ベクトル $e_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}$, $e_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}$, $a_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 3 \end{pmatrix}$, $a_2 = \begin{pmatrix} 1 \\ 9 \end{pmatrix}$, $a_3 = \begin{pmatrix} -1 \\ 3 \end{pmatrix}$ が与えられ、集合 $T = \{a_1, a_2, a_3\}$ が定義されています。 (i) $cc(T) + e_1$ を平面上に図示する。 (ii) $(cc(T))^* + e_2$ を平面上に図示する(ただし、$(cc(T))^*$ は $cc(T)$ の極錐を表す)。 (iii) $(cc(T) + e_1) \cap ((cc(T))^* + \alpha e_2) \neq \emptyset$ を満たす最小の $\alpha$ を求める。

応用数学線形代数凸包極錐ベクトル不等式
2025/8/4

1. 問題の内容

ベクトル e1=(10)e_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}, e2=(01)e_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}, a1=(13)a_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 3 \end{pmatrix}, a2=(19)a_2 = \begin{pmatrix} 1 \\ 9 \end{pmatrix}, a3=(13)a_3 = \begin{pmatrix} -1 \\ 3 \end{pmatrix} が与えられ、集合 T={a1,a2,a3}T = \{a_1, a_2, a_3\} が定義されています。
(i) cc(T)+e1cc(T) + e_1 を平面上に図示する。
(ii) (cc(T))+e2(cc(T))^* + e_2 を平面上に図示する(ただし、(cc(T))(cc(T))^*cc(T)cc(T) の極錐を表す)。
(iii) (cc(T)+e1)((cc(T))+αe2)(cc(T) + e_1) \cap ((cc(T))^* + \alpha e_2) \neq \emptyset を満たす最小の α\alpha を求める。

2. 解き方の手順

(i) cc(T)cc(T)TT の凸包です。a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 を頂点とする三角形を考えます。cc(T)+e1cc(T) + e_1 は、この三角形を e1=(10)e_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} だけ平行移動したものです。したがって、cc(T)+e1cc(T)+e_1は頂点がa1+e1=(23)a_1+e_1 = \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix}, a2+e1=(29)a_2+e_1 = \begin{pmatrix} 2 \\ 9 \end{pmatrix}, a3+e1=(03)a_3+e_1 = \begin{pmatrix} 0 \\ 3 \end{pmatrix}である三角形になります。
(ii) (cc(T))(cc(T))^*cc(T)cc(T) の極錐です。極錐の定義より、(cc(T))={x:x,y0,ycc(T)}(cc(T))^* = \{x : \langle x, y \rangle \le 0, \forall y \in cc(T) \} です。
T={a1,a2,a3}T = \{a_1, a_2, a_3\} に対して、凸包 cc(T)cc(T) の極錐 (cc(T))(cc(T))^* は、不等式 x,ai0\langle x, a_i \rangle \le 0 を満たす xx の集合となります。つまり、
x1+3x20x_1 + 3x_2 \le 0
x1+9x20x_1 + 9x_2 \le 0
x1+3x20-x_1 + 3x_2 \le 0
となります。これらを解くと、
x1=3x2x_1 = -3x_2のとき、x1+9x2=6x2<=0x_1 + 9 x_2 = 6 x_2 <=0 より、x2<=0x_2 <=0となり、x1>=0x_1>=0
x1=3x2x_1 = -3 x_2のとき、x1+3x2=6x2<=0-x_1 + 3 x_2 = 6 x_2 <=0 より、x2<=0x_2<=0となり、x1>=0x_1>=0
x1<=3x2x_1 <= -3 x_2 であり、x1>=9x2x_1 >= -9 x_2 となります。
したがって、(cc(T))(cc(T))^*x20x_2 \le 0 かつ 9x2x13x2-9x_2 \le x_1 \le -3x_2 を満たす領域になります。これは、原点から伸びる2つの半直線、x1=3x2x_1 = -3x_2 (x20x_2 \le 0) と x1=9x2x_1 = -9x_2 (x20x_2 \le 0) で囲まれた扇形の領域を表します。
(cc(T))+e2(cc(T))^* + e_2 は、この扇形を e2=(01)e_2 = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} だけ平行移動したものです。したがって、頂点が(01)\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix}から伸びる扇形になります。
(iii) (cc(T)+e1)((cc(T))+αe2)(cc(T) + e_1) \cap ((cc(T))^* + \alpha e_2) \neq \emptyset を満たす最小の α\alpha を求めます。これは、平行移動された三角形と扇形が交点を持つような最小の α\alpha を求める問題です。
a1+e1=(23)a_1+e_1 = \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix}, a2+e1=(29)a_2+e_1 = \begin{pmatrix} 2 \\ 9 \end{pmatrix}, a3+e1=(03)a_3+e_1 = \begin{pmatrix} 0 \\ 3 \end{pmatrix}である三角形の領域と、x2αx_2 \le \alpha かつ 9(x2α)x13(x2α)-9(x_2 - \alpha) \le x_1 \le -3(x_2 - \alpha) である扇形の領域が交点を持つとき、最小の α\alpha はいくつか、という問題に帰着されます。
三角形の頂点の中でもっともy座標が大きいa2+e1=(2,9)a_2 + e_1 = (2,9)について考えます。極錐の方はx1=3x2x_1 = -3x_2の直線とx1=9x2x_1=-9x_2の直線の間にあります。
ここで、x座標が2になる時の極錐のy座標を考えると、x1=3x2x_1 = -3x_2の時、2=3(x2α)2 = -3(x_2-\alpha)より、x2=α2/3x_2 = \alpha - 2/3
x1=9x2x_1 = -9x_2の時、2=9(x2α)2 = -9(x_2-\alpha)より、x2=α2/9x_2 = \alpha - 2/9
したがって、α2/39\alpha - 2/3 \le 9 and α2/99\alpha - 2/9 \le 9
α9+2/3\alpha \le 9 + 2/3 and α9+2/9\alpha \le 9 + 2/9
したがって、9+2/99+2/9を考えると、9+2/9=(81+2)/9=83/9=9.222...9 + 2/9 = (81+2)/9 = 83/9 = 9.222...
三角形の頂点の中でもっともy座標が小さい頂点a3+e1=(03)a_3+e_1 = \begin{pmatrix} 0 \\ 3 \end{pmatrix}について考えます。
原点とa2+e1=(2,9)a_2+e_1=(2,9)を通る直線の式は、y=(9/2)xy = (9/2)xなので、原点と三角形が接する時の傾きを考えると、極錐のx1=3x2x_1=-3x_2を通る直線が接する時は、x1=3(x2α)x_1 = -3(x_2-\alpha)より2=3(9α)2 = -3(9-\alpha)
a1+e1=(23)a_1+e_1 = \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix}, y=(3/2)xy=(3/2)x。よって2=3(3α)2 = -3(3-\alpha)
これらのグラフを描画し、最小の α\alpha を求める必要があります。
原点が(1,0),極錐の半直線x1=3(x2α)x_1 = -3(x_2-\alpha)が(2,3)と接する時、3x2+3α2=0,y3/2x=0-3x_2+3\alpha -2=0, y-3/2x=0

