40人のクラスで、シャープペンシルを持っている人が33人、ボールペンを持っている人が28人、万年筆を持っている人が21人いる。誰も何も持っていない人はいなかったとき、以下の選択肢の中で確実に言えるものはどれか。 1. シャープペンシルとボールペンと万年筆を3つとも持っている人は少なくとも2人いる。

離散数学集合包除原理ベン図
2025/8/4

1. 問題の内容

40人のクラスで、シャープペンシルを持っている人が33人、ボールペンを持っている人が28人、万年筆を持っている人が21人いる。誰も何も持っていない人はいなかったとき、以下の選択肢の中で確実に言えるものはどれか。

1. シャープペンシルとボールペンと万年筆を3つとも持っている人は少なくとも2人いる。

2. ボールペンと万年筆の両方を持っている人は少なくとも11人いる。

3. シャープペンシルとボールペンと万年筆を3つとも持っている人数の最大値は21人ではない。

4. シャープペンシルと万年筆の両方を持っている人は少なくとも15人いる。

5. シャープペンシルとボールペンの両方を持っている人は少なくとも23人いる。

2. 解き方の手順

この問題は、集合の要素の個数を扱う問題です。包含と排除の原理を利用します。
クラス全体の人数を N=40N = 40 とします。
シャープペンシルを持っている人の数を S=33S = 33 とします。
ボールペンを持っている人の数を B=28B = 28 とします。
万年筆を持っている人の数を M=21M = 21 とします。
選択肢2について検討します。ボールペンと万年筆の両方を持っている人の最小値を求めます。
BMB \cup M (ボールペンか万年筆を持っている人の数)を考えます。
BM=NSB \cup M = N - S' (シャープペンシルを持っていない人の数)
S=NS=4033=7S' = N - S = 40 - 33 = 7
BM=407=33B \cup M = 40 - 7 = 33
包含と排除の原理より、
BM=B+MBM|B \cup M| = |B| + |M| - |B \cap M|
33=28+21BM33 = 28 + 21 - |B \cap M|
33=49BM33 = 49 - |B \cap M|
BM=4933=16|B \cap M| = 49 - 33 = 16
ボールペンを持っていない人は 4028=1240-28=12 人、万年筆を持っていない人は 4021=1940-21=19 人います。
ボールペンと万年筆の両方を持っていない人は最大で 12+19=3112+19 = 31 人です。
よって、ボールペンと万年筆の両方を持っている人は少なくとも 4031=940-31 = 9 人います。
ボールペンと万年筆の両方を持っている人は少なくとも 28+2140=928+21-40=9 人います。
BM=B+MBM|B \cap M| = |B| + |M| - |B \cup M|
BM|B \cup M| の最大値は40なので、 BM28+2140=9|B \cap M| \geq 28+21-40 = 9
ボールペンだけを持っている人の数を BonlyB_{only}、万年筆だけを持っている人の数を MonlyM_{only}、両方を持っている人の数を XX とすると、
Bonly+Monly+X=33B_{only} + M_{only} + X = 33
Bonly+X=28B_{only} + X = 28
Monly+X=21M_{only} + X = 21
Bonly=28XB_{only} = 28 - X
Monly=21XM_{only} = 21 - X
28X+21X+X=3328 - X + 21 - X + X = 33
49X=3349 - X = 33
X=16X = 16
ボールペンと万年筆の両方を持っている人は16人です。
ボールペンと万年筆の両方を持っている人は少なくとも9人です。
2の選択肢は誤り。
全体の集合を UU とすると,U=40|U| = 40
S=33|S|=33, B=28|B|=28, M=21|M|=21
SBM=U=40|S \cup B \cup M| = |U| = 40
SBM=S+B+MSBBMMS+SBM|S \cup B \cup M| = |S|+|B|+|M| - |S \cap B| - |B \cap M| - |M \cap S| + |S \cap B \cap M|
40=33+28+21SBBMMS+SBM40 = 33+28+21 - |S \cap B| - |B \cap M| - |M \cap S| + |S \cap B \cap M|
SB+BM+MSSBM=33+28+2140=42|S \cap B| + |B \cap M| + |M \cap S| - |S \cap B \cap M| = 33+28+21-40 = 42
42=SB+BM+MSSBM42 = |S \cap B| + |B \cap M| + |M \cap S| - |S \cap B \cap M|
選択肢5について
SB=S+BSB40|S \cup B| = |S| + |B| - |S \cap B| \le 40
33+28SB4033 + 28 - |S \cap B| \le 40
SB33+2840=21|S \cap B| \ge 33 + 28 - 40 = 21
シャープペンシルとボールペンの両方を持っている人は少なくとも21人いる。 よって選択肢5は誤り。
選択肢1について
SBM=40|S \cup B \cup M| = 40
SBM=S+B+MSBM(SB+BM+MS)|S \cap B \cap M| = |S|+|B|+|M| - |S \cup B \cup M| - (|S \cap B'| + |B \cap M'| + |M \cap S'|)
少なくとも2人はいるか、という問いに対しては、 33+28+21240=233+28+21 - 2*40=2.
SBM|S \cap B \cap M| の最小値は、SS' + BB' + MM' = 4033+4028+4021=7+12+19=3840-33 + 40-28 + 40-21 = 7+12+19 = 38 より、 4038=240-38 =2
よって、1は正しい。

3. 最終的な答え

1. シャープペンシルとボールペンと万年筆を3つとも持っている人は少なくとも2人いる。

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