異なる3つの正の整数 $a, b, c$ があります。科目Xと科目Yの試験を受けた10人の得点が与えられています。科目Xの得点の平均値と科目Yの得点の平均値は等しいです。 (1) 科目Xの得点の分散を $s_x^2$、科目Yの得点の分散を $s_y^2$ とするとき、$\frac{s_x^2}{s_y^2}$ を求めなさい。 (2) 科目Xの得点と科目Yの得点の相関係数を、四捨五入して小数第1位まで求めなさい。 (3) 科目Xの得点の中央値が65、科目Yの得点の標準偏差が11であるとき、$a, b, c$ の組を求めなさい。

確率論・統計学分散相関係数平均値中央値標準偏差
2025/8/1

1. 問題の内容

異なる3つの正の整数 a,b,ca, b, c があります。科目Xと科目Yの試験を受けた10人の得点が与えられています。科目Xの得点の平均値と科目Yの得点の平均値は等しいです。
(1) 科目Xの得点の分散を sx2s_x^2、科目Yの得点の分散を sy2s_y^2 とするとき、sx2sy2\frac{s_x^2}{s_y^2} を求めなさい。
(2) 科目Xの得点と科目Yの得点の相関係数を、四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
(3) 科目Xの得点の中央値が65、科目Yの得点の標準偏差が11であるとき、a,b,ca, b, c の組を求めなさい。

