ある独占市場における費用逓減産業について、需要曲線 $D = 100 - p$ 、総費用曲線 $C = 10X + 180$ が与えられている。以下の問いに答える。 (1) 社会的に最適な価格と生産量を求める。 (2) 限界費用価格形成原理に基づく価格と生産量、およびその時の企業の損失を求める。 (3) この財の生産を補助することが社会的に望ましいかどうかを判断する。

応用数学経済学独占市場費用逓減産業需要曲線総費用限界費用最適化
2025/7/30

1. 問題の内容

ある独占市場における費用逓減産業について、需要曲線 D=100pD = 100 - p 、総費用曲線 C=10X+180C = 10X + 180 が与えられている。以下の問いに答える。
(1) 社会的に最適な価格と生産量を求める。
(2) 限界費用価格形成原理に基づく価格と生産量、およびその時の企業の損失を求める。
(3) この財の生産を補助することが社会的に望ましいかどうかを判断する。

2. 解き方の手順

(1) 社会的に最適な価格と生産量
社会的総余剰を最大化するためには、需要曲線と限界費用が等しくなるように生産量を決定する。
需要曲線は D=100pD = 100 - p より、p=100Dp = 100 - D となる。
総費用曲線 C=10X+180C = 10X + 180 より、限界費用 MC=dCdX=10MC = \frac{dC}{dX} = 10 となる。
社会的最適条件は、p=MCp = MC であり、100D=10100 - D = 10 を満たす。
よって、D=90D = 90 となる。
p=10090=10p = 100 - 90 = 10 となる。
(2) 限界費用価格形成原理に基づく価格と生産量
限界費用価格形成原理では、価格は限界費用に等しくなるように設定される。したがって、p=MC=10p = MC = 10 となる。
需要曲線 D=100pD = 100 - pp=10p = 10 を代入すると、D=10010=90D = 100 - 10 = 90 となる。
このときの企業の損失は、総費用 C=10X+180=1090+180=900+180=1080C = 10X + 180 = 10 \cdot 90 + 180 = 900 + 180 = 1080 、総収入 TR=pX=1090=900TR = p \cdot X = 10 \cdot 90 = 900 より、損失 =CTR=1080900=180= C - TR = 1080 - 900 = 180 となる。
(3) 生産補助の必要性
限界費用価格形成原理のもとでは、企業は損失を被る。費用逓減産業であるため、平均費用が逓減する。平均費用は、AC=CX=10X+180X=10+180XAC = \frac{C}{X} = \frac{10X + 180}{X} = 10 + \frac{180}{X} となる。
生産量が増加するほど平均費用が低下するため、限界費用価格形成原理のもとでは、補助金が必要になる可能性が高い。
この場合、限界費用価格形成原理のもとで企業は損失を被り、生産量が社会的最適水準にあるにもかかわらず、操業を維持できない可能性があるため、生産を補助することが社会的に望ましい。

3. 最終的な答え

(1) 価格: 10, 生産量: 90
(2) 価格: 10, 生産量: 90, 損失: 180
(3) 1

「応用数学」の関連問題

質量 $m_1$ の質点1と質量 $m_2$ の質点2があり、それぞれ力 $F_1$, $F_2$ を受けている。それぞれの位置ベクトルを $r_1$, $r_2$ とするとき、以下の問いに答える。 ...

力学運動量保存則重心運動方程式質点
2025/8/2

質量 $m$ の質点の位置ベクトルを $\vec{r}$、速度ベクトルを $\vec{v}$ とする。質点には力 $\vec{F}$ が働いている。 (1) この質点の運動方程式を $m$, $\ve...

力学運動方程式角運動量ベクトル解析物理
2025/8/2

質量 $m$ の質点の位置ベクトルを $\vec{r}$ 、速度ベクトルを $\vec{v}$ とします。質点には力 $\vec{F}$ が働いています。以下の問いに答えてください。 (1) 質点の運...

力学運動方程式角運動量ベクトルの外積力のモーメント
2025/8/2

ある財・サービス市場の需要曲線と供給曲線が与えられ、完全競争市場、独占市場、複占市場における均衡価格、取引量、消費者余剰、生産者余剰、企業の利潤などを求め、比較する問題です。

経済学ミクロ経済学市場均衡消費者余剰生産者余剰利潤最大化Cournot競争
2025/8/1

この問題は、完全競争市場、独占市場、複占市場(寡占市場)における企業の行動と市場均衡を分析し、価格、生産量、利潤、消費者余剰、生産者余剰などを求める問題です。

経済学ミクロ経済学市場均衡完全競争市場独占市場複占市場需要曲線供給曲線利潤最大化微分連立方程式
2025/8/1

この問題は、ある財・サービス市場の需要曲線と供給曲線が与えられたとき、完全競争市場、独占市場、複占市場における価格、供給量、余剰、利潤などを求める問題です。需要曲線は $P = 18 - 2Q$ で、...

ミクロ経済学市場均衡需要曲線供給曲線消費者余剰生産者余剰独占市場複占市場利潤最大化微分連立方程式
2025/8/1

ある財・サービス市場の需要曲線 $P = 18 - 2Q$ と供給曲線 $P = Q$ が与えられたとき、以下の問いに答える問題です。 (1) 完全競争市場における均衡価格、取引量、消費者余剰、生産者...

ミクロ経済学需要曲線供給曲線均衡価格消費者余剰生産者余剰独占クールノー競争微分最適化
2025/8/1

ある財・サービス市場の需要曲線 $P = 18 - 2Q$ と供給曲線 $P = Q$ が与えられたとき、以下の問いに答える問題です。 (1) 完全競争市場の場合の均衡価格、均衡取引量、消費者余剰、生...

経済学ミクロ経済学需要曲線供給曲線完全競争独占クールノー競争均衡価格均衡取引量消費者余剰生産者余剰利潤最大化微分
2025/8/1

ある財・サービス市場の需要曲線と供給曲線が与えられており、 需要曲線は $P = 18 - 2Q$、供給曲線は $P = Q$ で表される。 (1) 完全競争市場の場合の均衡価格、取引量、消費者余剰、...

経済学ミクロ経済学需要曲線供給曲線均衡価格消費者余剰生産者余剰独占市場複占市場最適化
2025/8/1

完全競争市場、独占市場、複占市場(寡占市場)における企業の行動と市場均衡に関する問題です。具体的には、価格、取引量、消費者余剰、生産者余剰、企業の供給量、利潤などを計算し、(ア)~(コ)の空欄を埋め、...

経済学ミクロ経済学市場均衡最適化微分需要曲線供給曲線消費者余剰生産者余剰利潤
2025/8/1