与えられた4つの不等式をそれぞれ証明し、等号が成り立つ場合を調べる。 (1) $x^2 + y^2 \geq 2(x+y-1)$ (2) $x^2 + 2xy + 2y^2 \geq 0$ (3) $\frac{a^2+b^2}{2} \geq (\frac{a+b}{2})^2$ (4) $a^2 + \frac{1}{a^2} \geq 2 \quad (a \neq 0)$

代数学不等式証明平方完成相加相乗平均
2025/8/4

1. 問題の内容

与えられた4つの不等式をそれぞれ証明し、等号が成り立つ場合を調べる。
(1) x2+y22(x+y1)x^2 + y^2 \geq 2(x+y-1)
(2) x2+2xy+2y20x^2 + 2xy + 2y^2 \geq 0
(3) a2+b22(a+b2)2\frac{a^2+b^2}{2} \geq (\frac{a+b}{2})^2
(4) a2+1a22(a0)a^2 + \frac{1}{a^2} \geq 2 \quad (a \neq 0)

2. 解き方の手順

(1) x2+y22(x+y1)x^2 + y^2 \geq 2(x+y-1) の証明
まず、不等式の右辺を左辺に移項する。
x2+y22x2y+20x^2 + y^2 - 2x - 2y + 2 \geq 0
次に、左辺を平方完成する。
(x22x+1)+(y22y+1)0(x^2 - 2x + 1) + (y^2 - 2y + 1) \geq 0
(x1)2+(y1)20(x-1)^2 + (y-1)^2 \geq 0
実数の2乗は常に0以上なので、この不等式は常に成立する。
等号が成り立つのは、x1=0x-1 = 0 かつ y1=0y-1 = 0 のとき、つまり x=1x = 1 かつ y=1y = 1 のときである。
(2) x2+2xy+2y20x^2 + 2xy + 2y^2 \geq 0 の証明
左辺を平方完成する。
x2+2xy+y2+y20x^2 + 2xy + y^2 + y^2 \geq 0
(x+y)2+y20(x+y)^2 + y^2 \geq 0
実数の2乗は常に0以上なので、この不等式は常に成立する。
等号が成り立つのは、x+y=0x+y = 0 かつ y=0y = 0 のとき、つまり x=0x = 0 かつ y=0y = 0 のときである。
(3) a2+b22(a+b2)2\frac{a^2+b^2}{2} \geq (\frac{a+b}{2})^2 の証明
まず、不等式の右辺を展開する。
(a+b2)2=(a+b)24=a2+2ab+b24(\frac{a+b}{2})^2 = \frac{(a+b)^2}{4} = \frac{a^2 + 2ab + b^2}{4}
次に、不等式の両辺に4をかける。
2(a2+b2)a2+2ab+b22(a^2+b^2) \geq a^2 + 2ab + b^2
2a2+2b2a2+2ab+b22a^2 + 2b^2 \geq a^2 + 2ab + b^2
不等式の右辺を左辺に移項する。
2a2+2b2a22abb202a^2 + 2b^2 - a^2 - 2ab - b^2 \geq 0
a22ab+b20a^2 - 2ab + b^2 \geq 0
(ab)20(a-b)^2 \geq 0
実数の2乗は常に0以上なので、この不等式は常に成立する。
等号が成り立つのは、ab=0a-b = 0 のとき、つまり a=ba = b のときである。
(4) a2+1a22(a0)a^2 + \frac{1}{a^2} \geq 2 \quad (a \neq 0) の証明
まず、不等式の左辺から右辺を引く。
a2+1a220a^2 + \frac{1}{a^2} - 2 \geq 0
次に、左辺を整理する。
a42a2+1a20\frac{a^4 - 2a^2 + 1}{a^2} \geq 0
(a21)2a20\frac{(a^2 - 1)^2}{a^2} \geq 0
a0a \neq 0 より、a2>0a^2 > 0 であり、(a21)20(a^2 - 1)^2 \geq 0 であるから、この不等式は常に成立する。
等号が成り立つのは、a21=0a^2 - 1 = 0 のとき、つまり a2=1a^2 = 1、つまり a=1a = 1 または a=1a = -1 のときである。

3. 最終的な答え

(1) x2+y22(x+y1)x^2 + y^2 \geq 2(x+y-1)x=1x=1 かつ y=1y=1 のとき等号が成立する。
(2) x2+2xy+2y20x^2 + 2xy + 2y^2 \geq 0x=0x=0 かつ y=0y=0 のとき等号が成立する。
(3) a2+b22(a+b2)2\frac{a^2+b^2}{2} \geq (\frac{a+b}{2})^2a=ba=b のとき等号が成立する。
(4) a2+1a22(a0)a^2 + \frac{1}{a^2} \geq 2 \quad (a \neq 0)a=1a=1 または a=1a=-1 のとき等号が成立する。

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