箱Aには白玉1個と黒玉2個、箱Bには白玉2個と黒玉1個が入っている。箱A, Bからそれぞれ1個ずつ玉を取り出す。取り出した玉の色が同じなら、取り出した玉をそれぞれの箱に戻す。色が異なるなら、取り出した玉をそれぞれの箱とは異なる箱に入れる。この操作を1回または2回行った後の、箱Aの白玉の個数に関する確率や期待値を求める。具体的には、以下の問いに答える。 (1) 操作を1回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が0個となる確率と1個となる確率を求めよ。 (2) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が1個となる確率を求めよ。 (3) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数をXとするとき、Xの期待値を求めよ。

確率論・統計学確率期待値条件付き確率
2025/8/1

1. 問題の内容

箱Aには白玉1個と黒玉2個、箱Bには白玉2個と黒玉1個が入っている。箱A, Bからそれぞれ1個ずつ玉を取り出す。取り出した玉の色が同じなら、取り出した玉をそれぞれの箱に戻す。色が異なるなら、取り出した玉をそれぞれの箱とは異なる箱に入れる。この操作を1回または2回行った後の、箱Aの白玉の個数に関する確率や期待値を求める。具体的には、以下の問いに答える。
(1) 操作を1回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が0個となる確率と1個となる確率を求めよ。
(2) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が1個となる確率を求めよ。
(3) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数をXとするとき、Xの期待値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 操作を1回行った後の箱Aの白玉の個数について考える。
箱Aの白玉の個数が0個になるのは、Aから白玉が出てBから黒玉が出た場合である。この確率は、
13×13=19\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{9}
箱Aの白玉の個数が1個になるのは、
- Aから白玉が出て、Bからも白玉が出た場合(元に戻る)
- Aから黒玉が出て、Bからも黒玉が出た場合(元に戻る)
- Aから黒玉が出て、Bから白玉が出た場合(Aは白玉0個, Bは白玉3個)
- Aから白玉が出て、Bから黒玉が出た場合(Aは白玉0個, Bは白玉3個)
はじめはAの白玉は1個なので、上記の操作で白玉1個になるのは、操作後にも白玉1個の状態が保たれる場合。つまりA,Bから同じ色の玉が出た場合。
この確率は、
(Aから白玉、Bから白玉) + (Aから黒玉、Bから黒玉) = 13×23+23×13=29+29=49\frac{1}{3} \times \frac{2}{3} + \frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{9} + \frac{2}{9} = \frac{4}{9}
(2) 操作を2回行った後、箱Aに入っている白玉の個数が1個になる確率を求める。
1回目の操作後、箱Aの白玉が0個になる確率は19\frac{1}{9}であり、白玉が1個になる確率は49\frac{4}{9}である。したがって、1回目の操作後箱Aの白玉が2個になる確率は、11949=491 - \frac{1}{9} - \frac{4}{9} = \frac{4}{9}である。
- 1回目に白玉が0個になった場合、2回目に白玉が1個になるには、Aから黒玉、Bから白玉を取り出す必要があり、その確率は33×23=23\frac{3}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{2}{3}なので、19×23=227\frac{1}{9} \times \frac{2}{3} = \frac{2}{27}
- 1回目に白玉が1個だった場合、2回目に白玉が1個になるのは、AとBから同じ色の玉が出た場合なので、49×49=1681\frac{4}{9} \times \frac{4}{9} = \frac{16}{81}
- 1回目に白玉が2個だった場合、2回目に白玉が1個になるには、Aから白玉、Bから黒玉を取り出す必要があり、その確率は23×13=29\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{2}{9}なので、49×29=881\frac{4}{9} \times \frac{2}{9} = \frac{8}{81}
求める確率は、227+1681+881=681+1681+881=3081=1027=3081\frac{2}{27} + \frac{16}{81} + \frac{8}{81} = \frac{6}{81} + \frac{16}{81} + \frac{8}{81} = \frac{30}{81} = \frac{10}{27} = \frac{30}{81}
(3) 箱Aの白玉の個数Xの期待値を求める。
Xが取りうる値は0, 1, 2。それぞれの確率を求め、期待値を計算する。
1回目の操作後、箱Aには確率19\frac{1}{9}で白玉が0個、確率49\frac{4}{9}で白玉が1個、確率49\frac{4}{9}で白玉が2個となる。
2回の操作後、箱Aにある白玉の数が0, 1, 2である確率をそれぞれP(X=0)P(X=0), P(X=1)P(X=1), P(X=2)P(X=2)と表す。
P(X=1)=1027P(X=1)=\frac{10}{27}はすでに求めた。
P(X=0)P(X=0)を計算する。
1回目0個 -> 2回目0個: 19×(123)=19×13=127\frac{1}{9} \times (1 - \frac{2}{3}) = \frac{1}{9} \times \frac{1}{3} = \frac{1}{27}
1回目1個 -> 2回目0個: 49×(13×23)=881\frac{4}{9} \times (\frac{1}{3} \times \frac{2}{3}) = \frac{8}{81}
1回目2個 -> 2回目0個: なし
P(X=0)=381+881=1181P(X=0) = \frac{3}{81} + \frac{8}{81} = \frac{11}{81}
したがって、 P(X=2)=110271181=130811181=4081P(X=2) = 1 - \frac{10}{27} - \frac{11}{81} = 1 - \frac{30}{81} - \frac{11}{81} = \frac{40}{81}
期待値E(X)=0×P(X=0)+1×P(X=1)+2×P(X=2)=0×1181+1×3081+2×4081=30+8081=11081E(X) = 0 \times P(X=0) + 1 \times P(X=1) + 2 \times P(X=2) = 0 \times \frac{11}{81} + 1 \times \frac{30}{81} + 2 \times \frac{40}{81} = \frac{30 + 80}{81} = \frac{110}{81}

3. 最終的な答え

19: ア. 1/9
20: ウ. 4/9
21: ウ. 32/81
22: イ. 11/9

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