質量 $m$ の物体が $xy$ 平面上を運動している。 A. 位置ベクトル $P$ の $x,y$ 成分を、原点からの距離 $r$ および $x$ 軸とのなす角 $\theta$ を用いた極座標で表す。 B. 速度ベクトルの $x,y$ 成分を、$r$, $\theta$ およびそれらの時間微分を用いて表す。 C. 角運動量ベクトルの $z$ 成分を、$m$, $r$, $\theta$ およびそれらの時間微分を用いて表す。

応用数学力学ベクトル極座標微分
2025/7/31

1. 問題の内容

質量 mm の物体が xyxy 平面上を運動している。
A. 位置ベクトル PPx,yx,y 成分を、原点からの距離 rr および xx 軸とのなす角 θ\theta を用いた極座標で表す。
B. 速度ベクトルの x,yx,y 成分を、rr, θ\theta およびそれらの時間微分を用いて表す。
C. 角運動量ベクトルの zz 成分を、mm, rr, θ\theta およびそれらの時間微分を用いて表す。

2. 解き方の手順

A. 位置ベクトルの成分表示
極座標における位置ベクトルの x,yx,y 成分は以下のように表される。
x=rcosθx = r \cos \theta
y=rsinθy = r \sin \theta
B. 速度ベクトルの成分表示
速度ベクトルは位置ベクトルの時間微分である。
vx=dxdt=ddt(rcosθ)=drdtcosθrsinθdθdtv_x = \frac{dx}{dt} = \frac{d}{dt}(r \cos \theta) = \frac{dr}{dt} \cos \theta - r \sin \theta \frac{d\theta}{dt}
vy=dydt=ddt(rsinθ)=drdtsinθ+rcosθdθdtv_y = \frac{dy}{dt} = \frac{d}{dt}(r \sin \theta) = \frac{dr}{dt} \sin \theta + r \cos \theta \frac{d\theta}{dt}
C. 角運動量ベクトルの zz 成分
角運動量ベクトル L\vec{L} は、位置ベクトル r\vec{r} と運動量ベクトル p\vec{p} の外積で定義される。
L=r×p=r×(mv)\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p} = \vec{r} \times (m\vec{v})
Lz=xpyypx=m(xvyyvx)L_z = x p_y - y p_x = m(xv_y - yv_x)
xvyyvx=rcosθ(drdtsinθ+rcosθdθdt)rsinθ(drdtcosθrsinθdθdt)=rdrdtcosθsinθ+r2cos2θdθdtrdrdtsinθcosθ+r2sin2θdθdt=r2(cos2θ+sin2θ)dθdt=r2dθdtxv_y - yv_x = r\cos\theta(\frac{dr}{dt}\sin\theta + r\cos\theta\frac{d\theta}{dt}) - r\sin\theta(\frac{dr}{dt}\cos\theta - r\sin\theta\frac{d\theta}{dt}) = r\frac{dr}{dt}\cos\theta\sin\theta + r^2\cos^2\theta\frac{d\theta}{dt} - r\frac{dr}{dt}\sin\theta\cos\theta + r^2\sin^2\theta\frac{d\theta}{dt} = r^2(\cos^2\theta + \sin^2\theta)\frac{d\theta}{dt} = r^2\frac{d\theta}{dt}
したがって、
Lz=mr2dθdtL_z = mr^2\frac{d\theta}{dt}

3. 最終的な答え

A.
x=rcosθx = r \cos \theta
y=rsinθy = r \sin \theta
B.
vx=drdtcosθrdθdtsinθv_x = \frac{dr}{dt} \cos \theta - r \frac{d\theta}{dt} \sin \theta
vy=drdtsinθ+rdθdtcosθv_y = \frac{dr}{dt} \sin \theta + r \frac{d\theta}{dt} \cos \theta
C.
Lz=mr2dθdtL_z = mr^2\frac{d\theta}{dt}

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