10人の生徒のうち3人が宿題を忘れた。この10人の中から2人を無作為に選ぶとき、選ばれた2人の中に宿題を忘れた生徒が含まれている人数の期待値を求める。

確率論・統計学期待値確率組み合わせ
2025/8/1

1. 問題の内容

10人の生徒のうち3人が宿題を忘れた。この10人の中から2人を無作為に選ぶとき、選ばれた2人の中に宿題を忘れた生徒が含まれている人数の期待値を求める。

2. 解き方の手順

宿題を忘れた生徒の人数を確率変数 XX とする。XX が取りうる値は0, 1, 2である。
X=0X = 0 となる確率、X=1X = 1 となる確率、X=2X = 2 となる確率をそれぞれ計算する。
10人から2人を選ぶ総数は 10C2=10×92×1=45_{10}C_2 = \frac{10 \times 9}{2 \times 1} = 45 通りである。
* X=0X = 0 のとき:
宿題を忘れていない7人から2人を選ぶ。その場合の数は 7C2=7×62×1=21_{7}C_2 = \frac{7 \times 6}{2 \times 1} = 21 通り。
よって、P(X=0)=2145=715P(X=0) = \frac{21}{45} = \frac{7}{15}
* X=1X = 1 のとき:
宿題を忘れた3人から1人を選び、宿題を忘れていない7人から1人を選ぶ。その場合の数は 3C1×7C1=3×7=21_{3}C_1 \times _{7}C_1 = 3 \times 7 = 21 通り。
よって、P(X=1)=2145=715P(X=1) = \frac{21}{45} = \frac{7}{15}
* X=2X = 2 のとき:
宿題を忘れた3人から2人を選ぶ。その場合の数は 3C2=3×22×1=3_{3}C_2 = \frac{3 \times 2}{2 \times 1} = 3 通り。
よって、P(X=2)=345=115P(X=2) = \frac{3}{45} = \frac{1}{15}
期待値 E(X)E(X) は、
E(X)=0×P(X=0)+1×P(X=1)+2×P(X=2)E(X) = 0 \times P(X=0) + 1 \times P(X=1) + 2 \times P(X=2)
=0×715+1×715+2×115= 0 \times \frac{7}{15} + 1 \times \frac{7}{15} + 2 \times \frac{1}{15}
=0+715+215= 0 + \frac{7}{15} + \frac{2}{15}
=915= \frac{9}{15}
=35= \frac{3}{5}
別の考え方として、線形性を使う方法もある。
2人を選ぶとき、1人目に選ばれた人が宿題を忘れている確率は 310\frac{3}{10}
2人目に選ばれた人が宿題を忘れている確率は 310\frac{3}{10}
したがって、宿題を忘れている人数の期待値は
E(X)=310+310=610=35E(X) = \frac{3}{10} + \frac{3}{10} = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}

3. 最終的な答え

35\frac{3}{5}

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