g(x,t)x=0\frac{\partial g(x, t)}{\partial x} = 0 となります。
したがって、
ddxxx+1f(2t)dt=f(2(x+1))d(x+1)dxf(2(x))d(x)dx=f(2x+2)1f(2x)(1)=f(2x+2)+f(2x)\frac{d}{dx} \int_{-x}^{x+1} f(2t) \, dt = f(2(x+1)) \frac{d(x+1)}{dx} - f(2(-x)) \frac{d(-x)}{dx} = f(2x+2) \cdot 1 - f(-2x) \cdot (-1) = f(2x+2) + f(-2x)
(2)
こちらも同様にライプニッツの積分法則を使用します。
ddxa(x)b(x)g(x,t)dt=g(x,b(x))db(x)dxg(x,a(x))da(x)dx+a(x)b(x)g(x,t)xdt\frac{d}{dx} \int_{a(x)}^{b(x)} g(x, t) \, dt = g(x, b(x)) \frac{db(x)}{dx} - g(x, a(x)) \frac{da(x)}{dx} + \int_{a(x)}^{b(x)} \frac{\partial g(x, t)}{\partial x} \, dt
この問題では g(x,t)=tf(t2)g(x, t) = t f(t^2) なので、g(x,t)x=0\frac{\partial g(x, t)}{\partial x} = 0 となります。
したがって、
ddxx2xtf(t2)dt=(2x)f((2x)2)d(2x)dx(x)f(x2)d(x)dx=2xf(4x2)2xf(x2)1=4xf(4x2)xf(x2)\frac{d}{dx} \int_{x}^{2x} t f(t^2) \, dt = (2x) f((2x)^2) \frac{d(2x)}{dx} - (x) f(x^2) \frac{d(x)}{dx} = 2x f(4x^2) \cdot 2 - x f(x^2) \cdot 1 = 4x f(4x^2) - x f(x^2)

3. 最終的な答え

(1) f(2x+2)+f(2x)f(2x+2) + f(-2x)
(2) 4xf(4x2)xf(x2)4x f(4x^2) - x f(x^2)

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