比透磁率 $\mu_r = 1000$ の鉄心に2つのエアギャップがあるコイルについて、以下の値を求めます。 * 鉄心とエアギャップの磁界の強さ $H_1, H_2, H_3$ * コイルにおける起磁力 $NI$ * 必要な電流値 $I$ 鉄心部分の総磁路長 $l_1$ (エアギャップ長 $l_2$ と $l_3$ を除いた長さ) は 0.8 m、エアギャップ長 $l_2$ は 0.001 m, $l_3$ は 0.004 m、コイル巻き数 $N$ は 1500 です。エアギャップでの磁束密度 $B$ を 1.5 T 以上とします。エアギャップでの空間的な磁束の広がり、漏れは無いものとします。

応用数学電磁気学磁気回路透磁率アンペールの法則
2025/7/29

1. 問題の内容

比透磁率 μr=1000\mu_r = 1000 の鉄心に2つのエアギャップがあるコイルについて、以下の値を求めます。
* 鉄心とエアギャップの磁界の強さ H1,H2,H3H_1, H_2, H_3
* コイルにおける起磁力 NINI
* 必要な電流値 II
鉄心部分の総磁路長 l1l_1 (エアギャップ長 l2l_2l3l_3 を除いた長さ) は 0.8 m、エアギャップ長 l2l_2 は 0.001 m, l3l_3 は 0.004 m、コイル巻き数 NN は 1500 です。エアギャップでの磁束密度 BB を 1.5 T 以上とします。エアギャップでの空間的な磁束の広がり、漏れは無いものとします。

2. 解き方の手順

(1) 磁界の強さ H1,H2,H3H_1, H_2, H_3 の算出
磁束密度 BB と磁界の強さ HH の関係は、
B=μHB = \mu H
で与えられます。ここで、μ\mu は透磁率で、μ=μrμ0\mu = \mu_r \mu_0 です。μ0\mu_0 は真空の透磁率で、4π×1074\pi \times 10^{-7} H/m です。
まず、エアギャップの磁界の強さ H2H_2H3H_3 を求めます。エアギャップでは μr=1\mu_r = 1 なので、μ=μ0\mu = \mu_0 となります。磁束密度 BB は 1.5 T です。
H2=Bμ0=1.54π×1071.194×106H_2 = \frac{B}{\mu_0} = \frac{1.5}{4\pi \times 10^{-7}} \approx 1.194 \times 10^6 A/m
H3=Bμ0=1.54π×1071.194×106H_3 = \frac{B}{\mu_0} = \frac{1.5}{4\pi \times 10^{-7}} \approx 1.194 \times 10^6 A/m
次に、鉄心部分の磁界の強さ H1H_1 を求めます。鉄心では μr=1000\mu_r = 1000 なので、μ=1000μ0\mu = 1000\mu_0 となります。
H1=Bμ=Bμrμ0=1.51000×4π×107=1.54π×1041194H_1 = \frac{B}{\mu} = \frac{B}{\mu_r \mu_0} = \frac{1.5}{1000 \times 4\pi \times 10^{-7}} = \frac{1.5}{4\pi \times 10^{-4}} \approx 1194 A/m
(2) 起磁力 NINI の算出
磁気回路に関するアンペールの法則より、閉じた経路に沿った磁界の強さの線積分は、その経路を貫く電流の総和に等しくなります。この問題では、
NI=H1l1+H2l2+H3l3NI = H_1 l_1 + H_2 l_2 + H_3 l_3
です。各値を代入すると、
NI=(1194×0.8)+(1.194×106×0.001)+(1.194×106×0.004)NI = (1194 \times 0.8) + (1.194 \times 10^6 \times 0.001) + (1.194 \times 10^6 \times 0.004)
NI=955.2+1194+4776=6925.2NI = 955.2 + 1194 + 4776 = 6925.2 A
(3) 必要な電流値 II の算出
コイルの巻き数 NN は 1500 なので、
I=NIN=6925.215004.617I = \frac{NI}{N} = \frac{6925.2}{1500} \approx 4.617 A

3. 最終的な答え

(1) 鉄心およびエアギャップの磁界の強さ
H11194H_1 \approx 1194 A/m
H21.194×106H_2 \approx 1.194 \times 10^6 A/m
H31.194×106H_3 \approx 1.194 \times 10^6 A/m
(2) コイルにおける起磁力 NINI
NI6925.2NI \approx 6925.2 A
(3) 必要な電流値 II
I4.617I \approx 4.617 A

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