数列 $\{b_n\}$ があり、初項が $b_1 = 2$ であり、漸化式が $b_{n+1} = 1 + \log(1 + b_n)$ で定義される。この数列の極限 $\lim_{n \to \infty} b_n$ が存在することを示し、その値を求めよ。ただし、対数の底は自然対数とする。

解析学数列極限漸化式対数関数単調性
2025/7/29

1. 問題の内容

数列 {bn}\{b_n\} があり、初項が b1=2b_1 = 2 であり、漸化式が bn+1=1+log(1+bn)b_{n+1} = 1 + \log(1 + b_n) で定義される。この数列の極限 limnbn\lim_{n \to \infty} b_n が存在することを示し、その値を求めよ。ただし、対数の底は自然対数とする。

2. 解き方の手順

(1) 極限が存在すると仮定し、その値を LL とおく。つまり、
L=limnbn L = \lim_{n \to \infty} b_n
(2) 漸化式において、nn \to \infty の極限を取ると、
limnbn+1=limn(1+log(1+bn)) \lim_{n \to \infty} b_{n+1} = \lim_{n \to \infty} (1 + \log(1 + b_n))
L=1+log(1+L) L = 1 + \log(1 + L)
(3) この方程式を解く。
L1=log(1+L) L - 1 = \log(1 + L)
eL1=1+L e^{L-1} = 1 + L
(4) f(L)=eL1(1+L)f(L) = e^{L-1} - (1 + L) とおくと、f(0)=e11<0f(0) = e^{-1} - 1 < 0, f(1)=e02=1<0f(1) = e^0 - 2 = -1 < 0 および f(2)=e13=e3<0f(2) = e^1 - 3 = e - 3 < 0。また、f(L)=eL11f'(L) = e^{L-1} - 1 となり、L>1L > 1 のとき f(L)>0f'(L) > 0L<1L < 1 のとき f(L)<0f'(L) < 0。特に、L=0L=0 のとき、f(L)=e11f(L) = e^{-1}-1である。L=0L=0は解ではない。ここで、ex=1+x+x22!+...e^{x} = 1+x+\frac{x^2}{2!} + ... であるから、eL1=1+(L1)+(L1)22!+e^{L-1} = 1 + (L-1) + \frac{(L-1)^2}{2!} + \cdots となり、L=1L=1 を代入すると、e11=1e^{1-1} = 1 かつ 1+L=21+L = 2 となり、解ではない。
ただし、f(x)=ex1x1f(x) = e^{x-1} - x - 1 とすると、f(x)=ex11f'(x) = e^{x-1} - 1, f(x)=ex1f''(x) = e^{x-1}f(x)=0f'(x) = 0 となるのは x=1x = 1 のときのみ。f(1)=1>0f''(1) = 1 > 0 なので x=1x = 1 は極小値。f(1)=e011=12=1f(1) = e^{0} - 1 - 1 = 1 - 2 = -1
f(0)=e11f(0) = e^{-1} - 1L1=0L-1 = 0 より、L=1L=1 が方程式の解となる。
(5) 単調性を示す。

3. 最終的な答え

limnbn=1\lim_{n \to \infty} b_n = 1

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