集合 A, B が与えられ、 $A = \{n | n \text{ は 10 で割り切れる自然数}\}$ $B = \{n | n \text{ は 4 で割り切れる自然数}\}$ (1) 自然数 $n$ が $A$ に属すること、つまり、$n$ が 10 で割り切れることは、$n$ が 2 で割り切れるための何条件か。 自然数 $n$ が $B$ に属すること、つまり、$n$ が 4 で割り切れることは、$n$ が 20 で割り切れるための何条件か。 (2) 以下の集合 $C, D, E$ を、$A$ と $B$ を用いて表す。 $C = \{n | n \text{ は 10 と 4 のいずれでも割り切れる自然数}\}$ $D = \{n | n \text{ は 10 でも 4 でも割り切れない自然数}\}$ $E = \{n | n \text{ は 20 で割り切れない自然数}\}$

離散数学集合条件必要条件十分条件ド・モルガンの法則
2025/8/5

1. 問題の内容

集合 A, B が与えられ、
A={nn は 10 で割り切れる自然数}A = \{n | n \text{ は 10 で割り切れる自然数}\}
B={nn は 4 で割り切れる自然数}B = \{n | n \text{ は 4 で割り切れる自然数}\}
(1) 自然数 nnAA に属すること、つまり、nn が 10 で割り切れることは、nn が 2 で割り切れるための何条件か。
自然数 nnBB に属すること、つまり、nn が 4 で割り切れることは、nn が 20 で割り切れるための何条件か。
(2) 以下の集合 C,D,EC, D, E を、AABB を用いて表す。
C={nn は 10 と 4 のいずれでも割り切れる自然数}C = \{n | n \text{ は 10 と 4 のいずれでも割り切れる自然数}\}
D={nn は 10 でも 4 でも割り切れない自然数}D = \{n | n \text{ は 10 でも 4 でも割り切れない自然数}\}
E={nn は 20 で割り切れない自然数}E = \{n | n \text{ は 20 で割り切れない自然数}\}

2. 解き方の手順

(1)
* nnAA に属することは、nn が 10 で割り切れることである。nn が 10 で割り切れるならば、nn は 2 で割り切れる。しかし、nn が 2 で割り切れても、nn が 10 で割り切れるとは限らない(例えば、n=2n=2)。したがって、nn が 10 で割り切れることは、nn が 2 で割り切れるための十分条件である。
nn が 2 で割り切れることは、nn が 10 で割り切れるための必要条件である。よって、「カ」は「② 十分条件であるが、必要条件でない」となる。
* nnBB に属することは、nn が 4 で割り切れることである。nn が 4 で割り切れるならば、nn が 20 で割り切れるとは限らない(例えば、n=4n=4)。しかし、nn が 20 で割り切れるならば、nn は 4 で割り切れる。したがって、nn が 4 で割り切れることは、nn が 20 で割り切れるための必要条件である。
nn が 20 で割り切れることは、nn が 4 で割り切れるための十分条件である。よって、「キ」は「① 必要条件であるが、十分条件でない」となる。
(2)
* C={nn は 10 と 4 のいずれでも割り切れる自然数}C = \{n | n \text{ は 10 と 4 のいずれでも割り切れる自然数}\} は、AA または BB に属する自然数の集合なので、C=ABC = A \cup B である。よって、「ク」は「⓪ ABA \cup B」となる。
* D={nn は 10 でも 4 でも割り切れない自然数}D = \{n | n \text{ は 10 でも 4 でも割り切れない自然数}\} は、AA にも BB にも属さない自然数の集合なので、D=ABD = \overline{A} \cap \overline{B} である。これは、D=ABD = \overline{A \cup B} とも表せる。選択肢の中に AB\overline{A \cup B} はないので、ド・モルガンの法則を使うと、D=ABD = \overline{A \cup B} = AB\overline{A} \cap \overline{B} 。 よって、「ケ」は「⑥ AB\overline{A} \cap \overline{B}」となる。
* E={nn は 20 で割り切れない自然数}E = \{n | n \text{ は 20 で割り切れない自然数}\} である。20 は 4 と 5 の最小公倍数なので、20 で割り切れないということは、ABA \cap Bの補集合を表すことになる。つまり E=ABE = \overline{A \cap B}である。選択肢の中に AB\overline{A \cap B} はないので、ド・モルガンの法則を使うと、E=ABE = \overline{A \cap B} = AB\overline{A} \cup \overline{B}
よって、「コ」は「② AB\overline{A} \cup \overline{B}」となる。

3. 最終的な答え

(1) カ: ②, キ: ①
(2) ク: ⓪, ケ: ⑥, コ: ②

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