## 1. 問題の内容

幾何学座標三角関数極限角度
2025/7/29
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1. 問題の内容

原点を中心とする半径1の円の第一象限の部分をCCとする。点A(1,0),B(0,1)A(1, 0), B(0, 1)をとり、CC上に3点P(x1,y1),Q(x2,y2),RP(x_1, y_1), Q(x_2, y_2), Rがある。2y1=y22y_1 = y_2かつAOP=4AOR\angle AOP = 4\angle AORを満たすとする。直線OQOQと直線y=1y = 1の交点をQQ'、直線ORORと直線y=1y = 1の交点をRR'とする。AOP=θ\angle AOP = \thetaとするとき、以下の問いに答えよ。
(1) 点QQの座標をθ\thetaを用いて表せ。
(2) 点QQ'と点RR'の座標をθ\thetaを用いて表せ。
(3) 点PPが点AAに限りなく近づくとき、BRBQ\frac{BR'}{BQ'}の極限を求めよ。ただし、limx0sinxx=1\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1であることは用いてよい。
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2. 解き方の手順

### (1) 点Qの座標をθ\thetaを用いて表す
PPは円CC上にあるので、x1=cosθx_1 = \cos \theta, y1=sinθy_1 = \sin \thetaと表せる。
QQも円CC上にあるので、Q(x2,y2)=Q(cosα,sinα)Q(x_2, y_2) = Q(\cos \alpha, \sin \alpha)と表せる。
条件2y1=y22y_1 = y_2より、2sinθ=sinα2\sin \theta = \sin \alphaである。
よって、Q(cosα,sinα)=Q(cosα,2sinθ)Q(\cos \alpha, \sin \alpha) = Q(\cos \alpha, 2\sin \theta)となる。
sinα=2sinθ\sin \alpha = 2\sin \thetaより、cosα=1sin2α=14sin2θ\cos \alpha = \sqrt{1 - \sin^2 \alpha} = \sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}である。
したがって、QQの座標は(14sin2θ,2sinθ)(\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}, 2\sin \theta)となる。
### (2) 点QQ'と点RR'の座標をθ\thetaを用いて表す
まず点RRの座標を考える。AOP=θ\angle AOP = \thetaであり、AOP=4AOR\angle AOP = 4\angle AORであるから、AOR=θ4\angle AOR = \frac{\theta}{4}となる。
したがって、R(cosθ4,sinθ4)R(\cos \frac{\theta}{4}, \sin \frac{\theta}{4})である。
直線OQOQの傾きは2sinθ14sin2θ\frac{2\sin \theta}{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}なので、直線OQOQの方程式はy=2sinθ14sin2θxy = \frac{2\sin \theta}{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}xである。
QQ'は直線OQOQと直線y=1y = 1の交点なので、1=2sinθ14sin2θx1 = \frac{2\sin \theta}{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}xより、x=14sin2θ2sinθx = \frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta}となる。
したがって、Q(14sin2θ2sinθ,1)Q'(\frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta}, 1)である。
直線ORORの傾きはtanθ4=sinθ4cosθ4\tan \frac{\theta}{4} = \frac{\sin \frac{\theta}{4}}{\cos \frac{\theta}{4}}なので、直線ORORの方程式はy=sinθ4cosθ4xy = \frac{\sin \frac{\theta}{4}}{\cos \frac{\theta}{4}}xである。
RR'は直線ORORと直線y=1y = 1の交点なので、1=sinθ4cosθ4x1 = \frac{\sin \frac{\theta}{4}}{\cos \frac{\theta}{4}}xより、x=cosθ4sinθ4x = \frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}}となる。
したがって、R(cosθ4sinθ4,1)R'(\frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}}, 1)である。
### (3) 点PPが点AAに限りなく近づくとき、BRBQ\frac{BR'}{BQ'}の極限を求める
PPが点AAに限りなく近づくとき、θ0\theta \to 0となる。
B(0,1),Q(14sin2θ2sinθ,1),R(cosθ4sinθ4,1)B(0, 1), Q'(\frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta}, 1), R'(\frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}}, 1)である。
BR=(cosθ4sinθ40)2+(11)2=cosθ4sinθ4BR' = \sqrt{(\frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}} - 0)^2 + (1 - 1)^2} = \frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}}
BQ=(14sin2θ2sinθ0)2+(11)2=14sin2θ2sinθBQ' = \sqrt{(\frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta} - 0)^2 + (1 - 1)^2} = \frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta}
BRBQ=cosθ4sinθ414sin2θ2sinθ=2sinθcosθ4sinθ414sin2θ\frac{BR'}{BQ'} = \frac{\frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}}}{\frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta}} = \frac{2\sin \theta \cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4} \sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}
limθ0BRBQ=limθ02sinθcosθ4sinθ414sin2θ=limθ02θcosθ4θ414sin2θ=21141=8\lim_{\theta \to 0} \frac{BR'}{BQ'} = \lim_{\theta \to 0} \frac{2\sin \theta \cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4} \sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}} = \lim_{\theta \to 0} \frac{2\theta \cos \frac{\theta}{4}}{\frac{\theta}{4} \sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}} = \frac{2 \cdot 1}{\frac{1}{4} \cdot 1} = 8
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3. 最終的な答え

(1) 点QQの座標: (14sin2θ,2sinθ)(\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}, 2\sin \theta)
(2) 点QQ'の座標: (14sin2θ2sinθ,1)(\frac{\sqrt{1 - 4\sin^2 \theta}}{2\sin \theta}, 1), 点RR'の座標: (cosθ4sinθ4,1)(\frac{\cos \frac{\theta}{4}}{\sin \frac{\theta}{4}}, 1)
(3) limθ0BRBQ=8\lim_{\theta \to 0} \frac{BR'}{BQ'} = 8

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