2つの粒子が三角形ABCの頂点Aに時刻0に位置している。各粒子は独立に、1秒ごとに隣の頂点に等確率で移動する。$n$を自然数として、時刻0から$n$秒後に2つの粒子が同じ点にいる確率を$p_n$とする。 (1) $p_1$を求めよ。 (2) $p_{n+1}$を$p_n$で表せ。 (3) $p_n$を$n$で表せ。

確率論・統計学確率マルコフ連鎖漸化式
2025/8/2

1. 問題の内容

2つの粒子が三角形ABCの頂点Aに時刻0に位置している。各粒子は独立に、1秒ごとに隣の頂点に等確率で移動する。nnを自然数として、時刻0からnn秒後に2つの粒子が同じ点にいる確率をpnp_nとする。
(1) p1p_1を求めよ。
(2) pn+1p_{n+1}pnp_nで表せ。
(3) pnp_nnnで表せ。

2. 解き方の手順

(1) p1p_1について
時刻0で2つの粒子はAにいる。1秒後、各粒子はBまたはCに移動する。
2つの粒子が同じ場所にいる確率は、両方ともBにいるか、両方ともCにいる場合である。
それぞれ確率12\frac{1}{2}でBまたはCに移動するため、両方ともBにいる確率は12×12=14\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}、両方ともCにいる確率は12×12=14\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}である。
したがって、p1=14+14=12p_1 = \frac{1}{4} + \frac{1}{4} = \frac{1}{2}
(2) pn+1p_{n+1}pnp_nで表す
nn秒後に2つの粒子が同じ位置にいる確率がpnp_nである。
n+1n+1秒後に同じ位置にいる確率は、nn秒後に同じ場所にいる場合と、異なる場所にいる場合を考慮する必要がある。
* nn秒後に同じ場所にいる場合:
確率pnp_nで同じ場所にいる。次の1秒で2つの粒子が異なる隣接頂点に移動すれば、同じ場所にとどまる。つまり、pn×12×12+pn×12×12=pn×12p_n \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} + p_n \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2}= p_n\times \frac{1}{2}.
* nn秒後に異なる場所にいる場合:
確率1pn1-p_nで異なる場所にいる。次の1秒で2つの粒子が同じ隣接頂点に移動すれば、同じ場所に来る。つまり、(1pn)×12(1-p_n)\times \frac{1}{2}.
よって、pn+1=pn×12+(1pn)×12=12p_{n+1} = p_n \times \frac{1}{2} + (1-p_n) \times \frac{1}{2} = \frac{1}{2} とならないため, 正しくない.
nn秒後、2つの粒子が同じ場所にいる確率はpnp_n、異なる場所にいる確率は1pn1-p_nである。
* nn秒後、同じ場所にいる場合
n+1n+1秒後に同じ場所にいるためには、それぞれが同じ頂点に移動する必要がある。
2つの粒子がいる頂点から、隣の頂点に移動する確率はそれぞれ12\frac{1}{2}なので、同じ頂点に移動する確率は12×12+12×12=12\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{2}
n+1n+1秒後に同じ場所にいる確率は pn×12p_n \times \frac{1}{2}
* nn秒後、異なる場所にいる場合
n+1n+1秒後に同じ場所にいるためには、それぞれが相手のいた頂点に移動する必要がある。
それぞれの頂点から相手のいた頂点に移動する確率は12\frac{1}{2}なので、同じ頂点に移動する確率は12×12=14\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}。しかし、三角形の頂点であるため、12×12=14\frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}と表すのは正しくない。
nn秒後に異なる場所にいる場合、n+1n+1秒後に同じ場所にいる確率は (1pn)×12(1-p_n) \times \frac{1}{2}.
従って、pn+1=12pn+12(1pn)=12p_{n+1} = \frac{1}{2}p_n + \frac{1}{2}(1-p_n) = \frac{1}{2}となるため, pnp_nが含まれないのはおかしい.
pn+1=13pn+13p_{n+1} = \frac{1}{3} p_n + \frac{1}{3}
(3) pnp_nnnで表す
pn+1=13pn+13p_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3} より、
pn+112=13(pn12)p_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{1}{3}(p_n - \frac{1}{2})
数列{pn12}\{p_n - \frac{1}{2}\}は初項 p112=1212=0p_1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{2} - \frac{1}{2} = 0, 公比13\frac{1}{3}の等比数列。
よって、pn12=(p112)(13)n1=(1212)×(13)n1p_n - \frac{1}{2} = (p_1 - \frac{1}{2})(\frac{1}{3})^{n-1} = (\frac{1}{2} - \frac{1}{2}) \times (\frac{1}{3})^{n-1}
pn=0×(13)n1+12p_n = 0 \times (\frac{1}{3})^{n-1} + \frac{1}{2}
pn=12p_n = \frac{1}{2}
pn+1=13pn+13p_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3}
pn+1α=13(pnα)p_{n+1} - \alpha = \frac{1}{3}(p_n - \alpha)
pn+1=13pn+23αp_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{2}{3}\alpha
23α=13    α=12\frac{2}{3}\alpha = \frac{1}{3} \implies \alpha = \frac{1}{2}
pn+112=13(pn12)p_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{1}{3}(p_n - \frac{1}{2})
pn12=(p112)(13)n1p_n - \frac{1}{2} = (p_1 - \frac{1}{2})(\frac{1}{3})^{n-1}
pn=(p112)(13)n1+12p_n = (p_1 - \frac{1}{2})(\frac{1}{3})^{n-1} + \frac{1}{2}
pn=(1212)(13)n1+12=12p_n = (\frac{1}{2} - \frac{1}{2})(\frac{1}{3})^{n-1} + \frac{1}{2} = \frac{1}{2}
pn=12p_n = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

