定積分 $\int_{0}^{\pi} \sin(x) \sin^{2n}(x) dx$ を計算します。ここで、$n$ は整数です。

1. 問題の内容

定積分 $\int_{0}^{\pi} \sin(x) \sin^{2n}(x) dx$ を計算します。ここで、$n$ は整数です。

2. 解き方の手順

まず、$\sin^{2n}(x)$ を $\sin^{2n}(x) = (\sin^2(x))^n = (1 - \cos^2(x))^n$ と書き換えることを考えます。しかし、この形にすると展開が必要になり、計算が複雑になります。別の方法として、部分積分を利用することを考えます。

しかし、今回の積分では、$\sin(x)$ は奇関数で $\sin^{2n}(x)$ は偶関数であるという性質を使うと、計算が楽になります。また、$\sin(x)$は、$x=\pi/2$に関して対称であるという性質も利用します。

具体的には、以下の性質を利用します：

$\sin(\pi - x) = \sin(x)$

したがって、積分を次のように書き換えることができます。

$I = \int_{0}^{\pi} \sin(x) \sin^{2n}(x) dx = 2 \int_{0}^{\pi/2} \sin(x) \sin^{2n}(x) dx$

ここで、$u = \cos(x)$ と置換します。すると、$du = -\sin(x) dx$ であり、$x = 0$ のとき $u = 1$、$x = \pi/2$ のとき $u = 0$ となります。

したがって、積分は次のようになります。

$I = 2 \int_{1}^{0} -(1 - u^2)^n du = 2 \int_{0}^{1} (1 - u^2)^n du$

Wallisの公式より、

$\int_{0}^{\pi/2} \sin^{m} x dx = \frac{\Gamma(\frac{m+1}{2})}{\Gamma(\frac{m}{2} + 1)} \frac{\sqrt{\pi}}{2}$

$\int_{0}^{1} (1-x^2)^n dx = \frac{\sqrt{\pi}}{2} \frac{\Gamma(n+1)}{\Gamma(n + \frac{3}{2})}$

$\int_{0}^{1} (1-u^2)^n du = \frac{\sqrt{\pi}}{2} \frac{n!}{\Gamma(n+\frac{3}{2})}$

$\Gamma(n+\frac{3}{2}) = (n+\frac{1}{2})(n-\frac{1}{2}) \cdots (\frac{1}{2}) \Gamma(\frac{1}{2})$

$\Gamma(n+\frac{3}{2}) = \frac{(2n+1)!!}{2^{n+1}} \sqrt{\pi}$

$I = 2 \frac{n! \sqrt{\pi}}{(2n+1)!! / 2^{n+1} \sqrt{\pi}} = 2 \frac{n! 2^{n+1}}{(2n+1)!!} = 2 \frac{n! 2^{n+1} 2^n n!}{(2n+1)!} = 2 \frac{2^{2n+1} (n!)^2}{(2n+1)!}$

あるいは、

$\int_{0}^{1} (1-x^2)^n dx = \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n+1)!}$

$\int_{0}^{\pi} \sin(x) \sin^{2n}(x) dx = \frac{2^{2n+1}(n!)^2}{(2n+1)!}$

3. 最終的な答え

$\int_{0}^{\pi} \sin(x) \sin^{2n}(x) dx = \frac{2^{2n+1}(n!)^2}{(2n+1)!}$