$x$ を未知数、$a$ を定数とする方程式 $4\cos x + 5\sin^2 x = a$ について、以下の問いに答えます。 (1) $\cos x = \frac{1}{3}$ となる $a$ の値を求めます。 (2) この方程式が $0^\circ \le x \le 60^\circ$ を満たす解をただ一つ持つような定数 $a$ の範囲を求めます。

1. 問題の内容

$x$ を未知数、$a$ を定数とする方程式 $4\cos x + 5\sin^2 x = a$ について、以下の問いに答えます。

(1) $\cos x = \frac{1}{3}$ となる $a$ の値を求めます。

(2) この方程式が $0^\circ \le x \le 60^\circ$ を満たす解をただ一つ持つような定数 $a$ の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

(1) $\cos x = \frac{1}{3}$ のとき、$\sin^2 x = 1 - \cos^2 x = 1 - \left(\frac{1}{3}\right)^2 = 1 - \frac{1}{9} = \frac{8}{9}$ となります。

与えられた方程式に代入すると、

$4\cos x + 5\sin^2 x = a$

$4\left(\frac{1}{3}\right) + 5\left(\frac{8}{9}\right) = a$

$\frac{4}{3} + \frac{40}{9} = a$

$\frac{12}{9} + \frac{40}{9} = a$

$\frac{52}{9} = a$

(2) $4\cos x + 5\sin^2 x = a$ を変形します。$\sin^2 x = 1 - \cos^2 x$ より、

$4\cos x + 5(1 - \cos^2 x) = a$

$4\cos x + 5 - 5\cos^2 x = a$

$-5\cos^2 x + 4\cos x + 5 = a$

$5\cos^2 x - 4\cos x - 5 + a = 0$

ここで、$t = \cos x$ とおくと、

$5t^2 - 4t - 5 + a = 0$

$f(t) = 5t^2 - 4t - 5 + a$ とおくと、この二次方程式が $0^\circ \le x \le 60^\circ$ でただ一つの解を持つような $a$ の範囲を求めます。$x$ の範囲が $0^\circ \le x \le 60^\circ$ なので、$t = \cos x$ の範囲は $\cos 60^\circ \le t \le \cos 0^\circ$ より $\frac{1}{2} \le t \le 1$ となります。

$f(t) = 5t^2 - 4t - 5 + a = 0$

$5t^2 - 4t = 5 - a$

$5\left(t^2 - \frac{4}{5}t\right) = 5 - a$

$5\left(\left(t - \frac{2}{5}\right)^2 - \frac{4}{25}\right) = 5 - a$

$5\left(t - \frac{2}{5}\right)^2 - \frac{4}{5} = 5 - a$

$5\left(t - \frac{2}{5}\right)^2 = \frac{29}{5} - a$

$\left(t - \frac{2}{5}\right)^2 = \frac{29}{25} - \frac{a}{5}$

$t = \frac{2}{5} \pm \sqrt{\frac{29}{25} - \frac{a}{5}}$

軸は $t = \frac{2}{5}$ であり、範囲 $\frac{1}{2} \le t \le 1$ に含まれません。したがって、$f(\frac{1}{2}) = 0$ または $f(1) = 0$ となるときを考えます。

$f(t) = 5t^2 - 4t - 5 + a = 0$

$f(\frac{1}{2}) = 5(\frac{1}{4}) - 4(\frac{1}{2}) - 5 + a = 0$

$\frac{5}{4} - 2 - 5 + a = 0$

$a = 7 - \frac{5}{4} = \frac{28-5}{4} = \frac{23}{4}$

$f(1) = 5(1)^2 - 4(1) - 5 + a = 0$

$5 - 4 - 5 + a = 0$

$-4 + a = 0$

$a = 4$

$f(\frac{1}{2}) = 0$ のとき、 $t = \frac{1}{2}$ が解となり、もう一つの解は $\frac{1}{2} < t \le 1$ に存在しません。

$5t^2 - 4t - 5 + \frac{23}{4} = 0$

$20t^2 - 16t - 20 + 23 = 0$

$20t^2 - 16t + 3 = 0$

$(10t - 3)(2t - 1) = 0$

$t = \frac{3}{10}, \frac{1}{2}$

$\frac{1}{2} \le t \le 1$ の範囲では $t = \frac{1}{2}$ のみなので、$a = \frac{23}{4}$ は条件を満たします。

$f(1) = 0$ のとき、 $t = 1$ が解となり、もう一つの解は $\frac{1}{2} \le t < 1$ に存在しません。

$5t^2 - 4t - 5 + 4 = 0$

$5t^2 - 4t - 1 = 0$

$(5t + 1)(t - 1) = 0$

$t = -\frac{1}{5}, 1$

$\frac{1}{2} \le t \le 1$ の範囲では $t = 1$ のみなので、$a = 4$ は条件を満たします。

$\frac{23}{4} \le a < 5$ であれば、 $\frac{1}{2} < t \le 1$に解を持ちます. $a = 5$ のとき、$t = \frac{2}{5}$になるので、$\frac{1}{2} \le t \le 1$に解を持ちません。

$\frac{23}{4} \le a < 5$の時、$\frac{1}{2} < t \le 1$ に解を一つ持ちます。

$4 \le a < \frac{23}{4}$であれば、 $t \ge 1$ に解を持ちます.

したがって、$a = 4$ または $a = \frac{23}{4}$ が条件を満たします。

$4 \le a \le \frac{23}{4}$.

3. 最終的な答え

(1) $a = \frac{52}{9}$

(2) $4 \le a \le \frac{23}{4}$