次の極限値を $a$, $f(a)$, $f'(a)$ で表す問題です。ただし、$a \neq 0$ とし、$f(x)$ は微分可能とします。 (1) $\lim_{h \to 0} \frac{f(a-2h) - f(a)}{h}$ (2) $\lim_{h \to 0} \frac{1}{h} \left\{ \frac{f(a+h)}{a+h} - \frac{f(a)}{a} \right\}$

解析学極限微分微分係数関数
2025/8/3

1. 問題の内容

次の極限値を aa, f(a)f(a), f(a)f'(a) で表す問題です。ただし、a0a \neq 0 とし、f(x)f(x) は微分可能とします。
(1) limh0f(a2h)f(a)h\lim_{h \to 0} \frac{f(a-2h) - f(a)}{h}
(2) limh01h{f(a+h)a+hf(a)a}\lim_{h \to 0} \frac{1}{h} \left\{ \frac{f(a+h)}{a+h} - \frac{f(a)}{a} \right\}

2. 解き方の手順

(1) の解き方:
微分係数の定義 f(a)=limh0f(a+h)f(a)hf'(a) = \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h} を利用します。
まず、与えられた式を変形します。
limh0f(a2h)f(a)h=limh0f(a2h)f(a)h22=limh0f(a2h)f(a)2h(2)\lim_{h \to 0} \frac{f(a-2h) - f(a)}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{f(a-2h) - f(a)}{h} \cdot \frac{-2}{-2} = \lim_{h \to 0} \frac{f(a-2h) - f(a)}{-2h} \cdot (-2).
ここで、k=2hk = -2h とおくと、h0h \to 0 のとき k0k \to 0 となるので、
limk0f(a+k)f(a)k(2)=f(a)(2)=2f(a)\lim_{k \to 0} \frac{f(a+k) - f(a)}{k} \cdot (-2) = f'(a) \cdot (-2) = -2f'(a).
(2) の解き方:
まず、与えられた式を通分します。
limh01h{f(a+h)a+hf(a)a}=limh01h{af(a+h)(a+h)f(a)a(a+h)}=limh0af(a+h)af(a)hf(a)ha(a+h)\lim_{h \to 0} \frac{1}{h} \left\{ \frac{f(a+h)}{a+h} - \frac{f(a)}{a} \right\} = \lim_{h \to 0} \frac{1}{h} \left\{ \frac{a f(a+h) - (a+h)f(a)}{a(a+h)} \right\} = \lim_{h \to 0} \frac{a f(a+h) - af(a) - hf(a)}{h a (a+h)}.
式を整理すると、
limh0a(f(a+h)f(a))hf(a)ha(a+h)=limh0af(a+h)f(a)hf(a)a(a+h)\lim_{h \to 0} \frac{a(f(a+h) - f(a)) - hf(a)}{h a (a+h)} = \lim_{h \to 0} \frac{a \frac{f(a+h) - f(a)}{h} - f(a)}{a(a+h)}.
ここで、h0h \to 0 とすると、
af(a)f(a)a2\frac{a f'(a) - f(a)}{a^2}.

3. 最終的な答え

(1) 2f(a)-2f'(a)
(2) af(a)f(a)a2\frac{a f'(a) - f(a)}{a^2}

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