行列 $A = \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & -2 \end{pmatrix}$ が与えられている。 (1) $A$ が直交行列であることを示す。 (2) 平面 $\mathbb{R}^2$ において、原点を頂点とし、2辺がベクトル $x_1$ と $x_2$ で与えられる正方形は、$A$ によってどのような図形に移るか。四角形、平行四辺形、長方形、正方形のうち、最も適切なものを一つ選び、その根拠となる直交行列の性質を二つ述べる。
2025/8/4
1. 問題の内容
行列 が与えられている。
(1) が直交行列であることを示す。
(2) 平面 において、原点を頂点とし、2辺がベクトル と で与えられる正方形は、 によってどのような図形に移るか。四角形、平行四辺形、長方形、正方形のうち、最も適切なものを一つ選び、その根拠となる直交行列の性質を二つ述べる。
2. 解き方の手順
(1) 行列 が直交行列であるためには、 を満たす必要がある。ここで、 は の転置行列であり、 は単位行列である。
まず、 を求める。
次に、 を計算する。
したがって、 は直交行列である。
(2) 直交行列による変換は、ベクトルの長さを変えず、角度を保つ。
原点を頂点とする正方形の2辺が と で与えられているとき、 と は直交する。
による変換後、 は に、 は に移る。
は直交行列なので、 と のなす角は と のなす角に等しく、90度である。
また、、 である。
したがって、正方形は によって変換されても、2辺の長さが等しく、直交する四角形であるため、正方形である。
直交行列の性質:
1. 長さを変えない (ノルムを保存する)
2. 角度を保つ (内積を保存する)
3. 最終的な答え
(1) は直交行列である。
(2) 正方形。直交行列の性質: 長さを変えない、角度を保つ。