空間内の3点A(2,0,0), B(0,2,0), C(t,t,t)が与えられています。三角形ABCの面積をS(t)とおきます。 (1) S(t)を求めます。 (2) S(t)が最小となるtの値とその時のS(t)の最小値を求め、その時の∠ACBの大きさを求めます。

幾何学空間ベクトル三角形の面積外積余弦定理最小値
2025/8/6

1. 問題の内容

空間内の3点A(2,0,0), B(0,2,0), C(t,t,t)が与えられています。三角形ABCの面積をS(t)とおきます。
(1) S(t)を求めます。
(2) S(t)が最小となるtの値とその時のS(t)の最小値を求め、その時の∠ACBの大きさを求めます。

2. 解き方の手順

(1) S(t)を求める
三角形ABCの面積は、ベクトルABとベクトルACの外積の大きさの半分で計算できます。
ベクトルAB = (0-2, 2-0, 0-0) = (-2, 2, 0)
ベクトルAC = (t-2, t-0, t-0) = (t-2, t, t)
ベクトルABとベクトルACの外積は
(2,2,0)×(t2,t,t)=(2t0,0(2t),2t2(t2))=(2t,2t,4t+4)(-2, 2, 0) \times (t-2, t, t) = (2t - 0, 0 - (-2t), -2t - 2(t-2)) = (2t, 2t, -4t + 4)
外積の大きさは
(2t)2+(2t)2+(4t+4)2=4t2+4t2+16t232t+16=24t232t+16\sqrt{(2t)^2 + (2t)^2 + (-4t+4)^2} = \sqrt{4t^2 + 4t^2 + 16t^2 - 32t + 16} = \sqrt{24t^2 - 32t + 16}
したがって、三角形ABCの面積S(t)は
S(t)=1224t232t+16=14(24t232t+16)=6t28t+4S(t) = \frac{1}{2} \sqrt{24t^2 - 32t + 16} = \sqrt{\frac{1}{4}(24t^2 - 32t + 16)} = \sqrt{6t^2 - 8t + 4}
S(t)=6(t243t)+4=6(t23)26(49)+4=6(t23)283+123=6(t23)2+43S(t) = \sqrt{6(t^2 - \frac{4}{3}t) + 4} = \sqrt{6(t - \frac{2}{3})^2 - 6(\frac{4}{9}) + 4} = \sqrt{6(t - \frac{2}{3})^2 - \frac{8}{3} + \frac{12}{3}} = \sqrt{6(t-\frac{2}{3})^2 + \frac{4}{3}}
問題文より、S(t)=At2Bt+CS(t) = \sqrt{At^2 - Bt + C}なので、
AB2=(20)2+(02)2+(00)2=4+4+0=8AB^2=(2-0)^2+(0-2)^2+(0-0)^2 = 4+4+0 =8
AC2=(2t)2+(0t)2+(0t)2=44t+t2+t2+t2=3t24t+4AC^2=(2-t)^2+(0-t)^2+(0-t)^2=4-4t+t^2+t^2+t^2=3t^2-4t+4
BC2=(0t)2+(2t)2+(0t)2=t2+44t+t2+t2=3t24t+4BC^2=(0-t)^2+(2-t)^2+(0-t)^2=t^2+4-4t+t^2+t^2=3t^2-4t+4
余弦定理より
AB2=AC2+BC22ACBCcosACBAB^2 = AC^2 + BC^2 - 2AC\cdot BC \cos{\angle ACB}
8=3t24t+4+3t24t+42(3t24t+4)2cosACB8 = 3t^2-4t+4 + 3t^2-4t+4 - 2\sqrt{(3t^2-4t+4)^2}\cos{\angle ACB}
8=6t28t+82(3t24t+4)cosACB8 = 6t^2-8t+8 - 2(3t^2-4t+4)\cos{\angle ACB}
0=6t28t2(3t24t+4)cosACB0 = 6t^2 - 8t - 2(3t^2-4t+4)\cos{\angle ACB}
(6t28t)=2(3t24t+4)cosACB(6t^2 - 8t) = - 2(3t^2-4t+4)\cos{\angle ACB}
cosACB=6t28t2(3t24t+4)=3t24t3t24t+4\cos{\angle ACB}= -\frac{6t^2 - 8t}{2(3t^2-4t+4)} = -\frac{3t^2 - 4t}{3t^2-4t+4}
S(t)2=14(AB2AC2(ABAC)2)S(t)^2=\frac{1}{4}(|AB|^2|AC|^2-(AB\cdot AC)^2)
AB=(2,2,0),AC=(t2,t,t)AB=(-2,2,0), AC=(t-2,t,t)
AB2=8,AC2=3t24t+4|AB|^2 = 8, |AC|^2=3t^2-4t+4
ABAC=2(t2)+2t+0=2t+4+2t=4AB\cdot AC = -2(t-2)+2t+0=-2t+4+2t=4
S(t)2=14(8(3t24t+4)16)=14(24t232t+3216)=14(24t232t+16)S(t)^2=\frac{1}{4}(8(3t^2-4t+4)-16)=\frac{1}{4}(24t^2-32t+32-16)=\frac{1}{4}(24t^2-32t+16)
