$a_2 = A\alpha^2 + 2B\alpha\beta + C\beta^2$ および $D = B^2 - AC$ が与えられたとき、以下の3つの命題を示す問題です。 (1) $D < 0$ かつ $A > 0$ ならば、$(\alpha, \beta) \neq (0, 0)$ のとき常に $a_2 > 0$ である。 (2) $D < 0$ かつ $A < 0$ ならば、$(\alpha, \beta) \neq (0, 0)$ のとき常に $a_2 < 0$ である。 (3) $D > 0$ ならば、$a_2$ は適切な $(\alpha, \beta)$ に対して正負の値を取りうる。

代数学二次形式平方完成判別式不等式
2025/8/4

1. 問題の内容

a2=Aα2+2Bαβ+Cβ2a_2 = A\alpha^2 + 2B\alpha\beta + C\beta^2 および D=B2ACD = B^2 - AC が与えられたとき、以下の3つの命題を示す問題です。
(1) D<0D < 0 かつ A>0A > 0 ならば、(α,β)(0,0)(\alpha, \beta) \neq (0, 0) のとき常に a2>0a_2 > 0 である。
(2) D<0D < 0 かつ A<0A < 0 ならば、(α,β)(0,0)(\alpha, \beta) \neq (0, 0) のとき常に a2<0a_2 < 0 である。
(3) D>0D > 0 ならば、a2a_2 は適切な (α,β)(\alpha, \beta) に対して正負の値を取りうる。

2. 解き方の手順

(1) D<0D < 0 かつ A>0A > 0 のとき:
a2a_2 を平方完成することを考えます。
a2=A(α2+2BAαβ)+Cβ2=A(α+BAβ)2AB2A2β2+Cβ2=A(α+BAβ)2+ACB2Aβ2a_2 = A(\alpha^2 + 2\frac{B}{A}\alpha\beta) + C\beta^2 = A(\alpha + \frac{B}{A}\beta)^2 - A\frac{B^2}{A^2}\beta^2 + C\beta^2 = A(\alpha + \frac{B}{A}\beta)^2 + \frac{AC-B^2}{A}\beta^2
よって、
a2=A(α+BAβ)2+DAβ2a_2 = A(\alpha + \frac{B}{A}\beta)^2 + \frac{-D}{A}\beta^2
D<0D < 0 より D>0-D > 0 であり、A>0A > 0 より DA>0\frac{-D}{A} > 0 である。
(α,β)(0,0)(\alpha, \beta) \neq (0, 0) なので、A(α+BAβ)2A(\alpha + \frac{B}{A}\beta)^2DAβ2\frac{-D}{A}\beta^2 の少なくとも一方は正の値を取る。
したがって、a2>0a_2 > 0 である。
(2) D<0D < 0 かつ A<0A < 0 のとき:
a2=A(α+BAβ)2+DAβ2a_2 = A(\alpha + \frac{B}{A}\beta)^2 + \frac{-D}{A}\beta^2 (上記(1)と同様)
D<0D < 0 より D>0-D > 0 であり、A<0A < 0 より DA<0\frac{-D}{A} < 0 である。
(α,β)(0,0)(\alpha, \beta) \neq (0, 0) なので、A(α+BAβ)2A(\alpha + \frac{B}{A}\beta)^2DAβ2\frac{-D}{A}\beta^2 の少なくとも一方は負の値を取る。
したがって、a2<0a_2 < 0 である。
(3) D>0D > 0 のとき:
α=1\alpha = 1 とすると、
a2=A+2Bβ+Cβ2a_2 = A + 2B\beta + C\beta^2
これはβ\betaに関する二次関数であり、CCの符号によって振る舞いが変わります。
a2=Cβ2+2Bβ+Aa_2=C\beta^2+2B\beta+A
D=B2AC=D>0D'=B^2-AC=D>0より実数解を持ちます。
β1=BDC,β2=B+DC\beta_1= \frac{-B - \sqrt{D}}{C}, \beta_2= \frac{-B + \sqrt{D}}{C}
a2a_2 は適当な β\beta に対して正の値も負の値も取ります。例えば、β=0\beta = 0とすればa2=Aa_2 = Aであるから、A>0ならa2a_2は正の値を、A<0ならa2a_2は負の値をとりえます。また、D>0より、a2は必ず正負の値を取りえます。

3. 最終的な答え

(1) D<0D < 0 かつ A>0A > 0 ならば、(α,β)(0,0)(\alpha, \beta) \neq (0, 0) のとき常に a2>0a_2 > 0 である。
(2) D<0D < 0 かつ A<0A < 0 ならば、(α,β)(0,0)(\alpha, \beta) \neq (0, 0) のとき常に a2<0a_2 < 0 である。
(3) D>0D > 0 ならば、a2a_2 は適切な (α,β)(\alpha, \beta) に対して正負の値を取りうる。

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