縦2、横$n$の長方形に、2$n$枚の白色または黒色の正方形タイルを敷き詰めます。ただし、どの2つの黒色タイルも頂点を共有しません。 $a_n$:左上と左下がともに白色の場合の数 $b_n$:左上が黒色で左下が白色の場合の数 $c_n$:すべての敷き詰め方の場合の数 (1) $a_1$, $b_1$, $c_1$, $a_2$, $b_2$, $c_2$ を求めよ。 (2) $a_{n+1}$, $b_{n+1}$ を $a_n$, $b_n$ を用いて表せ。 (3) $a_{n+1} + a_n$ を求めよ。また、$a_{n+1} - 2a_n$ を求めよ。 (4) $c_n$ を求めよ。

離散数学組み合わせ漸化式数列場合の数
2025/8/8

1. 問題の内容

縦2、横nnの長方形に、2nn枚の白色または黒色の正方形タイルを敷き詰めます。ただし、どの2つの黒色タイルも頂点を共有しません。
ana_n:左上と左下がともに白色の場合の数
bnb_n:左上が黒色で左下が白色の場合の数
cnc_n:すべての敷き詰め方の場合の数
(1) a1a_1, b1b_1, c1c_1, a2a_2, b2b_2, c2c_2 を求めよ。
(2) an+1a_{n+1}, bn+1b_{n+1}ana_n, bnb_n を用いて表せ。
(3) an+1+ana_{n+1} + a_n を求めよ。また、an+12ana_{n+1} - 2a_n を求めよ。
(4) cnc_n を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
n=1n = 1 のとき、タイルは2枚。
- a1a_1: 左上と左下がともに白色。つまり、2枚とも白色。1通り。
- b1b_1: 左上が黒色で左下が白色。1通り。
- c1c_1: すべての場合。2枚とも白、左上が黒で左下が白、左上が白で左下が黒、2枚とも黒。3通り。条件から2枚とも黒はありえないので、1+1+1=31 + 1 + 1 = 3 ではなく、1+1+0=21 + 1 + 0 = 2
- c1=a1+2b1c_1= a_1+2b_1 とすると、c1=1+21=3c_1 = 1 + 2*1 = 3
n=2n = 2 のとき、タイルは4枚。
- a2a_2: 左上と左下がともに白色。
- 1段目も2段目も両方白:1通り
- 1段目白黒、2段目白白:1通り
- 1段目白白、2段目白黒:1通り
よって、a2=3a_2 = 3
- b2b_2: 左上が黒色で左下が白色。
- 1段目黒白、2段目白白:1通り
- 1段目黒黒、2段目白白:0通り
- 1段目黒白、2段目白黒:1通り
よって、b2=2b_2 = 2
- c2c_2: すべての場合
- 1段目2段目ともに白白:1
- 1段目黒白2段目白白:1
- 1段目白黒2段目白白:1
- 1段目白白2段目黒白:1
- 1段目白白2段目白黒:1
- 1段目黒白2段目白黒:1
よってc2=6c_2=6c2=a2+2b2=3+2×2=7c_2=a_2+2b_2=3+2\times 2=7
ana_n : 左上と左下がともに白色の場合の数
bnb_n : 左上が黒色で左下が白色の場合の数
cn=an+2bnc_n = a_n + 2b_n
(2)
an+1a_{n+1}: 左上と左下がともに白色
- 一番左の列が白白の場合: 残りの nn 列は ana_n 通り
- 一番左の列が白黒の場合: 残りの nn 列は bnb_n 通り
- 一番左の列が黒白の場合: 残りの nn 列は bnb_n 通り (これはana_nにはならないので考える必要がない)
an+1=an+bna_{n+1} = a_n + b_n
bn+1b_{n+1}: 左上が黒色で左下が白色
- 一番左の列が白白:ありえない
- 一番左の列が白黒の場合: 残りの nn 列は ana_n 通り
- 一番左の列が黒白の場合:残りn列は白白以外。白白はana_n通りなのでcnanc_n - a_n通り。
- 一番左の列が黒黒:残りn列は黒タイルの頂点が接しないように敷き詰めればよいから場合分けするとbn1b_n-1通り?
- 一番左の列が黒白:bnb_nから黒タイル頂点が接する場合を引く?
したがって、bn+1=an+bnb_{n+1} = a_n + b_n
(3)
an+1=an+bna_{n+1} = a_n + b_n より、bn=an+1anb_n = a_{n+1} - a_n
an+1=an+bna_{n+1} = a_n + b_nbn+1=an+bnb_{n+1} = a_n + b_nなので、bn+1=an+1b_{n+1} = a_{n+1}
an+2=an+1+bn+1=an+1+an+1=2an+1a_{n+2}=a_{n+1}+b_{n+1}=a_{n+1}+a_{n+1}=2a_{n+1}.
よって、an+1+an=bn+2a_{n+1} + a_n = b_{n+2}.
an+1+an=Fn+3a_{n+1} + a_n = F_{n+3} (FnF_nはフィボナッチ数)
an+12an=(an+bn)2an=bnana_{n+1} - 2a_n = (a_n + b_n) - 2a_n = b_n - a_n
an+1+an=an+bn+an=2an+bna_{n+1}+a_n=a_n+b_n+a_n = 2a_n + b_n
(4)
cn=an+2bnc_n = a_n + 2b_n
bn=an+1anb_n = a_{n+1} - a_n
cn=an+2(an+1an)=2an+1anc_n = a_n + 2(a_{n+1} - a_n) = 2a_{n+1} - a_n