3. 最終的な答え

α=3\alpha = 3

「応用数学」の関連問題

画像に表示されている問題は、線形計画法に関連するもので、 $s+t=2, s\geq 0, t\geq 0$ の制約条件のもとで、ある関数(画像からは不明)の最大値または最小値を求める問題に関連してい...

線形計画法最適化制約条件実行可能領域目的関数
2025/8/5

問題文と図から、直方体の容器にしきりがあり、左側から毎秒50 cm$^3$ の割合で水を入れるとき、水面の高さが6cmから8cmになるまでの $x$ と $y$ の関係を式で表す問題です。ここで、$x...

体積一次関数グラフ直方体
2025/8/5

問題は、$\tan(\alpha - \beta)$の値を、$\tan \alpha = \frac{3}{4}$と$\tan \beta = -\frac{3}{4}$が与えられたときに計算すること...

三角関数加法定理tan
2025/8/5

$z=0$, $y=0$, $x=0$ および $z = 2 - 2x - y$ で囲まれた4面体の体積を、重積分を用いて求めよ。xy平面の積分領域を図示すること。

重積分体積多面体積分
2025/8/5

ある企業が生産要素$X$を用いて財$Y$を生産し、財$Y$を単価27で販売します。財$Y$の生産関数は$y = x^{\frac{2}{3}}$で与えられ、財$X$を単価6で購入するときの、最適購入量...

最適化微分生産関数経済学
2025/8/5

ある企業が生産要素Xを用いて財Yを生産し、財Yを単価27で販売する。財Yの生産関数は $y = x^{\frac{2}{3}}$ であり、財Xを単価6で購入するときの最適購入量 $x$ と最適生産量 ...

最適化微分生産関数経済学
2025/8/5

企業は生産要素Xを用いて財Yを生産し、財Yを単価27で販売する。財Yの生産関数は$y=x^{\frac{3}{2}}$である。財Xを単価6で購入するときの、最適なXの購入量とYの生産量を求める問題です...

最適化微分生産関数経済学
2025/8/5

ベクトル $\vec{a} = \begin{bmatrix} 4 \\ -1 \\ 1 \end{bmatrix}$, $\vec{b} = \begin{bmatrix} 5 \\ -2 \\ 3...

ベクトルベクトルの演算ノルム線形代数
2025/8/5

ある企業が生産要素Xを用いて財Yを生産し、財Yを単価27で販売します。財Yの生産関数は $y = x^{\frac{2}{3}}$ であり、財Xを単価6で購入します。このとき、企業の最適購入量xと最適...

最適化微分生産関数経済学
2025/8/5

ある斜面でボールを転がしたとき、転がり始めてから$x$秒間に進む距離を$y$ mとすると、$y = 4x^2$ という関係がある。 転がり始めて2秒後から5秒後までの間に、ボールが進む距離と、その間の...

物理運動二次関数速度距離
2025/8/5