図1は、正六角形の各頂点を中心に、正六角形の辺の長さの半分を半径とする円を描いたものです。斜線を引いたおうぎ形の面積の和をA、斜線を引いていないおうぎ形の面積の和をBとします。 (1) 正六角形の辺の長さが2cmのとき、AとBを求め、B-Aを求めます。 (2) 正n角形の各頂点を中心に、正n角形の辺の長さの半分を半径とする円を描いたとき、B-Aは、正n角形の辺の長さの半分を半径とする円2つ分の面積になる理由を説明します。

幾何学正多角形扇形面積角度図形証明
2025/8/2

1. 問題の内容

図1は、正六角形の各頂点を中心に、正六角形の辺の長さの半分を半径とする円を描いたものです。斜線を引いたおうぎ形の面積の和をA、斜線を引いていないおうぎ形の面積の和をBとします。
(1) 正六角形の辺の長さが2cmのとき、AとBを求め、B-Aを求めます。
(2) 正n角形の各頂点を中心に、正n角形の辺の長さの半分を半径とする円を描いたとき、B-Aは、正n角形の辺の長さの半分を半径とする円2つ分の面積になる理由を説明します。

2. 解き方の手順

(1)
* 正六角形の内角の和は 180°×(62)=720°180° \times (6-2) = 720° なので、一つの内角は 720°/6=120°720°/6 = 120° です。
* Aは斜線部分の扇形の面積の和なので、半径1cm、中心角120°の扇形が6つ集まったものです。よって、
A=6×(π×12×120360)=6×π3=2πA = 6 \times (\pi \times 1^2 \times \frac{120}{360}) = 6 \times \frac{\pi}{3} = 2\pi (cm²)
* Bは斜線がない部分の扇形の面積の和です。図形全体からAを引けばBが求められます。
* 図1には半径1cmの円が6つあります。
6×π×12=6π6 \times \pi \times 1^2 = 6\pi
* 円6つ分の面積からAを除いたものがBになります。
B=6πA=6π2π=4πB=6\pi - A = 6\pi - 2\pi = 4\pi
* BA=4π2π=2πB - A = 4\pi - 2\pi = 2\pi
(2)
* 正n角形の内角の和は 180°×(n2)180° \times (n-2) なので、一つの内角は 180(n2)n\frac{180(n-2)}{n} です。
* 半径をrとすると、r=12×r = \frac{1}{2} \times (正n角形の辺の長さ)
* Aは斜線部分の扇形の面積の和なので、
A=n×(π×r2×180(n2)n360)=n×(πr2×n22n)=n22πr2A = n \times (\pi \times r^2 \times \frac{\frac{180(n-2)}{n}}{360}) = n \times (\pi r^2 \times \frac{n-2}{2n}) = \frac{n-2}{2} \pi r^2
* n個の円の面積の合計は nπr2n \pi r^2
* B=nπr2A=nπr2n22πr2=2nn+22πr2=n+22πr2B= n\pi r^2 - A = n\pi r^2 - \frac{n-2}{2}\pi r^2 = \frac{2n-n+2}{2} \pi r^2 = \frac{n+2}{2} \pi r^2
* BA=n+22πr2n22πr2=n+2n+22πr2=42πr2=2πr2B - A = \frac{n+2}{2} \pi r^2 - \frac{n-2}{2} \pi r^2 = \frac{n+2-n+2}{2} \pi r^2 = \frac{4}{2} \pi r^2 = 2\pi r^2
* 半径rの円の面積は πr2\pi r^2 なので、BA=2πr2B-A = 2\pi r^2 は半径rの円2つ分の面積となります。
* したがって、B-Aは、正n角形の辺の長さの半分を半径とする円2つ分の面積になる。

3. 最終的な答え

(1)
A: 2π2\pi cm²
B: 4π4\pi cm²
B - A: 2π2\pi cm²
(2)
B-Aは、n角形の辺の長さの半分を半径とする円2つ分の面積になる。
理由:
正n角形の各頂点における扇形の中心角の和は、正n角形の内角の和に等しい。正n角形の内角の和は180(n2)180(n-2)度である。よって、斜線部分の面積Aは、A=n×(π×r2×180(n2)n360)=n22πr2A = n \times (\pi \times r^2 \times \frac{\frac{180(n-2)}{n}}{360}) = \frac{n-2}{2} \pi r^2で表される。n個の円の面積の合計は nπr2n \pi r^2 であり、B = nπr2A=n+22πr2n\pi r^2 - A = \frac{n+2}{2} \pi r^2となる。したがって、BA=n+22πr2n22πr2=2πr2B-A = \frac{n+2}{2} \pi r^2 - \frac{n-2}{2} \pi r^2 = 2\pi r^2となり、これは半径rの円2つ分の面積に等しい。

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