3. 最終的な答え

(1)
a1=1a_1 = 1, b1=1b_1 = 1, c1=3c_1 = 3, a2=3a_2 = 3, b2=2b_2 = 2, c2=7c_2 = 7
(2)
an+1=an+bna_{n+1} = a_n + b_n
bn+1=an+bnb_{n+1} = a_n + b_n
(3)
an+1+an=?a_{n+1} + a_n = ?
an+12an=bnana_{n+1} - 2a_n = b_n - a_n
(4)
cn=2an+1anc_n = 2a_{n+1} - a_n

「離散数学」の関連問題

全体集合 $U$ は36の正の約数、集合 $A$ は3の倍数、集合 $B$ は4の倍数と定義されています。このとき、$n(A \cup B)$ を求める問題です。ここで $n(S)$ は集合 $S$ ...

集合集合の要素和集合補集合約数
2025/8/10

(1) 男子3人、女子3人の計6人が1列に並ぶとき、男子3人が隣り合う並び方は何通りあるか。 (2) 5個の数字0, 1, 2, 3, 4を用いて作った各位の数字がすべて異なる5桁の整数について、小さ...

順列組み合わせ場合の数最短経路
2025/8/10

全体集合 $U = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8\}$ の部分集合 $A = \{1, 2, 3, 4, 5\}$, $B = \{2, 4, 6, 8\}$, $C = \{6,...

集合集合演算共通部分和集合補集合
2025/8/10

男子3人、女子3人が1列に並ぶときの並び方の数を、以下の条件で求める問題です。 (1) 女子が両端にくる (2) 男子3人が続いて並ぶ (3) 男子と女子が交互に並ぶ また、6つの文字a, b, c,...

順列組み合わせ円順列場合の数
2025/8/10

問題9は、"coffee"という単語の6文字をすべて並べてできる順列のうち、2つの"f"が隣り合わないものの総数を求める問題です。

順列組み合わせ場合の数重複順列
2025/8/10

問題1:100以下の自然数のうち、(1) 4の倍数または6の倍数である数、(2) 4の倍数でも6の倍数でもない数、(3) 4の倍数であるが6の倍数ではない数を求める。 問題2:(1) 360の正の約数...

場合の数組み合わせ順列約数円順列
2025/8/10

1から5の数字が書かれたカードから2枚を選び、2桁の数Xを作る。ア:2枚の数字の差は2である。イ:Xは3で割り切れるが4では割り切れない。このとき、アまたはイの情報だけでXが特定できるか、両方必要か、...

組み合わせ条件論理数の性質
2025/8/10

(1) 1から5までの5個の数字をすべて使って5桁の整数を作るとき、偶数は全部で何個できるか。 (2) 1から7までの7個の数字から異なる3個の数字を取り出して並べ、3桁の整数を作るとき、200から5...

順列組合せ場合の数数え上げ
2025/8/10

男子5人と女子5人が手をつないで輪を作るとき、以下の問いに答える。 (1) 女子5人が続いて並ぶ方法は何通りあるか。 (2) 男女が交互に並ぶ方法は何通りあるか。

順列円順列場合の数組み合わせ
2025/8/10

1から9までの数字をそれぞれ1回ずつ使って9桁の整数を作るとき、以下の条件を満たす整数の個数を求める。 (1) 2, 4, 6, 8 がどれも隣り合わない。 (2) 2, 4, 6, 8 だけを見たと...

順列組み合わせ条件付き数え上げ場合の数
2025/8/10