半径1の球の体積が $\frac{4}{3}\pi$ で与えられることを、2重積分と3重積分をそれぞれ用いて証明する。ただし、半径1の球面は $x^2 + y^2 + z^2 = 1$ を満たす点の集合で与えられる。

1. 問題の内容

半径1の球の体積が $\frac{4}{3}\pi$ で与えられることを、2重積分と3重積分をそれぞれ用いて証明する。ただし、半径1の球面は $x^2 + y^2 + z^2 = 1$ を満たす点の集合で与えられる。

2. 解き方の手順

(1) 3重積分による体積の計算

球の体積 $V$ は、3重積分を用いて以下のように表せる。

$$V = \iiint_D dxdydz$$

ここで、$D$ は球 $x^2 + y^2 + z^2 \leq 1$ の領域である。

積分を計算するために、球座標変換を行う。

$x = r\sin\theta\cos\phi$, $y = r\sin\theta\sin\phi$, $z = r\cos\theta$

ヤコビアンは $r^2\sin\theta$ である。

したがって、

$$V = \int_0^1 \int_0^\pi \int_0^{2\pi} r^2\sin\theta d\phi d\theta dr$$

$$V = \int_0^1 r^2 dr \int_0^\pi \sin\theta d\theta \int_0^{2\pi} d\phi$$

$$V = \left[\frac{r^3}{3}\right]_0^1 \left[-\cos\theta\right]_0^\pi \left[\phi\right]_0^{2\pi}$$

$$V = \frac{1}{3} \cdot (-\cos\pi + \cos 0) \cdot (2\pi)$$

$$V = \frac{1}{3} \cdot (1 + 1) \cdot 2\pi$$

$$V = \frac{4}{3}\pi$$

(2) 2重積分による体積の計算

球の上半分の式は $z = \sqrt{1 - x^2 - y^2}$ である。

したがって、球の体積は、上半分の体積の2倍である。

$$V = 2 \iint_E \sqrt{1 - x^2 - y^2} dxdy$$

ここで、$E$ は円板 $x^2 + y^2 \leq 1$ である。

積分を計算するために、極座標変換を行う。

$x = r\cos\theta$, $y = r\sin\theta$

ヤコビアンは $r$ である。

$$V = 2 \int_0^1 \int_0^{2\pi} \sqrt{1 - r^2} r d\theta dr$$

$$V = 2 \int_0^1 r\sqrt{1 - r^2} dr \int_0^{2\pi} d\theta$$

$u = 1 - r^2$ とすると $du = -2r dr$ である。

$$V = 2 \int_1^0 \sqrt{u} (-\frac{1}{2} du) \int_0^{2\pi} d\theta$$

$$V = \int_0^1 \sqrt{u} du \int_0^{2\pi} d\theta$$

$$V = \left[\frac{2}{3}u^{3/2}\right]_0^1 \left[\theta\right]_0^{2\pi}$$

$$V = \frac{2}{3} \cdot 2\pi$$

$$V = \frac{4}{3}\pi$$

3. 最終的な答え

半径1の球の体積は $\frac{4}{3}\pi$ である。