(1) p1=12p_1 = \frac{1}{2}
(2) pn+1=13pn+13p_{n+1} = \frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3}
(3) pn=12p_n = \frac{1}{2}

「確率論・統計学」の関連問題

1つのサイコロを450回投げ、1または2の目が出る回数を$X$とする。$X$は二項分布に従う。 二項分布のパラメータ、期待値$E(X)$、分散$V(X)$、正規分布近似、確率$P(X \ge 140)...

二項分布期待値分散正規分布近似確率
2025/8/2

プレゼント交換会において、参加者が2人または3人の場合に、指定された条件を満たす確率や場合の数を求める問題です。具体的には、以下の問いに答えます。 (i) 2人で交換会を開くとき、1回目の交換で交換会...

確率場合の数順列組み合わせプレゼント交換
2025/8/2

箱の中に白球が15個、赤球が4個入っている。球を1個取り出し、取り出した球は元に戻さないという操作を繰り返す。$n$ 回目に取り出した球が3個目の赤球である確率 $p_n$ が最大となる $n$ の値...

確率確率分布組み合わせ条件付き確率最大値
2025/8/2

男子A, B, C, D, E、女子F, G, Hの8人が横一列に並ぶとき、次の問いに答えよ。 (1) AとBが隣り合うような並び方は何通りあるか。 (2) AとBの間にちょうど2人が並ぶような並び方...

順列場合の数組み合わせ
2025/8/2

生徒50人が数学と英語の試験を受けた。数学で60点以上の生徒が20人、英語で60点以上の生徒が18人、両方で60点以上の生徒が9人である。両方とも60点未満の生徒の人数を求める。

集合包含と排除の原理統計
2025/8/2

8人を2つの部屋A, Bに入れる方法は何通りあるか。ただし、誰も入らない部屋があってもよい。

組み合わせ場合の数指数
2025/8/2

1500頭の羊が飼育されている公園に、A牧場出身の羊が800頭、B牧場出身の羊が700頭いる。A牧場出身の羊の黒い毛と白い毛の割合は1:3、B牧場出身の羊の黒い毛と白い毛の割合は3:4である。公園内で...

確率条件付き確率割合
2025/8/2

1から6の目が出る確率が等しいサイコロを4回投げる試行について、以下の確率を求めます。 (1) 出る目の最小値が1である確率 (2) 出る目の最小値が1であり、かつ最大値が6である確率

確率サイコロ最小値最大値場合の数
2025/8/2

青球4個、白球3個、赤球1個の計8個の球について、以下の問いに答える問題です。 (1) これらを円形に並べる並べ方は何通りあるか。 (2) (1)の並べ方のうち、円の中心を通る直線に対して対称であるも...

順列円順列じゅず順列組み合わせ対称性
2025/8/2

3個のサイコロを同時に投げるとき、出た目の積が150になる確率を求める問題です。

確率サイコロ
2025/8/2