ベイリーは町で唯一の湧き水の井戸を所有している。需要曲線、限界収入曲線、限界費用曲線が与えられている。ベイリーが利潤を最大化するときの利潤を求める。 与えられた情報: * 需要曲線: $P = 120 - Q$ * 限界収入曲線: $MR = 120 - 2Q$ * 限界費用曲線: $MC = Q$

応用数学経済学ミクロ経済学利潤最大化価格差別需要曲線限界収入限界費用総余剰積分
2025/7/29
## 問題18

1. 問題の内容

ベイリーは町で唯一の湧き水の井戸を所有している。需要曲線、限界収入曲線、限界費用曲線が与えられている。ベイリーが利潤を最大化するときの利潤を求める。
与えられた情報:
* 需要曲線: P=120QP = 120 - Q
* 限界収入曲線: MR=1202QMR = 120 - 2Q
* 限界費用曲線: MC=QMC = Q

2. 解き方の手順

1. 利潤を最大化する生産量 $Q$ を求める。これは、限界収入 $MR$ と限界費用 $MC$ が等しくなるときに達成される。つまり、$MR = MC$ を解く。

1202Q=Q120 - 2Q = Q

2. 上記の式を $Q$ について解く。

3Q=1203Q = 120
Q=40Q = 40

3. 利潤を最大化する価格 $P$ を求める。これは、需要曲線に $Q = 40$ を代入することで得られる。

P=120Q=12040=80P = 120 - Q = 120 - 40 = 80

4. 総収入 $TR$ を計算する。これは、$TR = P \times Q$ で求められる。

TR=80×40=3200TR = 80 \times 40 = 3200

5. 総費用 $TC$ を計算する。総費用は限界費用 $MC$ を $0$ から $Q$ まで積分することで得られる。しかし、この問題では総費用は限界費用から計算できる。総費用は限界費用の合計であるため、$TC = \int_{0}^{Q} MC \, dQ = \int_{0}^{Q} Q \, dQ = \frac{1}{2} Q^2$となる。

TC=12Q2=12(40)2=12×1600=800TC = \frac{1}{2} Q^2 = \frac{1}{2} (40)^2 = \frac{1}{2} \times 1600 = 800

6. 利潤 $π$ を計算する。これは、$π = TR - TC$ で求められる。

π=3200800=2400π = 3200 - 800 = 2400

3. 最終的な答え

ベイリーが利潤を最大化したときの利潤は 24002400 である。
## 問題19

1. 問題の内容

問題18のベイリーが完全に価格差別をすることができると仮定する。しかし、価格差別をするには固定費用2000がかかる。価格差別によって総余剰はどれだけ変化するか、その変化分を求める。

2. 解き方の手順

1. 完全価格差別の場合、ベイリーは限界費用曲線が需要曲線と交わる点まで生産を行う。需要曲線 $P = 120 - Q$ と限界費用曲線 $MC = Q$ が交わる点を求める。

120Q=Q120 - Q = Q
2Q=1202Q = 120
Q=60Q = 60

2. 総収入 $TR$ は、需要曲線の下の面積であり、これは三角形の面積として計算できる。

総収入 TRTR は積分で求めることができる:
TR=060(120Q)dQ=[120Q12Q2]060=120(60)12(60)2=72001800=5400TR = \int_{0}^{60} (120-Q) \, dQ = [120Q - \frac{1}{2} Q^2]_{0}^{60} = 120(60) - \frac{1}{2} (60)^2 = 7200 - 1800 = 5400

3. 総費用 $TC$ は、限界費用 $MC$ を $0$ から $Q$ まで積分することで得られる。

TC=12Q2=12(60)2=12×3600=1800TC = \frac{1}{2} Q^2 = \frac{1}{2} (60)^2 = \frac{1}{2} \times 3600 = 1800

4. 完全価格差別の場合の利潤 $π'$ を計算する。ただし、固定費用 $2000$ を考慮する。

π=TRTC2000=540018002000=1600π' = TR - TC - 2000 = 5400 - 1800 - 2000 = 1600

5. 価格差別をしない場合の総余剰を計算する。需要曲線と限界費用曲線の交点である $Q = 60$ を用いる。消費者余剰はゼロである。生産者余剰は、$(P - MC)$ を$0$から$Q$まで積分したものである。

前の問題では、価格が一つのときの利潤を24002400とした。しかし、この問題で総余剰は利潤に等しいわけではないことに注意する必要がある。

6. 価格差別をする場合の総余剰は、価格差別をする場合の利潤から固定費用を引いたものである。

16001600

7. 価格差別をしない場合の総余剰は、消費者余剰と生産者余剰の合計である。消費者余剰は、需要曲線と市場価格の間の面積で与えられる。生産者余剰は、市場価格と供給曲線(この場合は限界費用曲線)の間の面積で与えられる。価格差別をしない場合、

Q=40,P=80Q=40, P = 80である。
消費者余剰は、12×(12080)×40=12×40×40=800\frac{1}{2} \times (120-80) \times 40 = \frac{1}{2} \times 40 \times 40 = 800である。
生産者余剰は、利潤と同じで24002400である。
総余剰は、800+2400=3200800 + 2400 = 3200となる。

8. 価格差別によって総余剰の変化を計算する。

変化分 = 価格差別後の総余剰 - 価格差別前の総余剰 = 16003200=16001600 - 3200 = -1600

3. 最終的な答え

価格差別によって総余剰は 1600 -1600 減少する。

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