与えられた広義積分が収束するか発散するかを調べ、収束する場合はその値を求めます。 (1) $\int_{0}^{1} \frac{1}{x^2} dx$ (2) $\int_{1}^{\infty} \frac{1}{x^2} dx$

解析学広義積分積分極限
2025/7/31

1. 問題の内容

与えられた広義積分が収束するか発散するかを調べ、収束する場合はその値を求めます。
(1) 011x2dx\int_{0}^{1} \frac{1}{x^2} dx
(2) 11x2dx\int_{1}^{\infty} \frac{1}{x^2} dx

2. 解き方の手順

(1) 011x2dx\int_{0}^{1} \frac{1}{x^2} dx について
まず、積分を計算します。
1x2dx=x2dx=x1+C=1x+C\int \frac{1}{x^2} dx = \int x^{-2} dx = -x^{-1} + C = -\frac{1}{x} + C
次に、広義積分の定義に従って、積分範囲の端点を極限で置き換えます。
011x2dx=lima+0a11x2dx\int_{0}^{1} \frac{1}{x^2} dx = \lim_{a \to +0} \int_{a}^{1} \frac{1}{x^2} dx
積分を評価します。
lima+0a11x2dx=lima+0[1x]a1=lima+0(11(1a))=lima+0(1+1a)\lim_{a \to +0} \int_{a}^{1} \frac{1}{x^2} dx = \lim_{a \to +0} \left[-\frac{1}{x}\right]_{a}^{1} = \lim_{a \to +0} \left(-\frac{1}{1} - \left(-\frac{1}{a}\right)\right) = \lim_{a \to +0} \left(-1 + \frac{1}{a}\right)
aa00 に近づくにつれて、1a\frac{1}{a} は無限大に発散します。したがって、広義積分は発散します。
(2) 11x2dx\int_{1}^{\infty} \frac{1}{x^2} dx について
まず、積分を計算します。
1x2dx=1x+C\int \frac{1}{x^2} dx = -\frac{1}{x} + C
次に、広義積分の定義に従って、積分範囲の端点を極限で置き換えます。
11x2dx=limb1b1x2dx\int_{1}^{\infty} \frac{1}{x^2} dx = \lim_{b \to \infty} \int_{1}^{b} \frac{1}{x^2} dx
積分を評価します。
limb1b1x2dx=limb[1x]1b=limb(1b(11))=limb(1b+1)\lim_{b \to \infty} \int_{1}^{b} \frac{1}{x^2} dx = \lim_{b \to \infty} \left[-\frac{1}{x}\right]_{1}^{b} = \lim_{b \to \infty} \left(-\frac{1}{b} - \left(-\frac{1}{1}\right)\right) = \lim_{b \to \infty} \left(-\frac{1}{b} + 1\right)
bb が無限大に近づくにつれて、1b\frac{1}{b}00 に近づきます。したがって、広義積分は収束します。
limb(1b+1)=0+1=1\lim_{b \to \infty} \left(-\frac{1}{b} + 1\right) = -0 + 1 = 1

3. 最終的な答え

(1) 発散
(2) 1

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