水平な地面に置かれた質量 $M$ の大砲が、水平と角 $\theta$ の方向に質量 $m$ の砲弾を発射する問題です。 A. 砲弾が砲身に対して相対速度 $v$ で打ち出されたとき、砲弾が受けた力積の鉛直方向成分の大きさを求める。 B. 発射直後、大砲は速度 $V$ で後退した。大砲と地面との間に摩擦がないものとしたとき、静止した第三者から見た砲弾の速度 $v'$ の水平方向成分を、$V$, $v$, $\theta$ を用いて表す。

応用数学力学運動量保存力積物理
2025/7/31

1. 問題の内容

水平な地面に置かれた質量 MM の大砲が、水平と角 θ\theta の方向に質量 mm の砲弾を発射する問題です。
A. 砲弾が砲身に対して相対速度 vv で打ち出されたとき、砲弾が受けた力積の鉛直方向成分の大きさを求める。
B. 発射直後、大砲は速度 VV で後退した。大砲と地面との間に摩擦がないものとしたとき、静止した第三者から見た砲弾の速度 vv' の水平方向成分を、VV, vv, θ\theta を用いて表す。

2. 解き方の手順

A. 力積の鉛直方向成分
砲弾の相対速度 vv は、水平方向と角度 θ\theta をなすので、鉛直方向成分は vsinθv\sin\theta となります。
力積は運動量の変化に等しいので、砲弾が受けた力積の鉛直方向成分の大きさは、砲弾の質量 mm と速度の鉛直方向成分の積で表されます。
B. 砲弾の速度の水平方向成分
まず、大砲と砲弾の運動量保存則を考えます。
発射前は大砲も砲弾も静止しているので、運動量の和は0です。
発射直後は、大砲は速度 VV で後退し、砲弾は速度 vv' で飛び出します。水平方向の運動量保存の式は、
MV+mvx=0MV + mv'_x = 0
ここで vxv'_x は静止した第三者から見た砲弾の水平方向の速度成分です。
ただし、大砲の後退する方向を正とします(座標系の取り方に注意)。
また、砲弾の速度の水平成分は大砲から見て vcosθv\cos\theta なので、静止している第三者から見ると、
vxV=vcosθv'_x - V = v\cos\theta
となります。したがって、
vx=vcosθ+Vv'_x = v\cos\theta + V
この式を運動量保存の式に代入します。
MV+m(vcosθ+V)=0MV + m(v\cos\theta + V) = 0
これから VV について解きます。
V(M+m)=mvcosθV(M+m) = -mv\cos\theta
V=mvcosθM+mV = -\frac{mv\cos\theta}{M+m}
これを vx=vcosθ+Vv'_x = v\cos\theta + V に代入すると、
vx=vcosθmvcosθM+mv'_x = v\cos\theta - \frac{mv\cos\theta}{M+m}
vx=vcosθ(1mM+m)v'_x = v\cos\theta (1 - \frac{m}{M+m})
vx=vcosθ(M+mmM+m)v'_x = v\cos\theta (\frac{M+m-m}{M+m})
vx=MM+mvcosθv'_x = \frac{M}{M+m} v\cos\theta

3. 最終的な答え

A. mvsinθmv\sin\theta
B. MM+mvcosθ\frac{M}{M+m} v\cos\theta

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