$n$ を自然数とするとき、$y = (x-1)e^x$ の第 $n$ 次導関数を求める。

解析学微分導関数数学的帰納法
2025/7/30

1. 問題の内容

nn を自然数とするとき、y=(x1)exy = (x-1)e^x の第 nn 次導関数を求める。

2. 解き方の手順

まず、yy の1次導関数、2次導関数を計算し、規則性を見つける。
y=(x1)exy = (x-1)e^x
1次導関数:
y=ddx((x1)ex)=ex+(x1)ex=xexy' = \frac{d}{dx} ((x-1)e^x) = e^x + (x-1)e^x = xe^x
2次導関数:
y=ddx(xex)=ex+xex=(x+1)exy'' = \frac{d}{dx} (xe^x) = e^x + xe^x = (x+1)e^x
3次導関数:
y=ddx((x+1)ex)=ex+(x+1)ex=(x+2)exy''' = \frac{d}{dx} ((x+1)e^x) = e^x + (x+1)e^x = (x+2)e^x
このように、導関数の次数が1増えるごとに、xx に足される数も1増えることが予想される。
つまり、y(n)=(x+n1)exy^{(n)} = (x+n-1)e^x と予想できる。
これを数学的帰納法で証明する。
(i) n=1n=1 のとき、y=(x+11)ex=xexy' = (x+1-1)e^x = xe^x となり成り立つ。
(ii) n=kn=k のとき、y(k)=(x+k1)exy^{(k)} = (x+k-1)e^x が成り立つと仮定する。
(iii) n=k+1n=k+1 のとき、
y(k+1)=ddxy(k)=ddx((x+k1)ex)=ex+(x+k1)ex=(x+k)exy^{(k+1)} = \frac{d}{dx} y^{(k)} = \frac{d}{dx} ((x+k-1)e^x) = e^x + (x+k-1)e^x = (x+k)e^x
これは、y(k+1)=(x+(k+1)1)exy^{(k+1)} = (x+(k+1)-1)e^x となり、n=k+1n=k+1 のときも成り立つ。
したがって、数学的帰納法により、y(n)=(x+n1)exy^{(n)} = (x+n-1)e^x が成り立つ。

3. 最終的な答え

(x+n1)ex(x+n-1)e^x

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