(1) 投入係数表の作成
投入係数(aij)は、i産業の生産のためにj産業から投入される財・サービスの割合を示します。 投入係数は、各産業の取引額を生産額で割ることで計算できます。
基本取引表の各要素をそれぞれの産業の生産額で割ることで投入係数表を作成します。
具体的には、aij=xij/Xjで計算します。ここで、xijはj産業からi産業への投入額、Xjはj産業の生産額です。 第1産業の生産額は360、第2産業の生産額は410、第3産業の生産額は270です。
よって、投入係数表は以下のようになります。
a11=40/360=0.111 a12=110/410=0.268 a13=90/270=0.333 a21=60/360=0.167 a22=200/410=0.488 a23=40/270=0.148 a31=100/360=0.278 a32=60/410=0.146 a33=20/270=0.074 投入係数表Aは以下の通りです。
A=0.1110.1670.2780.2680.4880.1460.3330.1480.074 (2) 逆行列係数表の作成
逆行列係数表((I−A)−1)は、レオンチェフ逆行列とも呼ばれ、生産誘発効果を表します。ここで、Iは単位行列、Aは投入係数表です。 逆行列係数表は、(I−A)の逆行列を計算することで求められます。 I=100010001 I−A=1−0.111−0.167−0.278−0.2681−0.488−0.146−0.333−0.1481−0.074=0.889−0.167−0.278−0.2680.512−0.146−0.333−0.1480.926 (I−A)−1を計算すると、約 (I−A)−1=1.3990.6010.5480.7082.2340.4660.6360.4581.228 (3) 波及効果の計算
公共投資による新規需要のベクトルをd=5102とします。 生産誘発効果は、逆行列係数に新規需要ベクトルを掛けることで計算できます。
すなわち、x=(I−A)−1dで求められます。 x=1.3990.6010.5480.7082.2340.4660.6360.4581.2285102=1.399∗5+0.708∗10+0.636∗20.601∗5+2.234∗10+0.458∗20.548∗5+0.466∗10+1.228∗2=7.0+7.08+1.2723.005+22.34+0.9162.74+4.66+2.456=15.35126.2619.856