10人の生徒の数学のテストの得点データが与えられています。ただし、$a$ は0以上100以下の整数です。 (1) $a$ の値がわからないとき、10名の得点の中央値として何通りの値があり得るか。 (2) 平均値が56.2点であったとき、$a$ の値と中央値を求めなさい。 (3) 採点基準を変更したとき、変更後の平均値と標準偏差が、変更前の値と比べてどうなるか答えなさい。
2025/8/1
1. 問題の内容
10人の生徒の数学のテストの得点データが与えられています。ただし、 は0以上100以下の整数です。
(1) の値がわからないとき、10名の得点の中央値として何通りの値があり得るか。
(2) 平均値が56.2点であったとき、 の値と中央値を求めなさい。
(3) 採点基準を変更したとき、変更後の平均値と標準偏差が、変更前の値と比べてどうなるか答えなさい。
2. 解き方の手順
(1) 10人の得点を小さい順に並べたときの中央値は、5番目と6番目の値の平均です。 の値によって並び順が変わるので、中央値の取りうる値を考えます。
まず、与えられた9個の数値を小さい順に並べると、38, 40, 50, 52, 53, 59, 67, 68, 79となります。
の値によって中央値が変化する範囲を考えます。
が最小の38より小さい場合、 が1番小さい値となり、中央値は(53+52)/2 = 52.5となります。
が最大の79より大きい場合、 が1番大きい値となり、中央値は(53+52)/2 = 52.5となります。
が38と40の間にある場合、中央値は(53+52)/2 = 52.5となります。
が40と50の間にある場合、中央値は(53+52)/2 = 52.5となります。
が50と52の間にある場合、中央値は(53+52)/2 = 52.5となります。
が52と53の間にある場合、中央値は(a+53)/2となります。
が53と59の間にある場合、中央値は(53+a)/2となります。
が59と67の間にある場合、中央値は(59+53)/2 = 56となります。
が67と68の間にある場合、中央値は(67+53)/2 = 60となります。
が68と79の間にある場合、中央値は(67+59)/2 = 63となります。
ここで、中央値の取りうる値を考えると、52.5, (a+53)/2, 56, 60, 63となる可能性があります。
は0以上100以下の整数なので、中央値として異なる値は複数ありえます。
具体的には、 の値を変化させた時に中央値がとりうる値を計算すると、52.5, 53, 53.5, ..., 76.5となり、整数と0.5刻みで多くの値を取りえます。しかし、選択肢の数を絞ることは難しいです。
(2) 平均値が56.2点であることから、 の値を求めます。
のとき、10個の得点を小さい順に並べると、26, 38, 40, 50, 52, 53, 59, 67, 68, 79となります。
中央値は、5番目の値と6番目の値の平均なので、(52+53)/2 = 52.5となります。
(3) 得点の高い方から3名の得点が1点ずつ下がり、得点の低い方から2名の得点が2点ずつ上がった場合を考えます。
平均値は、(合計点の変化) / (人数) で変化します。
合計点の変化は、(-1) * 3 + 2 * 2 = -3 + 4 = 1なので、平均値は1/10 = 0.1だけ上昇します。
したがって、変更後の平均値は、変更前の値より大きくなります。
標準偏差は、データの散らばり具合を表す指標です。
得点の高い方と低い方の差が小さくなるように点が変更されているので、データの散らばり具合は小さくなります。したがって、標準偏差は変更前の値より小さくなります。
3. 最終的な答え
(1) ア: 解答不能
(2) イウ: 26, エオ.カ: 52.5
(3) キ: ②, ク: ⓪