与えられた無限級数の和が $\frac{\pi}{2}$ であることを示す問題です。つまり、 $\sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k} (k!)^2} \frac{1}{2k+1} = \frac{\pi}{2}$ を証明します。

解析学無限級数ベータ関数ガンマ関数マクローリン展開積分
2025/3/11

1. 問題の内容

与えられた無限級数の和が π2\frac{\pi}{2} であることを示す問題です。つまり、
k=0(2k)!22k(k!)212k+1=π2\sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k} (k!)^2} \frac{1}{2k+1} = \frac{\pi}{2}
を証明します。

2. 解き方の手順

この問題は、ベータ関数や二項定理、あるいはWallis積などを使って解くことができます。今回は、ベータ関数を用いた方法で解きます。
まず、ベータ関数の定義を確認します。
B(x,y)=01tx1(1t)y1dt=Γ(x)Γ(y)Γ(x+y)B(x,y) = \int_0^1 t^{x-1} (1-t)^{y-1} dt = \frac{\Gamma(x) \Gamma(y)}{\Gamma(x+y)}
ここで、Γ(x)\Gamma(x)はガンマ関数です。
次に、ベータ関数の別の表現として以下があります。
B(x,y)=20π2(sinθ)2x1(cosθ)2y1dθB(x,y) = 2 \int_0^{\frac{\pi}{2}} (\sin \theta)^{2x-1} (\cos \theta)^{2y-1} d\theta
これらのベータ関数の定義より
01tx1(1t)y1dt=20π/2(sinθ)2x1(cosθ)2y1dθ\int_0^1 t^{x-1}(1-t)^{y-1} dt = 2\int_0^{\pi/2} (\sin \theta)^{2x-1} (\cos \theta)^{2y-1} d\theta
が成り立ちます。
ここで、x=y=12x = y = \frac{1}{2} とすると、
B(12,12)=Γ(12)Γ(12)Γ(1)=ππ1=πB(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}) = \frac{\Gamma(\frac{1}{2}) \Gamma(\frac{1}{2})}{\Gamma(1)} = \frac{\sqrt{\pi} \sqrt{\pi}}{1} = \pi
また、
B(12,12)=20π2(sinθ)0(cosθ)0dθ=20π21dθ=2π2=πB(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}) = 2 \int_0^{\frac{\pi}{2}} (\sin \theta)^{0} (\cos \theta)^{0} d\theta = 2 \int_0^{\frac{\pi}{2}} 1 d\theta = 2 \cdot \frac{\pi}{2} = \pi
ここで、arcsinx\arcsin x のマクローリン展開を考えます。
arcsinx=k=0(2k)!22k(k!)2x2k+12k+1\arcsin x = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k} (k!)^2} \frac{x^{2k+1}}{2k+1}
この式に x=1x=1 を代入すると、
arcsin1=k=0(2k)!22k(k!)212k+1\arcsin 1 = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k} (k!)^2} \frac{1}{2k+1}
arcsin1=π2\arcsin 1 = \frac{\pi}{2} なので、
k=0(2k)!22k(k!)212k+1=π2\sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k} (k!)^2} \frac{1}{2k+1} = \frac{\pi}{2}

3. 最終的な答え

π2\frac{\pi}{2}

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