定数 $a$ を含む連立一次方程式 \begin{align*} x_1 + x_2 + 2x_3 &= a \\ x_1 + ax_2 + (4-2a)x_3 &= a+1 \\ (a+1)x_1 + 2ax_2 + 4x_3 &= 4a-1 \end{align*} について、以下の問いに答える。 (1) この方程式が解を持つような $a$ の値を求める。 (2) (1) で求めた $a$ の値に対して、この方程式の解を求める。

代数学連立一次方程式線形代数行列階数解の存在条件
2025/7/30

1. 問題の内容

定数 aa を含む連立一次方程式
\begin{align*}
x_1 + x_2 + 2x_3 &= a \\
x_1 + ax_2 + (4-2a)x_3 &= a+1 \\
(a+1)x_1 + 2ax_2 + 4x_3 &= 4a-1
\end{align*}
について、以下の問いに答える。
(1) この方程式が解を持つような aa の値を求める。
(2) (1) で求めた aa の値に対して、この方程式の解を求める。

2. 解き方の手順

(1) 方程式が解を持つための条件を求める。連立一次方程式を行列で表現し、拡大係数行列の階数を計算する。解を持つためには、係数行列の階数と拡大係数行列の階数が一致する必要がある。
与えられた連立一次方程式を拡大係数行列で表すと、
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & a \\
1 & a & 4-2a & a+1 \\
a+1 & 2a & 4 & 4a-1
\end{pmatrix}
となる。この行列を簡約化する。
まず、2行目から1行目を引くと
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & a \\
0 & a-1 & 2-2a & 1 \\
a+1 & 2a & 4 & 4a-1
\end{pmatrix}
次に、3行目から1行目の a+1a+1 倍を引くと
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & a \\
0 & a-1 & 2-2a & 1 \\
0 & 2a-(a+1) & 4-2(a+1) & 4a-1-a(a+1)
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & a \\
0 & a-1 & 2-2a & 1 \\
0 & a-1 & 2-2a & -a^2+3a-1
\end{pmatrix}
3行目から2行目を引くと
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & a \\
0 & a-1 & 2-2a & 1 \\
0 & 0 & 0 & -a^2+3a-2
\end{pmatrix}
解を持つためには、 a2+3a2=0-a^2+3a-2 = 0 が必要である。
a2+3a2=(a1)(a2)=0-a^2+3a-2 = -(a-1)(a-2) = 0 より、a=1,2a=1, 2 である。
(2) a=1a=1 のとき、
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
これは解を持たない。
a=2a=2 のとき、
\begin{pmatrix}
1 & 1 & 2 & 2 \\
0 & 1 & -2 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
1行目から2行目を引くと
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 4 & 1 \\
0 & 1 & -2 & 1 \\
0 & 0 & 0 & 0
\end{pmatrix}
x1+4x3=1x_1+4x_3=1, x22x3=1x_2-2x_3=1
x1=14x3x_1 = 1-4x_3, x2=1+2x3x_2 = 1+2x_3
x3=kx_3 = k とすると、 x1=14kx_1 = 1-4k, x2=1+2kx_2 = 1+2k, x3=kx_3 = k となる。

3. 最終的な答え

(1) a=2a = 2
(2) x1=14kx_1 = 1-4k, x2=1+2kx_2 = 1+2k, x3=kx_3 = k (ただし、kk は任意の実数)

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