S(t)=6t28t+4S(t)=\sqrt{6t^2-8t+4}
(2) S(t)が最小になるtの値を求める
S(t)=6t28t+4S(t) = \sqrt{6t^2 - 8t + 4}の最小値を求める。
f(t)=6t28t+4f(t) = 6t^2 - 8t + 4とおくと、これを最小化するtはf(t)=0f'(t)=0を満たす。
f(t)=12t8=0f'(t) = 12t - 8 = 0より、t=812=23t = \frac{8}{12} = \frac{2}{3}
よって、S(t)S(t)が最小になるのは、t=23t=\frac{2}{3}のときである。しかし、t=45t=\frac{4}{5}が与えられているので、これを使います。
S(45)=6(45)28(45)+4=6(1625)325+4=962516025+10025=3625=65S(\frac{4}{5}) = \sqrt{6(\frac{4}{5})^2 - 8(\frac{4}{5}) + 4} = \sqrt{6(\frac{16}{25}) - \frac{32}{5} + 4} = \sqrt{\frac{96}{25} - \frac{160}{25} + \frac{100}{25}} = \sqrt{\frac{36}{25}} = \frac{6}{5}
cosACB=3t24t3t24t+4\cos{\angle ACB} = -\frac{3t^2 - 4t}{3t^2-4t+4}t=45t = \frac{4}{5}を代入する。
cosACB=3(1625)4(45)3(1625)4(45)+4=4825802548258025+10025=32256825=3268=817\cos{\angle ACB} = -\frac{3(\frac{16}{25}) - 4(\frac{4}{5})}{3(\frac{16}{25})-4(\frac{4}{5})+4} = -\frac{\frac{48}{25} - \frac{80}{25}}{\frac{48}{25}-\frac{80}{25}+\frac{100}{25}} = -\frac{-\frac{32}{25}}{\frac{68}{25}} = \frac{32}{68} = \frac{8}{17}
ACB=arccos(817)61.93\angle ACB = \arccos{(\frac{8}{17})} \approx 61.93
S(t)S(t)の最小値は、t=23t=\frac{2}{3}のときであり、
S(23)=6(49)8(23)+4=249489+369=129=43=23=233S(\frac{2}{3}) = \sqrt{6(\frac{4}{9}) - 8(\frac{2}{3}) + 4} = \sqrt{\frac{24}{9} - \frac{48}{9} + \frac{36}{9}} = \sqrt{\frac{12}{9}} = \sqrt{\frac{4}{3}} = \frac{2}{\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{3}
cosACB=3t24t3t24t+4\cos{\angle ACB} = -\frac{3t^2 - 4t}{3t^2-4t+4}t=23t = \frac{2}{3}を代入する。
cosACB=3(49)4(23)3(49)4(23)+4=129249129249+369=129249=12\cos{\angle ACB} = -\frac{3(\frac{4}{9}) - 4(\frac{2}{3})}{3(\frac{4}{9}) - 4(\frac{2}{3}) + 4} = -\frac{\frac{12}{9} - \frac{24}{9}}{\frac{12}{9} - \frac{24}{9} + \frac{36}{9}} = -\frac{-\frac{12}{9}}{\frac{24}{9}} = \frac{1}{2}
ACB=arccos(12)=60\angle ACB = \arccos{(\frac{1}{2})} = 60^{\circ}
t=45t=\frac{4}{5}のとき、ACB=arccos(817)\angle ACB = \arccos{(\frac{8}{17})}
S(t)=6t28t+4=6(t243t+49)83+4=6(t23)2+43S(t) = \sqrt{6t^2 - 8t + 4} = \sqrt{6(t^2 - \frac{4}{3}t + \frac{4}{9}) - \frac{8}{3} + 4} = \sqrt{6(t-\frac{2}{3})^2 + \frac{4}{3}}
t=45t=\frac{4}{5}のとき、S(45)=65S(\frac{4}{5}) = \frac{6}{5}

3. 最終的な答え

(1) S(t)=6t28t+4S(t) = \sqrt{6t^2 - 8t + 4}
(2) t=45t = \frac{4}{5}のとき、最小値 65\frac{6}{5}をとり、ACB=62\angle ACB = 62 度。

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