関数 $f(x) = (x+1)^2 e^{-x}$ について、以下の問いに答える。 (1) 関数 $y=f(x)$ の増減、極値、グラフの凹凸を調べて、グラフの概形を描け。ただし、$\lim_{x \to \infty} x^2 e^{-x} = 0$ を用いて良い。 (2) $a$ は定数で、$a \ge 0$ とする。方程式 $f(x) = a$ の異なる実数解の個数を調べよ。

## 問題22

1. 問題の内容

関数 $f(x) = (x+1)^2 e^{-x}$ について、以下の問いに答える。

(1) 関数 $y=f(x)$ の増減、極値、グラフの凹凸を調べて、グラフの概形を描け。ただし、$\lim_{x \to \infty} x^2 e^{-x} = 0$ を用いて良い。

(2) $a$ は定数で、$a \ge 0$ とする。方程式 $f(x) = a$ の異なる実数解の個数を調べよ。

2. 解き方の手順

(1)

* **増減の調査:**

* $f'(x)$ を計算する。

* $f'(x) = 0$ となる $x$ を求める。

* $f'(x)$ の符号を調べ、増減表を作成する。

* **極値の計算:**

* $f'(x)$ の符号が変化する $x$ での $f(x)$ の値を計算する。

* **凹凸の調査:**

* $f''(x)$ を計算する。

* $f''(x) = 0$ となる $x$ を求める。

* $f''(x)$ の符号を調べ、凹凸を調べる。

* **変曲点の計算:**

* $f''(x)$ の符号が変化する $x$ での $f(x)$ の値を計算する。

* **極限:**

* $\lim_{x \to \infty} f(x)$ を計算する（$\lim_{x \to \infty} x^2 e^{-x} = 0$ を利用）。

* $\lim_{x \to -\infty} f(x)$ を計算する。

* **グラフの概形:**

* 求めた情報をもとにグラフを描く。

(2)

* $y = f(x)$ のグラフと $y = a$ のグラフの交点の個数を調べる。

* $a$ の値によって交点の個数がどのように変化するかを考察する。

* $a$ が極値のとき、交点の個数は変化する可能性がある。

**計算:**

(1)

$f(x) = (x+1)^2 e^{-x}$

$f'(x) = 2(x+1)e^{-x} - (x+1)^2e^{-x} = (x+1)(2 - (x+1))e^{-x} = (x+1)(1-x)e^{-x}$

$f'(x) = 0$ となるのは、$x = -1, 1$

増減表:

| x | -∞ | ... | -1 | ... | 1 | ... | ∞ |

| --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- | --- |

| f'(x) | | - | 0 | + | 0 | - | |

| f(x) | ∞ | ↓ | 0 | ↑ | 4/e | ↓ | 0 |

$f(-1) = 0$, $f(1) = (1+1)^2 e^{-1} = 4e^{-1} = \frac{4}{e}$

$f''(x) = (1-x)e^{-x} - (x+1)e^{-x} - (x+1)(1-x)e^{-x} = e^{-x} (1-x -x -1 - (1-x^2)) = e^{-x}(x^2 -2x-1)$

$f''(x) = 0$ となるのは、$x^2 - 2x - 1 = 0$ より $x = \frac{2 \pm \sqrt{4+4}}{2} = 1 \pm \sqrt{2}$

$x = 1 - \sqrt{2}$ および $x = 1 + \sqrt{2}$ で凹凸が変わる。

$\lim_{x \to \infty} (x+1)^2 e^{-x} = 0$, $\lim_{x \to -\infty} (x+1)^2 e^{-x} = \infty$

(2)

* $0 \le a < 0$ のとき、解なし。ありえない。

* $a = 0$ のとき、$x=-1$ のみ。解は1個。

* $0 < a < \frac{4}{e}$ のとき、解は3個。

* $a = \frac{4}{e}$ のとき、解は2個。

* $a > \frac{4}{e}$ のとき、解は1個。

3. 最終的な答え

(1) グラフの概形：

$x=-1$ で極小値0、$x=1$ で極大値 $\frac{4}{e}$ をとる。

$x = 1 \pm \sqrt{2}$ で変曲点を持ち、$\lim_{x \to \infty} f(x) = 0$, $\lim_{x \to -\infty} f(x) = \infty$ となる。

(2)

* $a = 0$ のとき、解は1個。

* $0 < a < \frac{4}{e}$ のとき、解は3個。

* $a = \frac{4}{e}$ のとき、解は2個。

* $a > \frac{4}{e}$ のとき、解は1個。