変数 $x$ と $y$ が与えられた4つの観測値を持つ時、 (1) $x$ と $y$ の平均値 $\bar{x}, \bar{y}$ をそれぞれ求めよ。 (2) $x$ と $y$ の分散 $s_x^2, s_y^2$ をそれぞれ求めよ。 (3) $x$ と $y$ の共分散 $s_{xy}$ を求めよ。 (4) $x$ と $y$ の相関係数 $r$ を $a$ を用いて表せ。

確率論・統計学統計平均分散共分散相関係数
2025/8/1

1. 問題の内容

変数 xxyy が与えられた4つの観測値を持つ時、
(1) xxyy の平均値 xˉ,yˉ\bar{x}, \bar{y} をそれぞれ求めよ。
(2) xxyy の分散 sx2,sy2s_x^2, s_y^2 をそれぞれ求めよ。
(3) xxyy の共分散 sxys_{xy} を求めよ。
(4) xxyy の相関係数 rraa を用いて表せ。

2. 解き方の手順

(1) 平均値の計算
平均値は、データの総和をデータの個数で割ったものです。
xˉ=0+1+a+(a+1)4=2a+24=a+12\bar{x} = \frac{0 + 1 + a + (a+1)}{4} = \frac{2a + 2}{4} = \frac{a+1}{2}
yˉ=0+0+1+14=24=12\bar{y} = \frac{0 + 0 + 1 + 1}{4} = \frac{2}{4} = \frac{1}{2}
(2) 分散の計算
分散は、各データと平均値の差の二乗の平均です。
sx2=(0xˉ)2+(1xˉ)2+(axˉ)2+(a+1xˉ)24s_x^2 = \frac{(0 - \bar{x})^2 + (1 - \bar{x})^2 + (a - \bar{x})^2 + (a+1 - \bar{x})^2}{4}
sx2=(0a+12)2+(1a+12)2+(aa+12)2+(a+1a+12)24s_x^2 = \frac{(0 - \frac{a+1}{2})^2 + (1 - \frac{a+1}{2})^2 + (a - \frac{a+1}{2})^2 + (a+1 - \frac{a+1}{2})^2}{4}
sx2=(a+12)2+(1a2)2+(a12)2+(a+12)24s_x^2 = \frac{(\frac{a+1}{2})^2 + (\frac{1-a}{2})^2 + (\frac{a-1}{2})^2 + (\frac{a+1}{2})^2}{4}
sx2=(a+1)2+(1a)2+(a1)2+(a+1)216s_x^2 = \frac{(a+1)^2 + (1-a)^2 + (a-1)^2 + (a+1)^2}{16}
sx2=2(a2+2a+1)+2(a22a+1)16=4a2+416=a2+14s_x^2 = \frac{2(a^2 + 2a + 1) + 2(a^2 - 2a + 1)}{16} = \frac{4a^2 + 4}{16} = \frac{a^2 + 1}{4}
sy2=(0yˉ)2+(0yˉ)2+(1yˉ)2+(1yˉ)24s_y^2 = \frac{(0 - \bar{y})^2 + (0 - \bar{y})^2 + (1 - \bar{y})^2 + (1 - \bar{y})^2}{4}
sy2=2(012)2+2(112)24=2(14)+2(14)4=14s_y^2 = \frac{2(0 - \frac{1}{2})^2 + 2(1 - \frac{1}{2})^2}{4} = \frac{2(\frac{1}{4}) + 2(\frac{1}{4})}{4} = \frac{1}{4}
(3) 共分散の計算
共分散は、各データにおける xxyy の偏差の積の平均です。
sxy=(0xˉ)(0yˉ)+(1xˉ)(0yˉ)+(axˉ)(1yˉ)+(a+1xˉ)(1yˉ)4s_{xy} = \frac{(0-\bar{x})(0-\bar{y}) + (1-\bar{x})(0-\bar{y}) + (a-\bar{x})(1-\bar{y}) + (a+1-\bar{x})(1-\bar{y})}{4}
sxy=(0a+12)(012)+(1a+12)(012)+(aa+12)(112)+(a+1a+12)(112)4s_{xy} = \frac{(0-\frac{a+1}{2})(0-\frac{1}{2}) + (1-\frac{a+1}{2})(0-\frac{1}{2}) + (a-\frac{a+1}{2})(1-\frac{1}{2}) + (a+1-\frac{a+1}{2})(1-\frac{1}{2})}{4}
sxy=0+0+a1212+a+12124s_{xy} = \frac{0 + 0 + \frac{a-1}{2} \cdot \frac{1}{2} + \frac{a+1}{2} \cdot \frac{1}{2}}{4}
sxy=a14+a+144=2a44=a8s_{xy} = \frac{\frac{a-1}{4} + \frac{a+1}{4}}{4} = \frac{\frac{2a}{4}}{4} = \frac{a}{8}
(4) 相関係数の計算
相関係数は、共分散を xxyy の標準偏差の積で割ったものです。標準偏差は分散の平方根です。
r=sxysxsy=sxysx2sy2r = \frac{s_{xy}}{s_x s_y} = \frac{s_{xy}}{\sqrt{s_x^2} \sqrt{s_y^2}}
r=a8a2+1414=a8a2+1212=a8a2+14=a84a2+1=a2a2+1r = \frac{\frac{a}{8}}{\sqrt{\frac{a^2+1}{4}} \sqrt{\frac{1}{4}}} = \frac{\frac{a}{8}}{\frac{\sqrt{a^2+1}}{2} \cdot \frac{1}{2}} = \frac{\frac{a}{8}}{\frac{\sqrt{a^2+1}}{4}} = \frac{a}{8} \cdot \frac{4}{\sqrt{a^2+1}} = \frac{a}{2\sqrt{a^2+1}}

3. 最終的な答え

(1) xˉ=a+12\bar{x} = \frac{a+1}{2}, yˉ=12\bar{y} = \frac{1}{2}
(2) sx2=a2+14s_x^2 = \frac{a^2+1}{4}, sy2=14s_y^2 = \frac{1}{4}
(3) sxy=a8s_{xy} = \frac{a}{8}
(4) r=a2a2+1r = \frac{a}{2\sqrt{a^2+1}}

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