行列 $A = \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & -2 \end{pmatrix}$ が与えられている。 (1) $A$ が直交行列であることを示す。 (2) 平面 $\mathbb{R}^2$ において、原点を頂点とし、2辺がベクトル $x_1$ と $x_2$ で与えられる正方形は、$A$ によってどのような図形に移るか。四角形、平行四辺形、長方形、正方形のうち、最も適切なものを一つ選び、その根拠となる直交行列の性質を二つ述べる。

代数学線形代数行列直交行列ベクトル幾何学的変換
2025/8/4

1. 問題の内容

行列 A=15(2112)A = \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & -2 \end{pmatrix} が与えられている。
(1) AA が直交行列であることを示す。
(2) 平面 R2\mathbb{R}^2 において、原点を頂点とし、2辺がベクトル x1x_1x2x_2 で与えられる正方形は、AA によってどのような図形に移るか。四角形、平行四辺形、長方形、正方形のうち、最も適切なものを一つ選び、その根拠となる直交行列の性質を二つ述べる。

2. 解き方の手順

(1) 行列 AA が直交行列であるためには、ATA=IA^T A = I を満たす必要がある。ここで、ATA^TAA の転置行列であり、II は単位行列である。
まず、ATA^T を求める。
AT=15(2112)A^T = \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & -2 \end{pmatrix}
次に、ATAA^T A を計算する。
ATA=15(2112)15(2112)=15(22+1121+1(2)12+(2)111+(2)(2))=15(5005)=(1001)=IA^T A = \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & -2 \end{pmatrix} \frac{1}{\sqrt{5}}\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & -2 \end{pmatrix} = \frac{1}{5} \begin{pmatrix} 2 \cdot 2 + 1 \cdot 1 & 2 \cdot 1 + 1 \cdot (-2) \\ 1 \cdot 2 + (-2) \cdot 1 & 1 \cdot 1 + (-2) \cdot (-2) \end{pmatrix} = \frac{1}{5} \begin{pmatrix} 5 & 0 \\ 0 & 5 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} = I
したがって、AA は直交行列である。
(2) 直交行列による変換は、ベクトルの長さを変えず、角度を保つ。
原点を頂点とする正方形の2辺が x1x_1x2x_2 で与えられているとき、x1x_1x2x_2 は直交する。
AA による変換後、x1x_1Ax1Ax_1 に、x2x_2Ax2Ax_2 に移る。
AA は直交行列なので、Ax1Ax_1Ax2Ax_2 のなす角は x1x_1x2x_2 のなす角に等しく、90度である。
また、Ax1=x1|Ax_1| = |x_1|Ax2=x2|Ax_2| = |x_2| である。
したがって、正方形は AA によって変換されても、2辺の長さが等しく、直交する四角形であるため、正方形である。
直交行列の性質:

1. 長さを変えない (ノルムを保存する)

2. 角度を保つ (内積を保存する)

3. 最終的な答え

(1) AA は直交行列である。
(2) 正方形。直交行列の性質: 長さを変えない、角度を保つ。

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