三角形OABにおいて、ベクトル$\overrightarrow{OA}$と$\overrightarrow{OB}$のなす角を$\theta (0 < \theta < \frac{\pi}{2})$とする。実数$s, t$は$0 \le s \le 1$, $0 \le t \le 1$, $0 \le s + \frac{1}{2}t \le 1$を満たすとする。$\overrightarrow{OP} = s\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OB}$と定める。 (1) 点Pの存在範囲を図示せよ。 (2) $|\overrightarrow{OA}| = \sin \theta + 2\cos \theta$, $|\overrightarrow{OB}| = 4$とする。点Pの存在範囲の面積を$2\theta$の関数で表せ。 (3) (2)で求めた面積の最大値を求めよ。ただし、そのときの$\theta$の値を求める必要はない。

幾何学ベクトル図形面積三角関数領域
2025/8/6

1. 問題の内容

三角形OABにおいて、ベクトルOA\overrightarrow{OA}OB\overrightarrow{OB}のなす角をθ(0<θ<π2)\theta (0 < \theta < \frac{\pi}{2})とする。実数s,ts, t0s10 \le s \le 1, 0t10 \le t \le 1, 0s+12t10 \le s + \frac{1}{2}t \le 1を満たすとする。OP=sOA+tOB\overrightarrow{OP} = s\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OB}と定める。
(1) 点Pの存在範囲を図示せよ。
(2) OA=sinθ+2cosθ|\overrightarrow{OA}| = \sin \theta + 2\cos \theta, OB=4|\overrightarrow{OB}| = 4とする。点Pの存在範囲の面積を2θ2\thetaの関数で表せ。
(3) (2)で求めた面積の最大値を求めよ。ただし、そのときのθ\thetaの値を求める必要はない。

2. 解き方の手順

(1) s+12t1s + \frac{1}{2}t \le 1より、2s+t22s + t \le 2、つまりt2s+2t \le -2s + 2となる。また、0s10 \le s \le 10t10 \le t \le 1である。
点Pの存在範囲は、点O, A, Cを通る四角形OACBの内部および周上となる。ただし、点Cは線分2OA2\overrightarrow{OA}の終点であり、点BはOB\overrightarrow{OB}の終点である。また点Pは、線分OBと2OA2\overrightarrow{OA}を結んだ線の式2s+t=22s + t = 2の内側である。線分ACはOA+OB\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{OB}の内側を通る。
2s+t=22s + t = 2より、t=22st = 2 - 2sである。
0s10 \le s \le 1および0t10 \le t \le 1という条件から、
022s10 \le 2 - 2s \le 1となり、12s21 \le 2s \le 2、つまり12s1\frac{1}{2} \le s \le 1となる。
したがって、点Pの存在範囲は、O, A, D, Eを結ぶ四角形の内部および周上である。ただし、Dは12OB\frac{1}{2}\overrightarrow{OB}の終点であり、Eはs=1s=1に対応する点である。
すなわち、EはOA\overrightarrow{OA}の終点である。
(2) 点Pの存在範囲は平行四辺形OADEであるから、その面積Sは、
S=12OAOBsinθ=12(sinθ+2cosθ)4sinθ=2(sinθ+2cosθ)sinθ=2sin2θ+4sinθcosθS = \frac{1}{2}|\overrightarrow{OA}||\overrightarrow{OB}|\sin \theta = \frac{1}{2} (\sin \theta + 2\cos \theta) \cdot 4 \cdot \sin \theta = 2(\sin \theta + 2\cos \theta)\sin \theta = 2\sin^2 \theta + 4\sin \theta \cos \theta
ここで、2sin2θ=1cos2θ2\sin^2 \theta = 1 - \cos 2\theta2sinθcosθ=sin2θ2\sin \theta \cos \theta = \sin 2\thetaより、
S=(1cos2θ)+2sin2θ=2sin2θcos2θ+1S = (1 - \cos 2\theta) + 2\sin 2\theta = 2\sin 2\theta - \cos 2\theta + 1
(3) S=2sin2θcos2θ+1S = 2\sin 2\theta - \cos 2\theta + 1を三角関数の合成を用いて変形する。
S=22+(1)2sin(2θ+α)+1=5sin(2θ+α)+1S = \sqrt{2^2 + (-1)^2} \sin (2\theta + \alpha) + 1 = \sqrt{5} \sin (2\theta + \alpha) + 1
ただし、cosα=25\cos \alpha = \frac{2}{\sqrt{5}}, sinα=15\sin \alpha = -\frac{1}{\sqrt{5}}である。
0<θ<π20 < \theta < \frac{\pi}{2}より、0<2θ<π0 < 2\theta < \piである。
α\alphaは第4象限の角であるから、2θ+α2\theta + \alphaの値域は(α,π+α)(\alpha, \pi + \alpha)となる。
したがって、SSの最大値は、sin(2θ+α)=1\sin (2\theta + \alpha) = 1のときである。
Smax=5+1S_{max} = \sqrt{5} + 1

3. 最終的な答え

(1) 点Pの存在範囲は、O, A, D, Eを結ぶ四角形の内部および周上である。ただし、Dは線分12OB\frac{1}{2}\overrightarrow{OB}の終点であり、EはOA\overrightarrow{OA}の終点である。
(2) S=2sin2θcos2θ+1S = 2\sin 2\theta - \cos 2\theta + 1
(3) 5+1\sqrt{5} + 1

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