実数 $a$ は $a \geq 0$ を満たすとする。$xy$ 平面において、不等式 $0 \leq x \leq e-1$ かつ $y(y - \log(x+1) + a) \leq 0$ が表す部分の面積を $S(a)$ とする。 (1) $S(a)$ を求めよ。 (2) $S(a)$ の最小値を求めよ。

解析学積分面積不等式対数関数最小値微分
2025/8/6

1. 問題の内容

実数 aaa0a \geq 0 を満たすとする。xyxy 平面において、不等式 0xe10 \leq x \leq e-1 かつ y(ylog(x+1)+a)0y(y - \log(x+1) + a) \leq 0 が表す部分の面積を S(a)S(a) とする。
(1) S(a)S(a) を求めよ。
(2) S(a)S(a) の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 不等式 y(ylog(x+1)+a)0y(y - \log(x+1) + a) \leq 0 を解くと、 y0y \geq 0 ならば ylog(x+1)+a0y - \log(x+1) + a \leq 0 となり、 y0y \leq 0 ならば ylog(x+1)+a0y - \log(x+1) + a \geq 0 となる。
したがって、0ylog(x+1)a0 \leq y \leq \log(x+1) - a となる。
ただし、log(x+1)a0\log(x+1) - a \geq 0 である必要がある。つまり、alog(x+1)a \leq \log(x+1) を満たす必要がある。
xx の範囲は 0xe10 \leq x \leq e-1 なので、log(x+1)\log(x+1) の最小値は x=0x=0 のとき 00 となる。したがって、a0a \leq 0 のとき、すべての xx に対して log(x+1)a0\log(x+1) - a \geq 0 が成り立つ。しかし、a0a \geq 0 という条件があるので、 a=0a=0 の場合にのみこの条件が満たされる。
a>0a>0の場合について考える。log(x+1)a\log(x+1) \geq a を満たす xx の範囲を求める。
x+1eax+1 \geq e^a より、xea1x \geq e^a - 1。したがって、ea1xe1e^a-1 \leq x \leq e-1 において 0ylog(x+1)a0 \leq y \leq \log(x+1) - a
S(a)S(a) はこの範囲での積分である。
S(a)=ea1e1(log(x+1)a)dxS(a) = \int_{e^a-1}^{e-1} (\log(x+1) - a) dx
ここで、I=log(x+1)dxI = \int \log(x+1) dx を計算する。部分積分を用いると、I=xlog(x+1)xx+1dx=xlog(x+1)(11x+1)dx=xlog(x+1)x+log(x+1)=(x+1)log(x+1)xI = x\log(x+1) - \int \frac{x}{x+1} dx = x\log(x+1) - \int (1 - \frac{1}{x+1}) dx = x\log(x+1) - x + \log(x+1) = (x+1)\log(x+1) - x
したがって、S(a)=[(x+1)log(x+1)xax]ea1e1=[eloge(e1)a(e1)][ealogea(ea1)a(ea1)]=e(e1)a(e1)[aeaea+1a(ea1)]=1a(e1)aea+ea1+a(ea1)=ae+aaea+ea+aeaa=ae+ea=eaaeS(a) = [(x+1)\log(x+1) - x - ax]_{e^a-1}^{e-1} = [e\log e - (e-1) - a(e-1)] - [e^a\log e^a - (e^a-1) - a(e^a-1)] = e - (e-1) - a(e-1) - [ae^a - e^a + 1 - a(e^a-1)] = 1 - a(e-1) - ae^a + e^a - 1 + a(e^a-1) = -ae + a - ae^a + e^a + ae^a - a = -ae + e^a = e^a - ae
S(a)=eaaeS(a) = e^a - ae (for a>0a > 0)
S(a)=0e1log(x+1)dx=[(x+1)log(x+1)x]0e1=[eloge(e1)][log10]=ee+1=1S(a) = \int_0^{e-1} \log(x+1) dx = [(x+1)\log(x+1) - x]_0^{e-1} = [e\log e - (e-1)] - [\log 1 - 0] = e - e + 1 = 1 (for a=0a=0)
(2) S(a)S(a) の最小値を求める。
S(a)=eae=0S'(a) = e^a - e = 0 より、ea=ee^a = e, a=1a = 1
S(a)=ea>0S''(a) = e^a > 0 なので、a=1a=1 で極小かつ最小となる。
S(1)=e11e=0S(1) = e^1 - 1\cdot e = 0
S(0)=1S(0) = 1.

3. 最終的な答え

(1)
S(a)={1a=0eaaea>0S(a) = \begin{cases} 1 & a=0 \\ e^a - ae & a>0 \end{cases}
(2) S(a)S(a) の最小値は 00 (a=1a=1 のとき)

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