与えられた数列の第 $n$ 項が、 $n \rightarrow \infty$ のとき、それぞれ括弧内の値に収束することを、$\epsilon - N$ 論法を用いて証明する問題です。 (1) $\frac{n}{n+1}$ [1] (2) $\frac{1}{3n}$ [0] (3) $\frac{1}{2^n}$ [0]

1. 問題の内容

与えられた数列の第 $n$ 項が、 $n \rightarrow \infty$ のとき、それぞれ括弧内の値に収束することを、$\epsilon - N$ 論法を用いて証明する問題です。

(1) $\frac{n}{n+1}$ [1]

(2) $\frac{1}{3n}$ [0]

(3) $\frac{1}{2^n}$ [0]

2. 解き方の手順

$\epsilon - N$ 論法では、任意の $\epsilon > 0$ に対して、ある自然数 $N$ が存在し、$n > N$ ならば $|a_n - \alpha| < \epsilon$ が成り立つことを示すことで、$a_n$ が $\alpha$ に収束することを証明します。

(1) $a_n = \frac{n}{n+1}$ が $1$ に収束することの証明:

任意の $\epsilon > 0$ に対して、

$|\frac{n}{n+1} - 1| = |\frac{n - (n+1)}{n+1}| = |\frac{-1}{n+1}| = \frac{1}{n+1}$

$\frac{1}{n+1} < \epsilon$ となる $n$ を探します。

$\frac{1}{n+1} < \epsilon$ より $n+1 > \frac{1}{\epsilon}$、つまり $n > \frac{1}{\epsilon} - 1$。

そこで、$N = \lfloor \frac{1}{\epsilon} - 1 \rfloor + 1$ とすると、$n > N$ ならば $\frac{1}{n+1} < \epsilon$ が成り立ちます。ここで、$\lfloor x \rfloor$ は $x$ の整数部分を表します。

したがって、$a_n = \frac{n}{n+1}$ は $1$ に収束します。

(2) $a_n = \frac{1}{3n}$ が $0$ に収束することの証明:

任意の $\epsilon > 0$ に対して、

$|\frac{1}{3n} - 0| = \frac{1}{3n}$

$\frac{1}{3n} < \epsilon$ となる $n$ を探します。

$\frac{1}{3n} < \epsilon$ より $3n > \frac{1}{\epsilon}$、つまり $n > \frac{1}{3\epsilon}$。

そこで、$N = \lfloor \frac{1}{3\epsilon} \rfloor + 1$ とすると、$n > N$ ならば $\frac{1}{3n} < \epsilon$ が成り立ちます。

したがって、$a_n = \frac{1}{3n}$ は $0$ に収束します。

(3) $a_n = \frac{1}{2^n}$ が $0$ に収束することの証明:

任意の $\epsilon > 0$ に対して、

$|\frac{1}{2^n} - 0| = \frac{1}{2^n}$

$\frac{1}{2^n} < \epsilon$ となる $n$ を探します。

$\frac{1}{2^n} < \epsilon$ より $2^n > \frac{1}{\epsilon}$、つまり $n > \log_2(\frac{1}{\epsilon}) = -\log_2(\epsilon)$。

そこで、$N = \lfloor -\log_2(\epsilon) \rfloor + 1$ とすると、$n > N$ ならば $\frac{1}{2^n} < \epsilon$ が成り立ちます。

したがって、$a_n = \frac{1}{2^n}$ は $0$ に収束します。

3. 最終的な答え

(1) $\frac{n}{n+1}$ は 1 に収束する。

(2) $\frac{1}{3n}$ は 0 に収束する。

(3) $\frac{1}{2^n}$ は 0 に収束する。