自然数 $n$ について、定積分 $\int_{-1}^{1} (1-x^2)^n dx$ を $\Gamma$ 関数を使って表し、その値を求める問題です。ただし、置換 $t = \frac{x+1}{2}$ を用いるように指示されています。

解析学定積分ガンマ関数ベータ関数置換積分
2025/8/2

1. 問題の内容

自然数 nn について、定積分 11(1x2)ndx\int_{-1}^{1} (1-x^2)^n dxΓ\Gamma 関数を使って表し、その値を求める問題です。ただし、置換 t=x+12t = \frac{x+1}{2} を用いるように指示されています。

2. 解き方の手順

まず、与えられた置換 t=x+12t = \frac{x+1}{2} を用いて、xxdxdxtt で表します。
t=x+12t = \frac{x+1}{2} より、 x=2t1x = 2t - 1 となります。
dx=2dtdx = 2 dt となります。
次に、積分範囲を変換します。
x=1x = -1 のとき、t=1+12=0t = \frac{-1+1}{2} = 0
x=1x = 1 のとき、t=1+12=1t = \frac{1+1}{2} = 1
したがって、積分範囲は 00 から 11 に変わります。
これらの結果を元の積分に代入します。
11(1x2)ndx=01(1(2t1)2)n(2dt)=201(1(4t24t+1))ndt=201(4t4t2)ndt=2014n(tt2)ndt=24n01(t(1t))ndt=22n+101tn(1t)ndt\int_{-1}^{1} (1-x^2)^n dx = \int_{0}^{1} (1 - (2t-1)^2)^n (2 dt) = 2 \int_{0}^{1} (1 - (4t^2 - 4t + 1))^n dt = 2 \int_{0}^{1} (4t - 4t^2)^n dt = 2 \int_{0}^{1} 4^n (t - t^2)^n dt = 2 \cdot 4^n \int_{0}^{1} (t(1-t))^n dt = 2^{2n+1} \int_{0}^{1} t^n (1-t)^n dt
ここで、ベータ関数 B(x,y)=01tx1(1t)y1dtB(x, y) = \int_{0}^{1} t^{x-1} (1-t)^{y-1} dt を用いると、
01tn(1t)ndt=B(n+1,n+1)\int_{0}^{1} t^n (1-t)^n dt = B(n+1, n+1) となります。
ベータ関数は Γ\Gamma 関数を用いて B(x,y)=Γ(x)Γ(y)Γ(x+y)B(x,y) = \frac{\Gamma(x) \Gamma(y)}{\Gamma(x+y)} と表せるので、
B(n+1,n+1)=Γ(n+1)Γ(n+1)Γ(2n+2)B(n+1, n+1) = \frac{\Gamma(n+1) \Gamma(n+1)}{\Gamma(2n+2)} となります。
Γ(n+1)=n!\Gamma(n+1) = n! であることを用いると、
B(n+1,n+1)=(n!)2(2n+1)!B(n+1, n+1) = \frac{(n!)^2}{(2n+1)!}
したがって、
11(1x2)ndx=22n+1(n!)2(2n+1)!\int_{-1}^{1} (1-x^2)^n dx = 2^{2n+1} \frac{(n!)^2}{(2n+1)!}

3. 最終的な答え

11(1x2)ndx=22n+1(n!)2(2n+1)!=22n+1Γ(n+1)2Γ(2n+2)\int_{-1}^{1} (1-x^2)^n dx = 2^{2n+1} \frac{(n!)^2}{(2n+1)!} = 2^{2n+1} \frac{\Gamma(n+1)^2}{\Gamma(2n+2)}

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