* (1) $D < 0$ かつ $A > 0$ ならば、$ (\alpha, \beta) \neq (0, 0)$ のとき常に $a_2 > 0$ (極小値) * (2) $D < 0$ かつ $A < 0$ ならば、$ (\alpha, \beta) \neq (0, 0)$ のとき常に $a_2 < 0$ (極大値) * (3) $D > 0$ ならば、$ a_2$ は適当な $ (\alpha, \beta)$ に対して正負両方の値をとりうる。
2025/7/30
## 問題の解答
###
1. 問題の内容
問題は以下の2つの部分から構成されています。
1. $a_2 = A\alpha^2 + 2B\alpha\beta + C\beta^2$, $D = B^2 - AC$ とおくとき、極値の判別式との関係を示す。具体的には、以下の3つを示す必要があります。
* (1) かつ ならば、 のとき常に (極小値)
* (2) かつ ならば、 のとき常に (極大値)
* (3) ならば、 は適当な に対して正負両方の値をとりうる。
2. 以下の3つの関数の極値を求める。
* (1)
* (2)
* (3)
###
2. 解き方の手順
**
1. 極値の判別式との関係の証明**
において、 と は任意の実数です。
(1) かつ のとき
なので、 が成り立ちます。また、 であるため、 も成り立ちます。
を平方完成すると:
かつ であるため、 は常に正の値をとります。ただし、 は除く。
したがって、
(2) かつ のとき
なので、 が成り立ちます。また、 であるため、 も成り立ちます。
を平方完成すると、(1)と同様に
かつ であるため、 は常に負の値をとります。ただし、 は除く。
したがって、
(3) のとき
なので、 が成り立ちます。
もし なら、 は正でも負でも構いません。 の場合、 が正の値を取るように , を選べます。一方、 の場合、 が負の値を取るように , を選べます。
もし なら、 は正でも負でも構いません。 の場合、 が負の値を取るように , を選べます。一方、 の場合、 が正の値を取るように , を選べます。
したがって、 は正負両方の値をとりえます。
**
2. 関数の極値の計算**
各関数 について、以下の手順で極値を求めます。
1. 偏微分を計算する: $h_x = \frac{\partial h}{\partial x}$, $h_y = \frac{\partial h}{\partial y}$
2. 連立方程式 $h_x = 0$, $h_y = 0$ を解き、停留点 $(x_0, y_0)$ を求める。
3. 2階偏微分を計算する: $h_{xx} = \frac{\partial^2 h}{\partial x^2}$, $h_{yy} = \frac{\partial^2 h}{\partial y^2}$, $h_{xy} = \frac{\partial^2 h}{\partial x \partial y}$
4. 判別式 $D = h_{xx}h_{yy} - h_{xy}^2$ を計算する。
5. 各停留点について、$D$ の符号と $h_{xx}$ の符号を調べ、極大、極小、または鞍点であるかを判定する。
* かつ ならば、極小値
* かつ ならば、極大値
* ならば、鞍点
* ならば、判定不能
**具体的に計算します。**
(1)
*
*
連立方程式 , を解くと、
停留点
*
*
*
より、 で極小値をとる。
(2)
*
*
連立方程式 , を解くと、
停留点
*
*
*
より、 で極大値をとる。
(3)
*
*
連立方程式 , を解くと、, , つまり、。
より、 または 。 は が定義できないため不適。
のとき、
停留点
*
*
*
において、
より、 で極小値をとる。
###
3. 最終的な答え
1. $a_2 = A\alpha^2 + 2B\alpha\beta + C\beta^2$ と $D = B^2 - AC$ に関する証明は上記参照。
2. 関数の極値は以下の通りです。
* (1) は で極小値 をとる。
* (2) は で極大値 をとる。
* (3) は で極小値 をとる。