連立不等式 $1 \le x \le 3^n$ $0 \le y \le \log_3 x$ で表される領域 $D$ に含まれる格子点（$x$座標と$y$座標がともに整数である点）の個数を求める問題。ただし、$n$は自然数とする。

1. 問題の内容

連立不等式

$1 \le x \le 3^n$

$0 \le y \le \log_3 x$

で表される領域 $D$ に含まれる格子点（$x$座標と$y$座標がともに整数である点）の個数を求める問題。ただし、$n$は自然数とする。

2. 解き方の手順

まず、直線 $y=k$（$k$は整数）が領域 $D$ と共通部分をもつときの、$k$ の値の範囲を求める。$1 \le x \le 3^n$ より、$\log_3 1 \le \log_3 x \le \log_3 3^n$。したがって、$0 \le \log_3 x \le n$。よって、$0 \le y \le n$ となるので、$k$ の値の範囲は $0 \le k \le n$ である。

次に、直線 $y=k$ と曲線 $y = \log_3 x$ との交点の座標を求める。$y = \log_3 x$ に $y=k$ を代入すると、$k = \log_3 x$ となるので、$x = 3^k$。よって、交点の座標は $(3^k, k)$ である。

領域 $D$ に含まれる直線 $y=k$ 上の格子点の個数は、$x$ の範囲を考える。$1 \le x \le 3^n$ かつ $3^k \le x \le 3^n$ なので、$3^k$と$1$の大きい方から $3^n$ までとなる。$x$ は整数なので、個数は $3^n - \max(1, 3^k) + 1$ となる。$k \ge 0$より、$3^k \ge 1$であるため、$\max(1, 3^k) = 3^k$。したがって、$3^n - 3^k + 1$となる。

領域 $D$ に含まれる格子点の個数は、$k=0$から$k=n$までの直線 $y=k$ 上の格子点の個数の和である。

$\sum_{k=0}^{n} (3^n - 3^k + 1) = \sum_{k=0}^{n} 3^n - \sum_{k=0}^{n} 3^k + \sum_{k=0}^{n} 1$

$= (n+1)3^n - \frac{3^{n+1} - 1}{3 - 1} + (n+1) = (n+1)3^n - \frac{3}{2}3^n + \frac{1}{2} + (n+1) = (n+1)3^n - \frac{3}{2}3^n + n + \frac{3}{2}$

$= (n - \frac{1}{2})3^n + n + \frac{3}{2}$

$= n3^n - \frac{1}{2}3^n + n + \frac{3}{2}$

$= (n - \frac{1}{2})3^n + n + \frac{3}{2} = (\frac{2n-1}{2})3^n + \frac{2n+3}{2}$

$= \frac{1}{2}(2n-1)3^n + \frac{1}{2}(2n+3)$.

$k$の値の範囲は$0 \le k \le n$である。

交点の座標は $(3^k, k)$である。

直線 $y=k$上の格子点の個数は $3^n - 3^k + 1$である。

領域 $D$ に含まれる格子点の個数は、$\sum_{k=0}^n (3^n - 3^k + 1) = (n+1)(3^n + 1) - \frac{3^{n+1} - 1}{2} = (n+1)3^n + n + 1 - \frac{3^{n+1}}{2} + \frac{1}{2}$

$= (n+1)3^n - \frac{3}{2}3^n + n + \frac{3}{2} = (\frac{2n+2-3}{2})3^n + n + \frac{3}{2} = \frac{2n-1}{2}3^n + n + \frac{3}{2}$

$= \frac{(2n-1)3^n + 2n+3}{2}$

3. 最終的な答え

ア: $0 \le k \le n$

イ: $3^k$

ウ: $3^n - 3^k + 1$

エ: $\frac{2n-1}{2}$

オ: $\frac{2n+3}{2}$