1. 問題の内容
6本の縦線を持つあみだくじで、置換を実現するものを考える。このとき、必要な横線の最小本数を求める。
2. 解き方の手順
あみだくじは、縦線の順序を入れ替える操作を表す。置換は、1番目と6番目の縦線の行き先を入れ替える操作である。
* 縦線が本の場合、隣り合う縦線を入れ替える互換(基本互換)は ()の形で表される。
* 任意の置換は、基本互換の積で表せる。置換は、1番目と6番目を入れ替えるので、隣接互換の繰り返しで実現できる。
* を隣接互換の積で表すことを考える。
このように隣接互換の積で表現すると、9回の隣接互換が必要となる。
しかし、あみだくじでは同じ隣接互換を繰り返しても良い。例えば は何もしないのと同じである。
隣接互換を並べたときに、最小本数になるような並び方を見つけることを考える。
必要な隣接互換は、
(1, 2), (2, 3), (3, 4), (4, 5), (5, 6)を少なくとも1回ずつ使う必要がある。
また、のような表現が最小本数となる。
隣接互換の組み合わせは、 からまでの5個の隣接互換を順番に並べ、次にからまで並べるというように行うことで最小本数となる。
したがって、最小本数は5+4+3+2+1 =15ではない。
置換をあみだくじで実現するためには、最低5個の隣接互換が必要である。
(1 6)を表すには、(1 2)(2 3)(3 4)(4 5)(5 6)(4 5)(3 4)(2 3)(1 2) となるので9個の隣接互換が必要。
互換(1,6)を表すあみだくじの最小の横線の数は5本である。これは、(1 2)(2 3)(3 4)(4 5)(5 6)(4 5)(3 4)(2 3)(1 2)とすることにより9本であみだくじを作成可能。また、(5 6)(4 5)(3 4)(2 3)(1 2)(2 3)(3 4)(4 5)(5 6)とするのも同値。
3. 最終的な答え
5本