$x$についての以下の2つの不等式がある。ただし、$a$は0でない定数とする。 $\frac{5}{6}x - \frac{3}{2} \leq \frac{1}{3}x + \frac{1}{4}$ ...(1) $ax \leq a(a+2)$ ...(2) (i) 不等式(1)を解け。 (ii) $a = \frac{2}{7}$ のとき、不等式(1)と(2)を同時に満たす$x$の値の範囲を求めよ。 (iii) $a < 0$ のとき、不等式(1)と(2)を同時に満たすすべての整数の和が0となるような$a$の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

$x$についての以下の2つの不等式がある。ただし、$a$は0でない定数とする。

$\frac{5}{6}x - \frac{3}{2} \leq \frac{1}{3}x + \frac{1}{4}$ ...(1)

$ax \leq a(a+2)$ ...(2)

(i) 不等式(1)を解け。

(ii) $a = \frac{2}{7}$ のとき、不等式(1)と(2)を同時に満たす$x$の値の範囲を求めよ。

(iii) $a < 0$ のとき、不等式(1)と(2)を同時に満たすすべての整数の和が0となるような$a$の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(i) 不等式(1)を解く。

まず、不等式(1)の両辺に12を掛けて分母を払う。

$12 \times (\frac{5}{6}x - \frac{3}{2}) \leq 12 \times (\frac{1}{3}x + \frac{1}{4})$

$10x - 18 \leq 4x + 3$

$10x - 4x \leq 3 + 18$

$6x \leq 21$

$x \leq \frac{21}{6}$

$x \leq \frac{7}{2}$

(ii) $a = \frac{2}{7}$ のとき、不等式(1)と(2)を同時に満たす$x$の値の範囲を求める。

(1)より、$x \leq \frac{7}{2}$

(2)に$a = \frac{2}{7}$ を代入すると、

$\frac{2}{7}x \leq \frac{2}{7}(\frac{2}{7} + 2)$

$\frac{2}{7}x \leq \frac{2}{7}(\frac{2+14}{7})$

$\frac{2}{7}x \leq \frac{2}{7}(\frac{16}{7})$

$x \leq \frac{16}{7}$

したがって、$\frac{16}{7} \approx 2.286$

$\frac{7}{2} = 3.5$

よって、不等式(1)と(2)を同時に満たす$x$の値の範囲は、

$x \leq \frac{16}{7}$

(iii) $a < 0$ のとき、不等式(1)と(2)を同時に満たすすべての整数の和が0となるような$a$の値の範囲を求める。

(1)より、$x \leq \frac{7}{2}$

(2)について、$a < 0$なので、両辺を$a$で割ると不等号の向きが逆になる。

$x \geq a+2$

したがって、$a+2 \leq x \leq \frac{7}{2}$

$a < 0$なので、$a+2 < \frac{7}{2} = 3.5$

$x$の整数値は、$a+2 \leq x \leq 3.5$より、

$a+2, \cdots, 3$

これらの整数の和が0になる。

例えば、$a+2 = -3$のとき、$-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3$の和は0になる。

$a+2 \leq -3$ のとき、和は0になる。よって、$a \leq -5$

$a+2 = -2$ のとき、$-2, -1, 0, 1, 2, 3$の和は3なので、0にならない。

$a+2 = -1$ のとき、$-1, 0, 1, 2, 3$の和は5なので、0にならない。

$a+2 = 0$ のとき、$0, 1, 2, 3$の和は6なので、0にならない。

$a+2 = 1$ のとき、$1, 2, 3$の和は6なので、0にならない。

$a+2 = 2$ のとき、$2, 3$の和は5なので、0にならない。

$a+2 = 3$ のとき、$3$の和は3なので、0にならない。

整数の和が0となるためには、$a+2$から3までの整数を足して0になる必要がある。

すなわち、$a+2 + (a+3) + \cdots + (-1) + 0 + 1 + 2 + 3 = 0$

ここで、$a+2 < -3$ であれば、$-3$を含めて和が0となる。

$a+2 \geq -3$の場合は、正の数だけが残って和が0にならない。

したがって、$a+2 < -3$ より、$a < -5$

$-6 \le a+2 < -5$　とすると　$a+2=-6$のとき　-6, -5, -4, -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3　合計 -25　不適

したがって、$a = -5$ が求める範囲の境界となる。

$a$ は、$a < 0$を満たすので、$a < -5$となる。

このとき、整数は$-3, -2, -1, 0, 1, 2, 3$となるので、それらの和は0になる。

したがって、$a < -5$

3. 最終的な答え

(i) $x \leq \frac{7}{2}$

(ii) $x \leq \frac{16}{7}$

(iii) $a < -5$