ある財・サービス市場の需要曲線と供給曲線が与えられ、完全競争市場、独占市場、複占市場における均衡価格、取引量、消費者余剰、生産者余剰、企業の利潤などを求め、比較する問題です。

1. 問題の内容

ある財・サービス市場の需要曲線と供給曲線が与えられ、完全競争市場、独占市場、複占市場における均衡価格、取引量、消費者余剰、生産者余剰、企業の利潤などを求め、比較する問題です。

2. 解き方の手順

(1) 完全競争市場

需要曲線と供給曲線を連立させて均衡価格と取引量を求めます。需要曲線 $P = 18 - 2Q$、供給曲線 $P = Q$ より、

$18 - 2Q = Q$

$3Q = 18$

$Q = 6$

均衡取引量 $Q^* = 6$。

均衡価格 $P^* = Q = 6$。

消費者余剰は、$P = 18 - 2Q$ より、$Q = 0$ のとき $P = 18$なので、$(18 - 6) \times 6 \div 2 = 36$。

生産者余剰は、$6 \times 6 \div 2 = 18$。

(2) 独占市場

企業の収入は $P(Q) \times Q = (18 - 2Q)Q = 18Q - 2Q^2$。

企業の費用は $C(Q) = \frac{1}{2} Q^2$。

企業の利潤は、$\pi = 18Q - 2Q^2 - \frac{1}{2} Q^2 = 18Q - \frac{5}{2}Q^2$。

利潤を最大化するために、$\frac{d\pi}{dQ} = 18 - 5Q = 0$。

$Q^m = \frac{18}{5}$。

利潤は $\pi = 18 \times \frac{18}{5} - \frac{5}{2} \times (\frac{18}{5})^2 = \frac{324}{5} - \frac{5}{2} \times \frac{324}{25} = \frac{324}{5} - \frac{324}{10} = \frac{324}{10} = \frac{162}{5}$。

(3) 複占市場

市場全体の供給量 $Q = q_1 + q_2$。

市場価格 $P = 18 - 2Q = 18 - 2(q_1 + q_2)$。

企業1の収入 $P(Q) \times q_1 = (18 - 2q_1 - 2q_2)q_1 = 18q_1 - 2q_1^2 - 2q_1q_2$。

企業2の収入 $P(Q) \times q_2 = (18 - 2q_1 - 2q_2)q_2 = 18q_2 - 2q_2^2 - 2q_1q_2$。

企業1の費用 $C(q_1) = \frac{1}{2} q_1^2$。

企業2の費用 $C(q_2) = \frac{1}{2} q_2^2$。

企業1の利潤 $\pi_1 = 18q_1 - 2q_1^2 - 2q_1q_2 - \frac{1}{2} q_1^2 = 18q_1 - \frac{5}{2} q_1^2 - 2q_1q_2$。

$\frac{\partial \pi_1}{\partial q_1} = 18 - 5q_1 - 2q_2 = 0$。

企業2の利潤 $\pi_2 = 18q_2 - 2q_2^2 - 2q_1q_2 - \frac{1}{2} q_2^2 = 18q_2 - \frac{5}{2} q_2^2 - 2q_1q_2$。

$\frac{\partial \pi_2}{\partial q_2} = 18 - 5q_2 - 2q_1 = 0$。

$5q_1 + 2q_2 = 18$

$2q_1 + 5q_2 = 18$

連立させて解くと $q_1 = q_2 = \frac{18}{7}$。

$q_1 + q_2 = \frac{36}{7}$。

(1)の完全競争市場と(2)の独占企業の市場全体での供給量$Q^*$と$Q^m$、複占市場全体での供給量 $q_1 + q_2$を比較すると、$6 > \frac{36}{7} > \frac{18}{5}$。

つまり、$Q^* > q_1 + q_2 > Q^m$。

3. 最終的な答え

(ア) 6

(イ) 6

(ウ) 2

(エ) -

(オ) 18

(カ) 18

(キ) 5

(ク) 4

(ケ) 2

(コ) 7

(※※) 36

(☆☆) 18

(▽▽) 162/5

(★) $Q^* > q_1 + q_2 > Q^m$