2. 解き方の手順

(1) まず、科目Xと科目Yの平均値を求めます。
科目Xの平均値は 4a+3b+3c10\frac{4a+3b+3c}{10} です。
科目Yの平均値は 3a+6b+c10\frac{3a+6b+c}{10} です。
平均値が等しいので、4a+3b+3c10=3a+6b+c10\frac{4a+3b+3c}{10} = \frac{3a+6b+c}{10}
これを整理すると 4a+3b+3c=3a+6b+c4a+3b+3c = 3a+6b+c
よって a3b+2c=0a - 3b + 2c = 0。したがって a=3b2ca = 3b - 2c
次に、科目Xと科目Yの分散を求めます。
sx2=4(axˉ)2+3(bxˉ)2+3(cxˉ)210s_x^2 = \frac{4(a-\bar{x})^2 + 3(b-\bar{x})^2 + 3(c-\bar{x})^2}{10}
sy2=3(ayˉ)2+6(byˉ)2+(cyˉ)210s_y^2 = \frac{3(a-\bar{y})^2 + 6(b-\bar{y})^2 + (c-\bar{y})^2}{10}
ただし、xˉ=yˉ=4a+3b+3c10=3a+6b+c10\bar{x} = \bar{y} = \frac{4a+3b+3c}{10} = \frac{3a+6b+c}{10}
簡単にするために、a=3b2ca = 3b - 2c を利用します。
xˉ=4(3b2c)+3b+3c10=12b8c+3b+3c10=15b5c10=3bc2\bar{x} = \frac{4(3b-2c)+3b+3c}{10} = \frac{12b-8c+3b+3c}{10} = \frac{15b-5c}{10} = \frac{3b-c}{2}.
sx2=4(3b2c3bc2)2+3(b3bc2)2+3(c3bc2)210s_x^2 = \frac{4(3b-2c-\frac{3b-c}{2})^2 + 3(b-\frac{3b-c}{2})^2 + 3(c-\frac{3b-c}{2})^2}{10}
sx2=4(3b3c2)2+3(b+c2)2+3(3b+3c2)210=49(bc)24+3(bc)24+39(bc)2410s_x^2 = \frac{4(\frac{3b-3c}{2})^2 + 3(\frac{-b+c}{2})^2 + 3(\frac{-3b+3c}{2})^2}{10} = \frac{4\frac{9(b-c)^2}{4} + 3\frac{(b-c)^2}{4} + 3\frac{9(b-c)^2}{4}}{10}
sx2=9(bc)2+34(bc)2+274(bc)210=(36+3+27)(bc)240=66(bc)240=3320(bc)2s_x^2 = \frac{9(b-c)^2+\frac{3}{4}(b-c)^2+\frac{27}{4}(b-c)^2}{10} = \frac{(36+3+27)(b-c)^2}{40} = \frac{66(b-c)^2}{40} = \frac{33}{20}(b-c)^2
yˉ=3a+6b+c10=3(3b2c)+6b+c10=9b6c+6b+c10=15b5c10=3bc2\bar{y} = \frac{3a+6b+c}{10} = \frac{3(3b-2c)+6b+c}{10} = \frac{9b-6c+6b+c}{10} = \frac{15b-5c}{10} = \frac{3b-c}{2}.
sy2=3(ayˉ)2+6(byˉ)2+(cyˉ)210s_y^2 = \frac{3(a-\bar{y})^2 + 6(b-\bar{y})^2 + (c-\bar{y})^2}{10}
sy2=3(3b2c3bc2)2+6(b3bc2)2+(c3bc2)210=3(3b3c2)2+6(b+c2)2+(3b+3c2)210s_y^2 = \frac{3(3b-2c-\frac{3b-c}{2})^2 + 6(b-\frac{3b-c}{2})^2 + (c-\frac{3b-c}{2})^2}{10} = \frac{3(\frac{3b-3c}{2})^2 + 6(\frac{-b+c}{2})^2 + (\frac{-3b+3c}{2})^2}{10}
sy2=39(bc)24+6(bc)24+9(bc)2410=27(bc)2+6(bc)2+9(bc)240=42(bc)240=2120(bc)2s_y^2 = \frac{3\frac{9(b-c)^2}{4} + 6\frac{(b-c)^2}{4} + \frac{9(b-c)^2}{4}}{10} = \frac{27(b-c)^2+6(b-c)^2+9(b-c)^2}{40} = \frac{42(b-c)^2}{40} = \frac{21}{20}(b-c)^2
sx2sy2=3320(bc)22120(bc)2=3321=117\frac{s_x^2}{s_y^2} = \frac{\frac{33}{20}(b-c)^2}{\frac{21}{20}(b-c)^2} = \frac{33}{21} = \frac{11}{7}.
(2) 相関係数は、共分散sxsy\frac{共分散}{s_x s_y} です。
共分散は 1ni=1n(xixˉ)(yiyˉ)\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n (x_i - \bar{x})(y_i - \bar{y}) で計算できます。
共分散=110[(axˉ)(ayˉ)+(cxˉ)(byˉ)+(axˉ)(byˉ)+(bxˉ)(byˉ)+(bxˉ)(ayˉ)+(axˉ)(ayˉ)+(cxˉ)(byˉ)+(bxˉ)(ayˉ)+(cxˉ)(byˉ)+(cxˉ)(byˉ)]= \frac{1}{10} [ (a-\bar{x})(a-\bar{y}) + (c-\bar{x})(b-\bar{y}) + (a-\bar{x})(b-\bar{y}) + (b-\bar{x})(b-\bar{y}) + (b-\bar{x})(a-\bar{y}) + (a-\bar{x})(a-\bar{y}) + (c-\bar{x})(b-\bar{y}) + (b-\bar{x})(a-\bar{y}) + (c-\bar{x})(b-\bar{y}) + (c-\bar{x})(b-\bar{y}) ]
共分散=110[3(axˉ)(ayˉ)+4(bxˉ)(byˉ)+3(cxˉ)(byˉ)]= \frac{1}{10} [ 3(a-\bar{x})(a-\bar{y}) + 4(b-\bar{x})(b-\bar{y}) + 3(c-\bar{x})(b-\bar{y}) ]
共分散=110[3(a3bc2)(a3bc2)+4(b3bc2)(b3bc2)+3(c3bc2)(b3bc2)]= \frac{1}{10} [ 3(a-\frac{3b-c}{2})(a-\frac{3b-c}{2}) + 4(b-\frac{3b-c}{2})(b-\frac{3b-c}{2}) + 3(c-\frac{3b-c}{2})(b-\frac{3b-c}{2}) ]
a=3b2ca = 3b - 2cより、3(3b2c3bc2)2+4(b3bc2)2+3(c3bc2)(b3bc2)10\frac{3(3b-2c-\frac{3b-c}{2})^2+ 4(b-\frac{3b-c}{2})^2 + 3(c-\frac{3b-c}{2})(b-\frac{3b-c}{2})}{10}
=3(3b3c2)2+4(b+c2)2+3(3b+3c2)(b+c2)10=\frac{3(\frac{3b-3c}{2})^2+ 4(\frac{-b+c}{2})^2+ 3(\frac{-3b+3c}{2})(\frac{-b+c}{2})}{10}
=39(bc)24+4(bc)24+33(bc)2410=\frac{3\frac{9(b-c)^2}{4}+ 4\frac{(b-c)^2}{4}+ 3\frac{3(b-c)^2}{4}}{10}
=(27+4+9)(bc)240=40(bc)240=(bc)2=\frac{(27+4+9)(b-c)^2}{40}= \frac{40(b-c)^2}{40} = (b-c)^2
相関係数 = (bc)233(bc)22021(bc)220=(bc)23321(bc)4400=(bc)2bc2203321=20693\frac{(b-c)^2}{\sqrt{\frac{33(b-c)^2}{20} \frac{21(b-c)^2}{20}}} = \frac{(b-c)^2}{\sqrt{\frac{33 \cdot 21(b-c)^4}{400}}} = \frac{(b-c)^2}{\frac{|b-c|^2}{20}\sqrt{33\cdot 21}} = \frac{20}{\sqrt{693}}
206932026.320.76\frac{20}{\sqrt{693}} \approx \frac{20}{26.32} \approx 0.76
(3) 科目Xの得点の中央値が65なので、並び替えた際に中央に来る値が65である。
データはa,a,a,a,b,b,b,c,c,ca, a, a, a, b, b, b, c, c, c で、a,b,ca, b, c は異なる正の整数。
並び替えると、a,a,a,a,b,b,b,c,c,ca, a, a, a, b, b, b, c, c, c
並び替えたデータの中央値は、5番目と6番目の平均。
a<b<ca < b < c or a>b>ca > b > cの可能性がある。
標準偏差が11であるとき、a, b, cの組を求める。

3. 最終的な答え

(1) 117\frac{11}{7}。選択肢にない。
(2) 0.8
(3) 解なし

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