$A$ を $n$ 次正方行列、$ \tilde{A} $ を $A$ の余因子行列とします。等式 $^t\tilde{A}A = |A|E$ が成り立つことを用いて、命題「$^t\tilde{A}$ が正則であるならば、$A$ は正則である」が真であることを証明します。ここで、$E$ は $n$ 次単位行列、$|A|$ は $A$ の行列式、$^t\tilde{A}$ は $ \tilde{A} $ の転置行列を表します。

代数学行列余因子行列行列式正則行列逆行列線形代数
2025/8/3

1. 問題の内容

AAnn 次正方行列、A~ \tilde{A} AA の余因子行列とします。等式 tA~A=AE^t\tilde{A}A = |A|E が成り立つことを用いて、命題「tA~^t\tilde{A} が正則であるならば、AA は正則である」が真であることを証明します。ここで、EEnn 次単位行列、A|A|AA の行列式、tA~^t\tilde{A}A~ \tilde{A} の転置行列を表します。

2. 解き方の手順

tA~^t\tilde{A} が正則であると仮定します。つまり、ある行列 BB が存在して、
BtA~=tA~B=EB ^t\tilde{A} = ^t\tilde{A} B = E が成り立ちます。
与えられた等式 tA~A=AE^t\tilde{A}A = |A|E の両辺に左から BB を掛けると、
B(tA~A)=B(AE)B(^t\tilde{A}A) = B(|A|E)
結合法則より
(BtA~)A=ABE(B ^t\tilde{A})A = |A|BE
tA~^t\tilde{A} が正則であることより、BtA~=EB ^t\tilde{A} = E なので
EA=ABEA = |A|B
A=ABA = |A|B
ここで、A0|A| \neq 0 であることを示します。もし A=0|A| = 0 ならば、A=0A = 0 となり、tA~A=0^t\tilde{A}A = 0 となります。すると、tA~^t\tilde{A} は正則ではないことになり矛盾します。したがって、A0|A| \neq 0 です。
A=ABA = |A|B の両辺を A|A| で割ると
1AA=B\frac{1}{|A|} A = B
したがって、AA の逆行列は存在し、A1=1ABA^{-1} = \frac{1}{|A|}B となります。よって、AA は正則です。

3. 最終的な答え

tA~^t\tilde{A} が正則であるならば、AA は正則である。

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