$n$次正方行列$A = (a_{ij})$が与えられています。この行列の対角成分は全て2($a_{ii} = 2$)で、対角成分のすぐ隣の成分は全て-1($a_{i,i+1} = a_{i+1,i} = -1$)であり、それ以外の成分は全て0です。この行列$A$の行列式$|A|$の値を求める問題です。

代数学行列式線形代数漸化式特性方程式
2025/8/4

1. 問題の内容

nn次正方行列A=(aij)A = (a_{ij})が与えられています。この行列の対角成分は全て2(aii=2a_{ii} = 2)で、対角成分のすぐ隣の成分は全て-1(ai,i+1=ai+1,i=1a_{i,i+1} = a_{i+1,i} = -1)であり、それ以外の成分は全て0です。この行列AAの行列式A|A|の値を求める問題です。

2. 解き方の手順

行列式をDnD_nとします。行列AAは以下のような形をしています。
$\begin{pmatrix}
2 & -1 & 0 & \cdots & 0 \\
-1 & 2 & -1 & \cdots & 0 \\
0 & -1 & 2 & \cdots & 0 \\
\vdots & \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
0 & 0 & 0 & \cdots & 2
\end{pmatrix}$
行列式DnD_nを第1行で展開すると、次のようになります。
Dn=2Dn1(1)(1)Dn2=2Dn1Dn2D_n = 2D_{n-1} - (-1) \cdot (-1) D_{n-2} = 2D_{n-1} - D_{n-2}
初期条件を計算します。
n=1n=1のとき、D1=2D_1 = 2
n=2n=2のとき、D2=2112=41=3D_2 = \begin{vmatrix} 2 & -1 \\ -1 & 2 \end{vmatrix} = 4 - 1 = 3
漸化式Dn=2Dn1Dn2D_n = 2D_{n-1} - D_{n-2}を解きます。
特性方程式はx22x+1=0x^2 - 2x + 1 = 0であり、(x1)2=0(x-1)^2 = 0なので、x=1x=1 (重解)です。
よって、Dn=(an+b)1n=an+bD_n = (an + b) \cdot 1^n = an + bの形になります。
初期条件から、D1=a+b=2D_1 = a + b = 2D2=2a+b=3D_2 = 2a + b = 3
これを解くと、a=1a = 1, b=1b = 1となります。
したがって、Dn=n+1D_n = n + 1となります。

3. 最終的な答え

A=n+1|A| = n+1

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