$a, b, c$ は定数で、$a > 0$, $b \geq 0$ とする。関数 $f(\theta) = \sin(a\theta + b) + c$ について、グラフに関するいくつかの問いに答える。 (1) $c = 0$ とする。$y = f(\theta)$ のグラフが図1のようになるとき、$a$, $b$, $d$の値を求める。 (2) $y = f(\theta)$ のグラフが図2のようになるとき、$a$, $c$ を求め、さらにグラフの平行移動に関する問いに答える。

解析学三角関数グラフ周期平行移動振幅位相
2025/7/28

1. 問題の内容

a,b,ca, b, c は定数で、a>0a > 0, b0b \geq 0 とする。関数 f(θ)=sin(aθ+b)+cf(\theta) = \sin(a\theta + b) + c について、グラフに関するいくつかの問いに答える。
(1) c=0c = 0 とする。y=f(θ)y = f(\theta) のグラフが図1のようになるとき、aa, bb, ddの値を求める。
(2) y=f(θ)y = f(\theta) のグラフが図2のようになるとき、aa, cc を求め、さらにグラフの平行移動に関する問いに答える。

2. 解き方の手順

(1)
* 図1より、周期は 56π(π6)=π\frac{5}{6}\pi - (-\frac{\pi}{6}) = \pi である。よって、aθa\theta の周期は 2πa=π\frac{2\pi}{a} = \pi となるため、a=2a = 2 (ア) である。
* y=sin(2θ+b)y = \sin(2\theta + b) のグラフが θ=π6\theta = -\frac{\pi}{6} で最大値1をとることから、2(π6)+b=π2+2nπ2(-\frac{\pi}{6}) + b = \frac{\pi}{2} + 2n\pi (nn は整数) を満たす。
したがって、π3+b=π2+2nπ-\frac{\pi}{3} + b = \frac{\pi}{2} + 2n\pi より b=5π6+2nπb = \frac{5\pi}{6} + 2n\pi となる。b0b \geq 0 で最小の bbb=5π6b = \frac{5\pi}{6} (イ、選択肢(3)) である。
* f(θ)=sin(aθ+d)=sin(aθd)f(\theta) = -\sin(-a\theta + d) = \sin(a\theta - d) である。f(θ)=sin(2θ+5π6)f(\theta) = \sin(2\theta + \frac{5\pi}{6}) より、aθd=2θ+5π6+2nπa\theta - d = 2\theta + \frac{5\pi}{6} + 2n\pi (nn は整数)を満たす。
したがって、d=5π6+2nπ-d = \frac{5\pi}{6} + 2n\pi, d=5π62nπd = -\frac{5\pi}{6} - 2n\pi となる。d0d \geq 0 より、dd の最小値は d=7π6d = \frac{7\pi}{6} (選択肢(4)) である。
* sin(θ)=sin(θ)\sin(-\theta) = -\sin(\theta) (ウ、選択肢(2)) であるから、d=7π6d = \frac{7\pi}{6} (エ、選択肢(4))である。
(2)
* 図2より、周期は π\pi である。よって、aθa\theta の周期は 2πa=π\frac{2\pi}{a} = \pi となるため、a=2a = 2 (オ) である。
* 図2より、yy 軸方向に1だけ平行移動しているので、c=1c = 1 (カ) である。
* f(θ)=sin(2θ+b)+1f(\theta) = \sin(2\theta + b) + 1 のグラフが θ=0\theta = 0y=1y = 1 となるから、sin(b)+1=1\sin(b) + 1 = 1 より sin(b)=0\sin(b) = 0 である。
0b<2π0 \leq b < 2\pi を満たす bb は、b=0,πb = 0, \pi の2個 (キ) である。その中で最小のものは b=0b = 0 (ク、選択肢(0)) である。
* y=cos(2θ)y = \cos(2\theta) のグラフを θ\theta 軸方向に π2-\frac{\pi}{2} だけ平行移動すると y=cos(2(θ+π2))=cos(2θ+π)=cos(2θ)y = \cos(2(\theta + \frac{\pi}{2})) = \cos(2\theta + \pi) = -\cos(2\theta) となり、yy 軸方向に1だけ平行移動しても図2のグラフにはならない。
* y=cos(2θ)y = \cos(2\theta) のグラフをθ\theta 軸方向にθ=0\theta = 0で最大値を取るようにずらすと考えると、y=sin(2θ)+1y = \sin(2\theta) + 1とできる。したがってcos(2(θπ4))+1=sin(2θ)+1\cos(2(\theta-\frac{\pi}{4}))+1 = \sin(2\theta) + 1と変換することで、π4-\frac{\pi}{4} (ケ、選択肢(0)) だけ平行移動、y軸方向に1(カ)だけ平行移動したグラフと重なる。
* y=cos(2θ)y = \cos(2\theta)θ\theta軸方向にπ4\frac{\pi}{4}だけ平行移動すると、cos(2(θπ4))=cos(2θπ2)=sin(2θ)\cos(2(\theta-\frac{\pi}{4})) = \cos(2\theta-\frac{\pi}{2}) = \sin(2\theta)となる。
従ってy=sin(2θ)+1y = \sin(2\theta) + 1 = sin(2θ)\sin(2\theta) + 1(コ) と重なるので、y=1+sin(2θ)y = 1 + \sin(2\theta) となる。よって(サ)は選択肢にないため、誤りである。
もし修正するのであれば、(サ)は選択肢を増やす必要があり、y=1+sin(2θ)y=1+ \sin(2\theta)などと重なる、といった記述になるはずである。

3. 最終的な答え

(1)
* ア: 2
* イ: 5π6\frac{5\pi}{6} (選択肢(3))
* ウ: sinθ-\sin\theta (選択肢(2))
* エ: 7π6\frac{7\pi}{6} (選択肢(4))
(2)
* オ: 2
* カ: 1
* キ: 2
* ク: π4\frac{\pi}{4} (選択肢(0))
* ケ: θ\theta軸方向にπ4\frac{\pi}{4} (選択肢(0))だけ平行移動
* コ: 1
* サ: 選択肢に無し。

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