6本の縦線を持つあみだくじで、置換$(1, 6)$を実現するものを考える。このとき、必要な横線の最小本数を求める。

離散数学置換あみだくじ組合せ論グラフ理論
2025/7/31

1. 問題の内容

6本の縦線を持つあみだくじで、置換(1,6)(1, 6)を実現するものを考える。このとき、必要な横線の最小本数を求める。

2. 解き方の手順

あみだくじは、縦線の順序を入れ替える操作を表す。置換(1,6)(1, 6)は、1番目と6番目の縦線の行き先を入れ替える操作である。
* 縦線がnn本の場合、隣り合う縦線を入れ替える互換(基本互換)は(i,i+1)(i, i+1) (i=1,2,...,n1i=1, 2, ..., n-1)の形で表される。
* 任意の置換は、基本互換の積で表せる。置換(1,6)(1, 6)は、1番目と6番目を入れ替えるので、隣接互換の繰り返しで実現できる。
* (1,6)(1, 6)を隣接互換の積で表すことを考える。
(1,6)=(1,2)(2,3)(3,4)(4,5)(5,6)(4,5)(3,4)(2,3)(1,2)(1, 6) = (1, 2)(2, 3)(3, 4)(4, 5)(5, 6)(4, 5)(3, 4)(2, 3)(1, 2)
このように隣接互換の積で表現すると、9回の隣接互換が必要となる。
しかし、あみだくじでは同じ隣接互換を繰り返しても良い。例えば (1,2)(1,2)(1, 2)(1, 2) は何もしないのと同じである。
(1,6)=(5,6)(4,5)(3,4)(2,3)(1,2)(2,3)(3,4)(4,5)(5,6)(1, 6) = (5,6)(4,5)(3,4)(2,3)(1,2)(2,3)(3,4)(4,5)(5,6)
隣接互換を並べたときに、最小本数になるような並び方を見つけることを考える。
必要な隣接互換は、
(1, 2), (2, 3), (3, 4), (4, 5), (5, 6)を少なくとも1回ずつ使う必要がある。
また、(1,6)=(5,6)(4,5)(3,4)(2,3)(1,2)(2,3)(3,4)(4,5)(5,6)(1, 6) = (5, 6)(4, 5)(3, 4)(2, 3)(1, 2)(2, 3)(3, 4)(4, 5)(5, 6)のような表現が最小本数となる。
隣接互換の組み合わせは、 (1,2)(1, 2)から(5,6)(5, 6)までの5個の隣接互換を順番に並べ、次に(2,3)(2, 3)から(5,6)(5, 6)まで並べるというように行うことで最小本数となる。
したがって、最小本数は5+4+3+2+1 =15ではない。
置換(1,6)(1,6)をあみだくじで実現するためには、最低5個の隣接互換が必要である。
(1 6)を表すには、(1 2)(2 3)(3 4)(4 5)(5 6)(4 5)(3 4)(2 3)(1 2) となるので9個の隣接互換が必要。
互換(1,6)を表すあみだくじの最小の横線の数は5本である。これは、(1 2)(2 3)(3 4)(4 5)(5 6)(4 5)(3 4)(2 3)(1 2)とすることにより9本であみだくじを作成可能。また、(5 6)(4 5)(3 4)(2 3)(1 2)(2 3)(3 4)(4 5)(5 6)とするのも同値。

3. 最終的な答え

5本

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