(1) Im(T) が V の部分空間であることを示す。 部分空間であるためには、以下の3つの条件を満たす必要がある。
(a) ゼロベクトル 0 が Im(T) に含まれる。 (b) Im(T) の任意の2つのベクトル v1,v2 に対して、v1+v2 が Im(T) に含まれる (和に関して閉じている)。 (c) Im(T) の任意のベクトル v と任意のスカラー c に対して、cv が Im(T) に含まれる (スカラー倍に関して閉じている)。 (a) T は線形写像なので、T(0)=0 である。ここで、0 は U のゼロベクトルである。したがって、V のゼロベクトル 0 は Im(T) に含まれる。 (b) v1,v2∈Im(T) とする。このとき、ある u1,u2∈U が存在して、v1=T(u1) かつ v2=T(u2) と書ける。 v1+v2=T(u1)+T(u2) 線形性より
T(u1)+T(u2)=T(u1+u2) u1+u2∈U より、T(u1+u2)∈Im(T) である。したがって、v1+v2∈Im(T) である。 (c) v∈Im(T) とする。このとき、ある u∈U が存在して、v=T(u) と書ける。任意のスカラー c に対して、cv=cT(u) である。線形性より、cT(u)=T(cu) である。cu∈U より、T(cu)∈Im(T) である。したがって、cv∈Im(T) である。 以上より、Im(T) は V の部分空間である。 (2) Ker(T) が U の部分空間であることを示す。 部分空間であるためには、以下の3つの条件を満たす必要がある。
(a) ゼロベクトル 0 が Ker(T) に含まれる。 (b) Ker(T) の任意の2つのベクトル u1,u2 に対して、u1+u2 が Ker(T) に含まれる (和に関して閉じている)。 (c) Ker(T) の任意のベクトル u と任意のスカラー c に対して、cu が Ker(T) に含まれる (スカラー倍に関して閉じている)。 (a) T は線形写像なので、T(0)=0 である。ここで、0 は U のゼロベクトルであり、右辺の0は V のゼロベクトルである。0∈Ker(T) である。 (b) u1,u2∈Ker(T) とする。このとき、T(u1)=0 かつ T(u2)=0 である。 T(u1+u2)=T(u1)+T(u2)=0+0=0 したがって、u1+u2∈Ker(T) である。 (c) u∈Ker(T) とする。このとき、T(u)=0 である。任意のスカラー c に対して、T(cu)=cT(u)=c0=0 である。したがって、cu∈Ker(T) である。 以上より、Ker(T) は U の部分空間である。