与えられた問題は、三角関数を含む方程式と不等式に関するものです。具体的には、以下の内容を問われています。 (1) $k=1$ のときの $\tan \theta = k$ の解を求める。 (2) $2\cos\theta + 1 \ge 0$ の解を求める。 (3) $\tan \theta = k$ の $0 \le \theta < 2\pi$ における解が2個存在し、その和が $\frac{4}{3}\pi$ となるような $k$ の値を求める。 (4) (2)で求めた $\theta$ の範囲において、$\tan\theta = k$ の解が2個存在するとき、その解を $\alpha, \beta (\alpha < \beta)$ とする。 (i) $k$ のとり得る値の範囲を求める。 (ii) $\alpha + \beta \ge \frac{7}{4}\pi$ となるような $k$ の値の範囲を求める。

1. 問題の内容

与えられた問題は、三角関数を含む方程式と不等式に関するものです。具体的には、以下の内容を問われています。

(1) $k=1$ のときの $\tan \theta = k$ の解を求める。

(2) $2\cos\theta + 1 \ge 0$ の解を求める。

(3) $\tan \theta = k$ の $0 \le \theta < 2\pi$ における解が2個存在し、その和が $\frac{4}{3}\pi$ となるような $k$ の値を求める。

(4) (2)で求めた $\theta$ の範囲において、$\tan\theta = k$ の解が2個存在するとき、その解を $\alpha, \beta (\alpha < \beta)$ とする。

(i) $k$ のとり得る値の範囲を求める。

(ii) $\alpha + \beta \ge \frac{7}{4}\pi$ となるような $k$ の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

(1) $k=1$のとき、$\tan\theta = 1$ を $0 \le \theta < 2\pi$ で解きます。

$\tan\theta = 1$ となる $\theta$ は、$\theta = \frac{\pi}{4}, \frac{5\pi}{4}$ です。

(2) $2\cos\theta + 1 \ge 0$ を $0 \le \theta < 2\pi$ で解きます。

$\cos\theta \ge -\frac{1}{2}$ となります。$\cos\theta = -\frac{1}{2}$ となる $\theta$ は $\frac{2\pi}{3}, \frac{4\pi}{3}$ なので、$\frac{2\pi}{3} \le \theta \le \frac{4\pi}{3}$ を除いた範囲が解となります。

したがって、$0 \le \theta \le \frac{2\pi}{3}$ または $\frac{4\pi}{3} \le \theta < 2\pi$ です。

(3) $0 \le \theta < 2\pi$ における $\tan\theta = k$ の解が2個である条件は、$k$ が任意の実数であることです。

$\theta_1$と$\theta_2$を２つの解とすると、$\theta_2 = \theta_1 + \pi$が成り立ちます。

よって、$\theta_1 + \theta_2 = \theta_1 + (\theta_1 + \pi) = 2\theta_1 + \pi = \frac{4\pi}{3}$ となります。

$2\theta_1 = \frac{\pi}{3}$ より、$\theta_1 = \frac{\pi}{6}$ となります。

$\tan\left(\frac{\pi}{6}\right) = \frac{1}{\sqrt{3}}$ なので、$k = \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3}$ です。

(4)

(i) (2)で求めた$\theta$の範囲は、$0 \le \theta \le \frac{2\pi}{3}$ または $\frac{4\pi}{3} \le \theta < 2\pi$ です。

この範囲で、$\tan\theta = k$ の解が2個存在するためには、$k$ の値の範囲を考える必要があります。

$\theta = \frac{2\pi}{3}$ で$\tan\theta = -\sqrt{3}$ であり、$\theta=0$で$\tan\theta = 0$ です。また、$\theta = \frac{4\pi}{3}$で$\tan\theta = \sqrt{3}$です。

$0\le \theta \le \frac{2\pi}{3}$のとき、$\tan \theta$は0から$-\sqrt{3}$まで減少します。

$\frac{4\pi}{3} \le \theta < 2\pi$のとき、$\tan\theta$は$\sqrt{3}$から$-\infty$まで減少してから、再び$+\infty$から0まで減少します。

$\tan \theta = k$の解が２つ存在するためには、$k < 0$か$k \ge \sqrt{3}$が必要です。

(ii) $\alpha + \beta \ge \frac{7\pi}{4}$ となる $k$ の範囲を求めます。

$\tan\alpha = \tan\beta = k$ であり、$\alpha < \beta$ です。また、(2)から $0 \le \alpha \le \frac{2\pi}{3}$ および $\frac{4\pi}{3} \le \beta < 2\pi$ となります。

$\beta = \alpha + \pi$なので、$\alpha + \beta = 2\alpha + \pi \ge \frac{7\pi}{4}$ より $2\alpha \ge \frac{3\pi}{4}$, つまり $\alpha \ge \frac{3\pi}{8}$ となります。

$\tan\alpha \ge \tan\left(\frac{3\pi}{8}\right) = \sqrt{2} + 1$ となります。したがって、 $k \ge \sqrt{2} + 1$ です。

3. 最終的な答え

(1) $\theta = \frac{\pi}{4}, \frac{5\pi}{4}$

(2) $0 \le \theta \le \frac{2\pi}{3}$ または $\frac{4\pi}{3} \le \theta < 2\pi$

(3) $k = \frac{\sqrt{3}}{3}$

(4)

(i) $k < 0$または$k \ge \sqrt{3}$

(ii) $k \ge \sqrt{2} + 1$