pH 5.0 において、1.00 mmol の各金属イオン(Pb$^{2+}$, Fe$^{2+}$, Mg$^{2+}$)を EDTA で滴定した場合の、当量点における pM 値を計算します。ただし、いずれの溶液の容量も 100 mL とします。

応用数学化学滴定錯体pM平衡安定度定数
2025/8/2
はい、承知いたしました。画像に写っている問題のうち、13番の問題を解きます。

1. 問題の内容

pH 5.0 において、1.00 mmol の各金属イオン(Pb2+^{2+}, Fe2+^{2+}, Mg2+^{2+})を EDTA で滴定した場合の、当量点における pM 値を計算します。ただし、いずれの溶液の容量も 100 mL とします。

2. 解き方の手順

当量点では、金属イオンと EDTA が完全に反応し、金属-EDTA 錯体(MY2^{2-})が生成します。
金属イオンの初期濃度は 1.00 mmol/100 mL=0.0100 M1.00 \text{ mmol} / 100 \text{ mL} = 0.0100 \text{ M} です。当量点では、
[M2+]=[EDTA]=x[M^{2+}] = [EDTA] = x
[MY2]0.0100 M[MY^{2-}] \approx 0.0100 \text{ M}
金属イオン M2+M^{2+} と EDTA (Y4^{4-}) との錯形成反応は以下の通りです。
M2++Y4MY2M^{2+} + Y^{4-} \rightleftharpoons MY^{2-}
この反応の安定度定数 KMYK_{MY} は以下のように表されます。
KMY=[MY2][M2+][Y4]K_{MY} = \frac{[MY^{2-}]}{[M^{2+}][Y^{4-}]}
pM を計算するには、まず M2+M^{2+} の濃度を計算し、その後で負の対数をとります。
pM=log[M2+]pM = -log[M^{2+}]
pH 5.0 における EDTA の条件付き安定度定数 KMYK'_{MY} を考慮する必要があります。pH が低いほど、EDTA のプロトン化が進み、金属イオンとの結合が弱まります。
KMY=αY4×KMYK'_{MY} = \alpha_{Y^{4-}} \times K_{MY}
ここで、αY4\alpha_{Y^{4-}} は EDTA のプロトン化の影響を考慮した係数であり、pH 5.0 では 0.000035 です。
それぞれの金属イオンに対する KMYK_{MY} の値は以下の通りです。
Pb2+^{2+}: 1018.0410^{18.04}
Fe2+^{2+}: 1014.3210^{14.32}
Mg2+^{2+}: 108.6910^{8.69}
それぞれの金属イオンについて計算していきます。
(a) Pb2+^{2+}の場合:
KPbY=1018.04K_{PbY} = 10^{18.04}
KPbY=0.000035×1018.04=1013.58K'_{PbY} = 0.000035 \times 10^{18.04} = 10^{13.58}
KPbY=[PbY2][Pb2+][Y4]=0.01x2=1013.58K'_{PbY} = \frac{[PbY^{2-}]}{[Pb^{2+}][Y^{4-}]} = \frac{0.01}{x^2} = 10^{13.58}
x2=0.011013.58x^2 = \frac{0.01}{10^{13.58}}
x=0.011013.58=107.29x = \sqrt{\frac{0.01}{10^{13.58}}} = 10^{-7.29}
pPb=log(107.29)=7.29pPb = -log(10^{-7.29}) = 7.29
(b) Fe2+^{2+}の場合:
KFeY=1014.32K_{FeY} = 10^{14.32}
KFeY=0.000035×1014.32=109.86K'_{FeY} = 0.000035 \times 10^{14.32} = 10^{9.86}
KFeY=[FeY2][Fe2+][Y4]=0.01x2=109.86K'_{FeY} = \frac{[FeY^{2-}]}{[Fe^{2+}][Y^{4-}]} = \frac{0.01}{x^2} = 10^{9.86}
x2=0.01109.86x^2 = \frac{0.01}{10^{9.86}}
x=0.01109.86=105.93x = \sqrt{\frac{0.01}{10^{9.86}}} = 10^{-5.93}
pFe=log(105.93)=5.93pFe = -log(10^{-5.93}) = 5.93
(c) Mg2+^{2+}の場合:
KMgY=108.69K_{MgY} = 10^{8.69}
KMgY=0.000035×108.69=104.23K'_{MgY} = 0.000035 \times 10^{8.69} = 10^{4.23}
KMgY=[MgY2][Mg2+][Y4]=0.01x2=104.23K'_{MgY} = \frac{[MgY^{2-}]}{[Mg^{2+}][Y^{4-}]} = \frac{0.01}{x^2} = 10^{4.23}
x2=0.01104.23x^2 = \frac{0.01}{10^{4.23}}
x=0.01104.23=103.12x = \sqrt{\frac{0.01}{10^{4.23}}} = 10^{-3.12}
pMg=log(103.12)=3.12pMg = -log(10^{-3.12}) = 3.12

3. 最終的な答え

(a) Pb2+^{2+}: pPb = 7.29
(b) Fe2+^{2+}: pFe = 5.93
(c) Mg2+^{2+}: pMg = 3.12

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