与えられた重積分の積分順序を変更する問題です。具体的には、以下の4つの積分について、$dxdy$ の順序を $dydx$ の順序に変更します。 (1) $\int_{-1}^{1} dx \int_{0}^{2\sqrt{1-x^2}} f(x,y) dy$ (2) $\int_{-2}^{1} dx \int_{x^2}^{-x+2} f(x,y) dy$ (3) $\int_{0}^{4} dy \int_{y}^{2\sqrt{y}} f(x,y) dx$ (4) $\int_{0}^{4} dy \int_{y-2}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx$

解析学重積分積分順序の変更多変数関数
2025/7/28

1. 問題の内容

与えられた重積分の積分順序を変更する問題です。具体的には、以下の4つの積分について、dxdydxdy の順序を dydxdydx の順序に変更します。
(1) 11dx021x2f(x,y)dy\int_{-1}^{1} dx \int_{0}^{2\sqrt{1-x^2}} f(x,y) dy
(2) 21dxx2x+2f(x,y)dy\int_{-2}^{1} dx \int_{x^2}^{-x+2} f(x,y) dy
(3) 04dyy2yf(x,y)dx\int_{0}^{4} dy \int_{y}^{2\sqrt{y}} f(x,y) dx
(4) 04dyy2yf(x,y)dx\int_{0}^{4} dy \int_{y-2}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx

2. 解き方の手順

重積分の積分順序を変更するには、まず積分範囲をグラフに図示し、その領域を xx について積分する場合にどのように範囲が表現されるかを考えます。それぞれの積分について、以下の手順で解きます。
(1)
積分範囲は 1x1-1 \le x \le 10y21x20 \le y \le 2\sqrt{1-x^2} です。y=21x2y = 2\sqrt{1-x^2} を変形すると、y2=4(1x2)y^2 = 4(1-x^2) となり、x2+y24=1x^2 + \frac{y^2}{4} = 1 という楕円の上半分を表します。したがって、xx の範囲は 1y24x1y24-\sqrt{1-\frac{y^2}{4}} \le x \le \sqrt{1-\frac{y^2}{4}} と表せ、yy の範囲は 0y20 \le y \le 2 となります。
よって、積分の順序を変更すると 02dy1y241y24f(x,y)dx\int_{0}^{2} dy \int_{-\sqrt{1-\frac{y^2}{4}}}^{\sqrt{1-\frac{y^2}{4}}} f(x,y) dx となります。
(2)
積分範囲は 2x1-2 \le x \le 1x2yx+2x^2 \le y \le -x+2 です。y=x2y = x^2y=x+2y = -x+2 の交点を求めると、x2=x+2x^2 = -x+2 より x2+x2=0x^2+x-2=0 となり、(x+2)(x1)=0(x+2)(x-1)=0 より、x=2,1x=-2, 1 となります。
y=x+2y = -x+2 を変形すると x=2yx = 2-y となり、y=x2y = x^2 を変形すると、x0x \ge 0 のとき、x=yx = \sqrt{y} となります。
yy の範囲は、0y10 \le y \le 1 のとき yxy-\sqrt{y} \le x \le \sqrt{y}, 1y41 \le y \le 4 のとき y+2xy-y+2 \le x \le \sqrt{y} となります。積分を分割して表すと、 01dyyyf(x,y)dx+14dyy+2yf(x,y)dx\int_{0}^{1} dy \int_{-\sqrt{y}}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx + \int_{1}^{4} dy \int_{-y+2}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx となります。
(3)
積分範囲は 0y40 \le y \le 4yx2yy \le x \le 2\sqrt{y} です。x=yx=yx=2yx=2\sqrt{y} の交点を求めると、y=2yy=2\sqrt{y} より、y2=4yy^2 = 4y となり、y(y4)=0y(y-4)=0 より y=0,4y=0,4 となります。
x=2yx=2\sqrt{y} を変形すると、y=x24y=\frac{x^2}{4} となります。
xx の範囲は 0x40 \le x \le 4 で、yy の範囲は x24yx\frac{x^2}{4} \le y \le x となります。
よって、積分の順序を変更すると 04dxx24xf(x,y)dy\int_{0}^{4} dx \int_{\frac{x^2}{4}}^{x} f(x,y) dy となります。
(4)
積分範囲は 0y40 \le y \le 4y2xyy-2 \le x \le \sqrt{y} です。x=y2x=y-2x=yx=\sqrt{y} の交点を求めると、y2=yy-2 = \sqrt{y} より、y24y+4=yy^2-4y+4 = y となり、y25y+4=0y^2-5y+4=0 より、(y1)(y4)=0(y-1)(y-4)=0 より y=1,4y=1,4 となります。
x=y2x=y-2 を変形すると、y=x+2y=x+2 となり、x=yx=\sqrt{y} を変形すると、y=x2y=x^2 となります。
xx の範囲は 2x2-2 \le x \le 2 です。2x0-2 \le x \le 0 のとき、x+2y4x+2 \le y \le 40x20 \le x \le 2 のとき、x+2y4x+2 \le y \le 4です。積分を分割して表すと、20dxx+24f(x,y)dy+02dxx2x+2f(x,y)dy\int_{-2}^{0} dx \int_{x+2}^{4} f(x,y) dy + \int_{0}^{2} dx \int_{x^2}^{x+2} f(x,y) dyとなります。

3. 最終的な答え

(1) 02dy1y241y24f(x,y)dx\int_{0}^{2} dy \int_{-\sqrt{1-\frac{y^2}{4}}}^{\sqrt{1-\frac{y^2}{4}}} f(x,y) dx
(2) 01dyyyf(x,y)dx+14dyy+2yf(x,y)dx\int_{0}^{1} dy \int_{-\sqrt{y}}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx + \int_{1}^{4} dy \int_{-y+2}^{\sqrt{y}} f(x,y) dx
(3) 04dxx24xf(x,y)dy\int_{0}^{4} dx \int_{\frac{x^2}{4}}^{x} f(x,y) dy
(4) 20dxx+24f(x,y)dy+02dxx2x+2f(x,y)dy\int_{-2}^{0} dx \int_{x+2}^{4} f(x,y) dy + \int_{0}^{2} dx \int_{x^2}^{x+2} f(x,y) dy

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